「あとひとつ」
この言葉は私が現役時代にホッとさせる言葉でした。
たとえば、
よく使われるのは
ゲームで守りの時2アウトとなり、あと一つでチェンジというとき。
9回の裏2アウトとなり、あとひとつで試合終了というとき。
きつい練習をしている時、ラスト1回になったとき。
この中で、最も緊張するあと「ひとつ」は、
試合終了までの「あとひとつ」です。
最もホッとする「あとひとつ」はきつい練習のラスト1回の時です。
試合終了まで「あとひとつ」のところで四球やヒットでランナーが出ると
特にドキドキします。
というのも、守備に自信がなかった私は、
「何かやらかすのでは・・・」
と、ドキドキしました。
監督もそれは同じで、私は守備要員と交代させられたこともあります。
昨日の甲子園では智弁学園×横浜高校の試合は
本当に「あとひとつ」のところで天国と地獄が入れ替わりました。
守備側は「あとひとつ」取れば楽になれる・・・
というまだ気持ち的に余裕はありますが、
攻撃側は「あとひとつ」取られたら全てが終わる・・・
というかなりの緊張感があります。
チームとしての緊張感もありますが、
その時打席に立つ打者としては、言葉では言い表せないほどの
緊張があることでしょう。
どれほどの緊張があるかというのはその打席に立った者しか
わからないと思います。
私が3年生の頃、愛工大名電高校野球部の
愛知県大会の決勝でした。
相手は春の選抜でベスト8まで進んだ享栄高校で、
9回の裏4-3で負けていて、2アウトまで簡単に取られ、
ベンチにいた私も負けを覚悟し始めていました。
そんな時、2アウトから3番がフォアボールで出塁し、
4番がヒットで続いてツーアウト2塁1塁のチャンスになりました。
そんなチャンスで私に打席が回り、ヒットで同点、
長打なら逆転サヨナラ優勝という場面でした。
ネクストバッターサークルでガクガクと足が震えるのがわかり、
それを監督も察したのか、
私は監督にダッグアウトの奥に呼ばれ、気合いを入れるためでしょう。
監督から私が吹っ飛ぶほどのフルスイングのビンタを食らいました。
監督はそのビンタ1発を食らわしたあと、
「いってこい!!」
と一言、私は打席に送られました。
私はわけがわからない状態で、
「打てなかったらどうしよう・・・・」
というネガティブなイメージも、
「よし!絶対打ってやろう!」
というポジティブなイメージも
まったく考えられない緊張状態で打席に入り、
手に持ってた棒っ切れを振り回したら
打球は左中間を抜け、ヒーローになっていました。
相手チームの選抜甲子園大会でベスト8まで進んだ実績のある享栄高校は、
2アウトを取ったところで優勝を確信したのではないでしょうか。
でも、勝利の神様、野球の神様はそうはさせませんでした。
「あとひとつ」
この言葉は守備側のチームでは激励の言葉となり、
攻撃側のチームにとっては、
「まだひとつ」になり、
「「あとひとつ」を取られてたまるか!!」
と、絶対に諦めません。
「あとひとつ」がんばろう。
「もうひとつ」がんばろう。
そう自分で呟きながら練習に取り組み、
それが自信となって試合で結果が出る。
あとひとつ
「最後まであきらめずにがんばろう。」
そんなスピリットをスクールの子供たちに注入したいと思います。
あなたもいっしょに野球をしませんか。
Nagoya23バッティングスクール Count23
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