犬の噛み合わせ 歯並びについて | KSALANPSALAN ポメラニアンブリーダー

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大阪市の一般家庭で
年に少数の出産がある程度の
ホビーブリーダーです
今まで学んだ経験と知識を活かして
犬や猫に関する情報なども発信していければと思っています

ブリーダーとしても
予測が出来ない事のひとつに
産まれた仔犬の歯の噛み合わせがあります

犬の歯は乳歯が28本
永久歯に生え変わると42本です

仔犬から成犬までの
大きさの差が小さい場合

この42本の歯が生えるスペースが・・・💧


噛み合わせは

シザーズバイトと呼ばれる噛み合わせが

理想とされていますが


小型のポメラニアンでの

完璧な咬み合わせや歯列は

結構難易度の高いブリードになると

思っています


マズルの短いポメラニアンでは

咬み合わせや歯列に問題のない両親からでも

仔犬に不正咬合が出る事もあります


小型化したマズルの短いポメラニアンは

一般的なマズルの長い犬とは

歯の生え方も顎の形も違います


そういう意味では

人間でも、骨格の大きな男性と

小顔で顎の細い女性などでは

歯の生えるスペースの違いがあると

想像して頂ければわかるかもしれません



噛み合わせの問題として


噛み合わせが不正咬合になると


フードが食べ辛い

歯垢が取り除きにくく

歯石や歯肉炎の原因になる

歯茎や口蓋を傷つけてしまう


などの問題が出る場合があります


生活に支障のない範囲の

不正咬合の場合は


歯磨きや水分補給

しっかり噛んで食べさせるなどで

大きな問題になる事は

少ないのではと思いますが


歯肉や口蓋を傷つけてしまったり

口を閉じる事が出来ないなどの

問題がある場合は抜歯や

歯列矯正などが必要になります



出来れば

乳歯が抜けて

永久歯に生え変わる時期から

生後6ヶ月くらいの間に


歯列や咬み合わせを確認し

問題があるようなら

早めに歯科専門の獣医師に

相談してみて下さい



ブリーダーとして

言ってはいけない事かも知れませんが


マズルの短い

可愛いポメラニアンを迎えたければ

歯列や咬み合わせについても


後に問題が出るかもしれないと

覚悟の上でお迎えして下さい


乳歯の頃の仔犬では

歯の数も少ないので

特に歯の問題がなくても


永久歯に生え変わる時に

問題が出てくる場合もあります


人と同じですね


お問い合わせで

小さなポメラニアンや

たぬき顔のポメラニアンをと

希望をされます


我が家にも

小さなポメラニアンや

たぬき顔のポメラニアンは

おりますが


この子達から

完璧な歯列や

咬み合わせの子が産まれるかは

わかりません


マズルの短い同士の両親なら

さぞマズルの短い可愛い子が

産まれてきそうですが


お鼻が短いことのリスクが

強化されてしまうこともあります


確率的には高い確率で

不正咬合になったり


ポメラニアンの位置づけは

短頭種ではありませんが


マズルの短い子の場合は

短頭種と同じような問題が

出ることもあります



短頭種気道症候群

外鼻孔狭窄

軟口蓋過長症

上記の呼吸器の問題や

体温の調節が苦手だったり
角膜が傷つきやすかったり

麻酔の管理も短頭種は
特別な管理が必要ですし

航空機へ搭乗制限などもあり

オランダでは

短頭種が繁殖禁止されるほど

深刻な問題です



ではお鼻の短いタイプと

お鼻の短くないタイプで

掛け合わせれば良いのかと言うと


そうでもないんです


遺伝等は

親からだけではなく

先祖から受け継ぐ場合もあるので


どの遺伝の特徴が濃く出るのかは

未知です


お鼻の短い子とお鼻の長い子で

丁度半分づつの良いお鼻の長さ


とはいきません


ですが

リスクの強調を

防ぐためにも

組み合わせを工夫したりと


リスクを回避出来るように

試行錯誤しています



スタンダード(理想)の

ポメラニアンは


その中で産まれた一部の子です


そのスタンダードなポメラニアンにも

親兄弟姉妹には

スタンダードでは無い子が

産まれていたりするので


スタンダードな子同士を

組み合わせても


どの遺伝子を受け継ぐかは

これも未知なのですが


出来るだけリスクを回避出来るよう

リスクの少ない親犬での

繁殖を心がける事は必要です




咬み合わせから

話はズレましたが



生体である以上

決して完璧な保証はなく


ましてやリスクの多い

極小や、マズルの短い子でのブリードでは


そのリスクがゼロではないことを

ご理解下さい



このブリーダーさんの所は

みんな可愛い子が産まれている


このブリーダーさんの親犬は

皆、スタンダードだ


そこだけを見れば

そう見えるかもしれませんが


わざわざリスクのある子を

前に出して

ご紹介しない心理もあるので



どんなに誠実なブリードをしている

ブリーダーからでも


リスクのある仔犬は

産まれる可能性があると

思って置いた方が良いです



リスクだと感じるか


納得して

最善の選択を選び


リスクを少なくしてあげる事に

尽力するかは



飼い主様の選択です