レコードを『ジャケ買い』したくてたまらない | 続・公爵備忘録

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ジャズ・オリジナル盤の音質追及とエリントンの研究。

コロナ禍のせいで、仕事は100%リモートワーク。そんな環境下にいるのに、私用で都心に行くワケにはいかない。ebayでも通販でもレコードは買えるけど、やっぱりDU新宿店とかJAZZ TOKYOに行きたくなってしまう。

コレクターをやめて以来、オリジナル盤が欲しいと思うことはないし、レアな盤を探したいとも思わない。でもDUさんのお店に行きたくなるのはナゼだろう?

ずっとその理由を思案していて、『ステキなジャケットに遭遇したい』んだと気が付いた。

パタパタとレコードをめくっているとき、ピタっと手が止まる瞬間。電流が走ったように緊張して、カッと目が開き、アドレナリンが湧き出てくるような感覚。

そう、一目惚れ。知らないレコードを、見つけた瞬間に恋する。

またあの感覚を味わいたい。安いとか高いとか関係なく、今まで出会ったことがないレコードにめぐり会いたい。それがシビれるくらい良いジャケットなら最高だ。




そんな一目惚れしたレコードたちを振り返ってみる。



嫉妬心とか猜疑心がにじみ出るような、ひねくれているようなマイルス。内面をえぐっていて、人間味あふれている。幾多あるマイルスの写真の中でも、個人的には最高のショットだと思っている。

Round About Midnightのオランダ盤で、音質的には米Columbiaオリジナル盤より落ちるけど、ジャケットの素晴らしさは何物にも代えられない。

このレコードは2015年、新宿ジャズ館で見つけた。場違いなビッグバンドのエサ箱に入っていた。ニアミントといってもいいキレイさで、お値段は6480円。

イジワルな人がテキトーなところに戻したんだと思う。みなさん、新宿ジャズ館のエサ箱は隅々までめくりましょう。お徳用盤が隠されているかも。



オリジナル盤も素晴らしいジャケットで、深みのある赤の質感が再発とはまったく違っている。音は再発でもあまり差がないけど、ジャケットの差は大きい。

すごく残念なのは、ステレオ盤を処分してしまったこと。音の比較ができない。




パウエルは精神疾患の治療のせいで、脳にダメージをうけた。そのせいか、50年代後半~60年代の演奏は技術が劣化し、録音によって出来不出来もある。

それにも負けず、晩年のパウエルは全力で演奏した。どのレコードも素晴らしく心を打つ。そんなパウエルが大好きだ。

これは独グラモフォンが製作した盤で、生気がなくドテっと座ったパウエルが印象的。精神を病んだ感じがよくわかる。この時代のパウエルらしさがよく出ている。

音質的にはオリジナルより劣るけど、本盤の価値はジャケット。2010年、DUお茶の水店(3号館だったかな)の新着中古コーナーで見つけた。新品同様で3000円。



オリジナルの米VERVE盤もステキなジャケット。

 

 

 

このEPはDU渋谷JAZZ&RARE GROOVE館のEPコーナーでみつけた。あの店舗はレコードをギチギチに詰める傾向があって、見るのが面倒だけど、時間さえあれば全部めくる。

麻薬禍で病んでいたマリアーノが描かれている。写真よりスゴい。一目ぼれした。その時買ったジャケットはスレて傷んでいたので、のちにキレイなものを見つけて買い替えた。



元の10吋もなかなか洒落たジャケット。