先日9日に日本学生野球協会からの発表で、
今年2月に部内での暴力問題が発覚したPL学園野球部に対し
6ヶ月間の対外試合禁止の裁定が下されました。
これが実は関係者からは「厳し過ぎるのではないか?」
という声が上がっているそうです。
どんな暴力がどのくらいの処分になるかというのは難しい問題ですが、
確かに前例からいうと3ヶ月程度の対外試合禁止が妥当かという内容には思えます。
高校野球連盟からは「同校は2001年にも同様の問題が発生している」ことや
「死亡事故につながりかねない事態を重く見た」ことから
前例と比較し重い処分を下したとの説明がありました。
そして気になるのは、同校のOBで元プロ野球選手の清原和博氏がテレビ番組で
「PL学園といえば伝統ですから、暴力は」
というコメントをしていることです。
このコメントが処分の重さに影響を与えたかと言われれば疑問ですが、
素直に取ればPL学園の野球部では長年にわたり部内での暴力が
当たり前のように行われていて、それが黙認されていると思われても仕方ありません。
兵庫県の公立高校のバスケ部生徒が顧問の体罰が原因で自殺したとされる問題が
報道されて以来、全国的に
部活動内での暴力的な行為が大きな問題として捉えられています。
特に高校野球では昔からこうした問題がしばしば取り沙汰されているわけですから、
高校野球連盟としてもこの問題に厳正に取り組んでいるという姿勢を見せるために、
悪くいえば「見せしめ」という意味合いも含まれているかもしれません。
しかし単に処分を重くしたとしても、
体罰や部活動内のパワハラの根本的な解決にはならないと思います。
それが過ぎれば指導者の委縮を引き起こすかも知れません。
体罰やいじめは論外ですが、指導される側が増長すれば逆効果です。
重要なのは正当な指導と、体罰や不当な暴力との線引きをしっかりとして、
不当な暴力が犯罪行為であることをしっかりと示していくということではないでしょうか。