2024年5月25日
蔵王エコーラインを車で走っていると、道路脇に蔵王不動尊の姿が見えてきました。
車を停めてドライブの休憩をします。
ここには、「蔵王不動尊」を模刻した大石碑が建てられていました。
手に倶利伽羅剣を持ち、背面に迦楼羅焔をまとい、怒りの形相で睨みつけています。
蔵王不動尊のさらに奥には、石祠がありました。
そして、その横には、蔵王古道と書かれた木札がありました。
今から1200年ほど昔、蔵王の山は、神さまとして祀られていたそうです。
遠刈田を出発点として山頂の蔵王権現までの蔵王御山詣りの道が「蔵王古道」なのでした。
蔵王古道は、とても細くて険しそうな山道です。
昔の蔵王詣では大変だったでしょうね。
蔵王不動尊の裏側に石板が埋め込まれていました。
昭和35年に作られたもののようですね。
この辺りは、猿が出没するようです。
そういえば、さっきエコーラインを横切る猿の親子を見かけました。
近くに不動滝の展望台があるので行って見ましょう。
展望台から枝越しに不動滝を眺めることが出来ました。
もう少し枝を切ってもらえるとありがたいのですが、木々も成長しますから致し方ありませんね。
看板によると、なにやら伝説があるらしい・・・・・・・・調べてみよう。
三階滝の蟹鰻合戦 『日本伝説大系2』より
遠刈田温泉から蔵王山に登る道中に、三階滝という滝がある。
昔、この滝の一番上の滝壺に蟹の主が棲んでいた。
身体がだんだん大きくなり、二番目の滝壺に移る。
さらに身体が大きくなってここの滝壺でも狭くなる。
この滝の一番下の滝壺には何百年も前から鰻の主が棲んでいたが、蟹はここを奪って棲みかにしようとする。
鰻は蟹には勝てないと思い、美しい娘に化けて遠刈田の狩人の家を訪ねる。
十五夜の晩に三階滝の下のまないた岩の上で男女の争いが起きるから、これで男を撃ち殺してくれ、といって金の玉を渡す。
狩人は承知する。
十五夜の晩に滝の下の木立に隠れて見ている。
まもなく、杖をついた男と、先日の娘が現われ話しはじめるが、娘が男をつきとばす。
途端に男は恐ろしいもくぞうがにに姿を変えて大きなはさみをふりかざす。
狩人は、蟹を撃とうと金の玉を取り出すが、急にこの玉を我がものにしたくなり、家に戻ってしまう。
娘は蟹のはさみで切られてしまい、大きな鰻の姿になる。
そして頭は青根に、胴は峨々に、尻は遠刈田に、飛んでいく。
このために青根の湯は、頭の病気に、峨々の湯は胃の悪い人に、遠刈田の湯は足の病気に効くようになる。
切られた鰻の血は川を染めて白石の近くまで流れたという。
これ以来、この川には鰻が上らなくなる。
一方、鰻を裏切った狩人は祟りで片目がつぶれる。
狩人の子孫も片目だという。
そんな伝説もあったのですね。
秋になると真っ赤に染まった紅葉が豪快な水の流れに影を添えるそうですから、
その時の出来事を彷彿とさせるのかもしれませんね。