美味しそうな映画、ちょっとオモシロそう、

「ポトフ」

このタイトルで、最初見るのどうしようかと思ったものの

やっぱり見て大正解でした!

19世紀末、


こんなに素晴らしい食を堪能していたのね。。。。

舞台は、ちょうどジャン・コクトーが生まれた頃かな

この映画ではエスコフィエが、まだ30代ということに。

その時代ならではの最先端の農業で

生み出された元気な野菜たちも映画の主役


農薬や肥料がまだ入っていない時代でしょう。

良い自然の素材に、新しいレシピを生み出す美食家と

それをつくり上げる優秀で魅力的な料理人

セリフのほとんどないシーンも多く、

それが氣にならないくらい

なかなか”魅せる”映画です。


映画のタイトルは「ポトフ」だけど、

別にポトフの映画ではなく

原題"La Passion de Dodin Bouffant"の通り、

ブノワ・マジメル演じる

”ドダン・ブッファンの情熱”

がほとばしるすてきなお話


食材、下ごしらえ、調理に、盛り付け、

 

ワインのセレクト

そしてドダン氏によるうつくしいサーヴィス、etc.,

ドダン氏のレシピを料理として作りあげる

ジュリエット・ビノシュ演じる天才料理人


ビノシュが年齢を経て、自然に深いいい感じに。


フランスを代表する大女優

ビノシュの撮り方が、流石!

「青いパパイヤの香り」

の監督さんだな、と納得。

ブノワ・マジメルも

”古き良き時代のフランス人”

この映画、見る人を選びます。

BGMなし。調理する音、サーヴィスする音、

会話、全編を通して聞こえる自然の中の鳥のさえずり。

見た後で分かったのが

ドダン氏にはモデルがいて、

あの「美味礼賛」の作者

ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァランを

主人公にした小説なのだと言う。

そうでしょうとも!

と大いに納得できる映画でした。

もう終映してしまってるけど、

映画館では基本、

もちこみ飲食出来ないので


これは、是非自宅で、

 

落ち着いた空間で

上質なアミューズ・ブーシュをほんの少しと

これも上質な、ブルゴーニュの

グラン・ヴァンを頂きながら

しずかに鑑賞するとさらに良いのでは?

実はこの映画を見るのとほぼ同時期に

昨年末をロンドンで過ごした友人が

滞在中の日記をブログに上げてるのですが

その酷い、惨憺たる「食」環境を顧みると

100年前の、このドダン氏の時代は

贅沢の極み。

イギリス人は、

今この映画を見てどう思うんだろうか?

サーヴィスも、

お皿の正面も、

メインと副菜がバラバラに供されたり

ドレスコードがなくて星付レストランでも

フンイキはめちゃくちゃ

なんてことが、友人のブログには

写真入りで掲載されており

19世紀末と比べて21世紀前半の今現在のロンドン、

惨憺たる状況です。



この映画、

第96回アカデミー賞® 国際長編映画賞フランス代表

とのこと。

受賞はしてないみたいなので、

つまり、アメリカ人にも

???だったんだろう。。。

映画を見終わった後、日本人の和多志は

”一座建立”というコトバが頭に浮かびました。

美食家ドダン氏だけでなく、

その周囲の友人たちも「よき美食家」達なのだ。。

心ある美食家に悪人なし、、、、

(で、あって欲しい)


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