
今年の夏休みの思い出をぜひ、ブログで残してみませんか?
とか言われましてもね。
普通にいい歳こいた社会人なので
「今年の夏休み」などありません。
でも抽選Amazonギフト券は欲しいので、
このブログネタには無理やり参加します。
夏休みの思い出。
そう。
思い出じゃ駄目だろうか。
数十年前の記憶を頑張って辿るからさ。
とびきりの思い出があるんだ。
あれは小学生に上がる前だったか…
小学生だとしても低学年だったと思う。
どこか忘れてしまったが、海水浴に行ったんだ。
母と、伯母達と、おそらく祖母と、5歳上の姉と私で、
おそらく県内の浜へ行ったのだと思う。
姉は当時病弱な事もあったが、基本的に汚れるのを嫌い、
あまり率先して遊ぼうともしなかった。
私はヤンチャっ子だったので、砂まみれになって遊び、
潜水してワカメだらけになったりしていた気がする。
いい加減遊んだ後。
大人達は皆、海の家というか休憩所みたいな所でお喋りしていて、
私と姉は、母にシャワーに連れて行ってもらった。
今はどうか判らないが、当時その浜のシャワーは、
脱衣所などもなく、浜辺に唐突にシャワーブースがあり、
しかも3つくらいしかなくてメッチャ並んでるの。
こんなかんじ。(たぶん屋根はあったと思うが)

そこにね、混んでるからと姉と二人で入って、
母は外からタオルとバスタオルくれて、
私の水着を脱がす(私のだけ泥だらけだった)と、
姉にあとは宜しくと言って海の家に戻ってしまったんだ。
まあいいさ。それはまだいい。
そのうち、先に身体を洗い終えた姉が、
こんな汚いとこに長く居たくない、
私は先に行ってるから、と出て行ってしまった。
私は1人で怖いとか寂しいとか思うタイプじゃなかったのがいけなかった。
はいはい、と思い1人で身体を洗って、洗い終えて、
そこで初めて気がつく。
母は私の水着を脱がして持っていってしまったのに
着替えはおろか、おぱんつすら置いていかなかった事に。
そしてタオルとバスタオルは、姉が羽織って行ってしまった事に。
ザ・裸。
出られないじゃん。
シャワーブースからさ。
最初は待った。
着替えがない事に気づいた母が戻ってくる事を。
姉が私の分のバスタオルを持ってきてくれる事を。
体感において30分くらいは待ってた。
でもね、最初に書いたけどメッチャ混んでるんだよ。
並んでる人だって、30分も出てこないなんてそりゃ怒るよね。
ついに1人のおばさんが私のいるシャワーブースに向かって
「いつまで使ってるの!!!」と怒鳴り込んできた。
そらそうよ。今思えばそうよ。
でも当時の私はもう追い詰められたザ・裸。
追い詰められた結果、私は
泣きながら裸で駆け出した。
声にならない声を発しながら、
涙をとめどなく流しながら、
裸で走った。
砂浜を。
海の家を。
休憩所の座敷を。
恥ずかしくて訳がわからなくて死にたかった。
違うな。
消えたかった。
もう走りながら消える気がした。
6歳前後の女の子が、海で、裸で、
泣きながら走ってるなんてのは、
あの当時はきっと微笑ましい光景だったんだろう。
走りながら見えた景色の中の大人は皆笑顔だった。
でも6歳を舐めてはいけないと今私は思う。
私はあの時ハッキリと世界を憎悪したのを覚えている。
暗黒闘気とか纏ってたかもしれない。
とにかく走って走って、母や伯母の姿を見つけ、
そのままそこに突進した。
母達も笑っていた。
走ってくる私を指差して笑っていた。
その後の事はよく覚えていない。
気がついたら着替えを済ませ、座敷の隅で膝を抱えていた。
母に「いつまでむつけてるんだ」みたいに怒られた。
怒るか普通。
今では笑い話ではあるけれど、
かといって笑っていいのは私だけだ。
あの時得た暗黒闘気を私はまだ捨てられない。
以上、私のとびきりの「夏休みの思い出」でした。
因みに姉は少し離れたとこでアイス食ってました。