譲渡で感じる法の矛盾 | KSALANPSALAN ポメラニアンブリーダー

KSALANPSALAN ポメラニアンブリーダー

大阪市の一般家庭で
年に少数の出産がある程度の
ホビーブリーダーです
今まで学んだ経験と知識を活かして
犬や猫に関する情報なども発信していければと思っています

ブリーダーは動物取扱責任者として
登録をしています

そして

動物の愛護及び管理に関する法律

の元に仔犬を販売する事ができます




現在の日本の法律では
生後57日未満の仔犬を販売する事は
違反とされ

また

売買契約を行う前に
【ブリーダーの事業所(犬舎)で
現物確認・対面説明を受ける必要】
行う必要があります

生後57日経過後に、
事業所で対面説明・現物確認を
行わないといけないので

それ以前に1度ブリーダーの元を訪れ
見学をしていても

生後57日以降にもう一度
ブリーダーの元を訪れないと
いけないのです

お近くの方ならともかく
遠方の方が
2度も犬舎を訪れるのは大変です

私は見学当日の譲渡はしていません

犬舎へ見学に来れない方へは
オンラインで
仔犬を見て頂いています

それは、仔犬を見て頂く事だけが
理由ではなく

仔犬をお迎えしたいと希望してくださる方が
 どのような方なのか

私の方も
知る必要があると思っているからです

お問い合わせの際に
意思疎通ができなかったり
違和感を感じた場合は

ご縁が無かったということでと
お断りしています

少しでも不安のある方へ
大切な子をお渡しする事は
できません

売りたいのではなく
繋ぎたいとの思いで
譲渡しています

買いたい方へ
売るわけではありません




話がそれましたが

生後57日を過ぎてから
現物確認をしないといけない

と言うのが
どうも腑に落ちません

ペットショップで買えと
後押しするような気がしてしまいます

もしこの法律を遂行するならば

見学した当日に
購入する事は不可とするべきです

ショップで可愛い子を見て
買いたいと思っても

冷静に考える時間があれば
やっぱり不安だな、やめておこうかなと
考え直すかもしれません



ブリーダーはペットショップのような
販売方法ではありません

誰だかわからない人が
突然やってきて
仔犬を買いたいと言う

はいどうぞと売る

有り得ません

ブリーダーの元へ来られる方は
事前に連絡をし
購入意思を伝え
仔犬を見学に来られます

交通の不便な地域や
遠方の場合だってあります

それでも、仔犬や親犬を見るために
どのような環境で
どのようなブリーダーが
お世話をしているのかも含め
見に来てくださるのです




イギリスでは
生後6ヶ月未満の子犬は
ペットショップで買うことができないそうです

それより小さい仔犬は
ブリーダーから迎えることが出来ますが

英国ケンネルクラブは
ブリーダーとの取引の際には
「母犬が子犬と一緒にいる所を見ること」
「実際に手に触れる機会を得ること」
「親犬がケンネルクラブに登録しているかを
確認すること」
「当該の子犬の社会化の背景を把握すること」が重要だとアドバイスしているそうです

NEWSweek記事参照




現在の日本では

ブリーダーの元へは
生後57日以降に現物確認へ
行く必要がありますが

ペットショップで売られている子達が
いったい本当は生後何日で
売りに出されたのかという
裏の真実を特定することが出来ません

我が家の生後57日の仔犬達よりも
小さく貧相な仔犬が
ペットショップに居るのを見ると

この子達は誕生日を誤魔化され
生後何日で売りに出されたんだろうかと
切なくなります

まだ離乳食を食べ始めたばかりの子が
車でオークションへ連れて行かれ
コンベアで流され
落札され
車で飛行場へ連れて行かれ
首都圏へ集められ
また販売店へ輸送され
店舗に放置され
ショーケースへ並ぶのです

例え方は悪いかも知れませんが
そういう感じです

我が家でまだ、ママママと
お乳を吸って
トロトロの離乳食を
練習しているくらいの子達です



繁殖者は出産の証明として

出産前の母犬の

妊娠確認と頭数確認の

レントゲン写真と


出産後、母犬と仔犬の健康診断と

予防接種とマイクロチップ装着後

流通に流すくらいの

法律にして欲しい

もうひとつ
仔犬の命を守るために

繁殖をする母犬へは
毎年の混合ワクチン接種の義務が
必要だと思います

仔犬の何割かは流通の過程で
命を落とします

ショップで感染症に
かかることもあります

それは母親からの移行抗体が
ない場合があるからです

オークションで販売する仔犬の価格は
相当低いです

我が家の子達で言えば

仔犬に持たせる物や
初期医療、手続き費用、サイトへの手数料にも
満たないほどです

その相当低い価格で
販売をしながら
ブリーダーとして生計を立てるには
経費を節減しなければいけません

親犬達へ費用をかけられません

狂犬病は法律で定められていますが
混合ワクチンは定められていないので

打たなくても良いので
打ちません

打たないと言うことは
母犬に抗体は付きません

抗体のない母犬から産まれた子には
もちろん抗体は移行されません

その子達が集められ
感染症が蔓延すれば
アウトです



我が家の子達は
毎年混合ワクチンを接種しています

出来れば打ちたくないのが本音です
余計な毒を身体に入れたくないからです

ですが

繁殖する可能性がある以上
我が家の子は全員
打っておいてあげなければ

小さな仔犬の命が
守れない可能性があるので

混合ワクチンに負けないよう
しっかり免疫を強化して
毎年接種しています




いつか日本でも
イギリスのような愛護法が
施行されると良いなと

日本の愛護法の矛盾と
ゆるゆるな抜け穴を
見て見ぬふりする体制に

本当に、愛護する気があるのかと
モヤモヤする

ホビーブリーダーでした✨