とりわけ暑かった今年の夏

この分厚い本を読んでました。

 

ピカソの私生活-制作の秘密
著:オリヴィエ・ヴィドマイエール・ピカソ
訳:岡村 多佳夫

 

著者は、ピカソと

愛人マリー・テレーズとの孫にあたる人物なので


親族でないと分かりえない内容が

色々と詳しく書かれており

「えええ~!」

とか

「おお=!」

とか心の声で感嘆してたのですが、


やはりと言うか、

 

 

ムッシュー・コクトー
ママとコクトーと私

著者:キャロル・ヴェズヴェレール

花岡 敬造:訳

 

(コクトーについての本なのにも関わらず)

にも描かれている

ピカソの、天才的成功術?!

について、かなり詳しく書かれていて

コクトー、

ピカソ、

二人の天才的芸術家の

全く方向性が逆?だけど(だから)

そこは否定せずに

互いにそれぞれの方法で

成功したんだなーということが

よく分かる内容。

 

コクトーについては前にもこちらに書いてますが

 

 

 



今回のピカソ本から内容を一部抜粋すると

ピカソは

”ポケットに金をたくさん持って、慎ましく生きたい”

と願っており

”したいと切に願ったことをする”

人物

所謂「富」についてどう考えていたかというと


”彼は興味をもったことしかしなかった。

買う事ができる物、生き生きとした生活、

そんなものはどうでもよかった。

彼は時間を超越しており・・・”

”金銭は彼の情熱を行使するための道具、

要するに彼の結果を残すひとつの手段でしかなかった。”



こういう内容を読むと

当に今よく言われている

成功哲学を

体当たりで取り組んで来た結果が


「20世紀を代表する巨匠」

なのですが、

「おおー」とか

「ええー」と思ったのは実はその先で



ピカソとコクトーは

お互い南仏を拠点にするようになってから

結構色んなところで一緒に時間を過ごし

互いの家を行き来し




濃い付き合いをしているのですが

オルフェの遺言-私に何故と問い給うな

 

 

なんていう、時間軸をすっ飛ばし

「死」をきっかけに、新たに生まれ変わったり

とにかく「死」は悪いもの、怖いものなんかじゃなくて・・・

新しい世界への扉、くらいのフンイキ・・

のコクトーに対して

実はこの「死」が大活躍する映画に

カメオ出演?もしているピカソは、、、



”絶対に死にたくない!”と言い

死とは

”全力で拒否しなくてはならない現実”

だったのだそう。

 



さらに

”遺言を残すことを拒否したことだった。

彼はそれについてはっきりと「死を引き寄せる」

ものだと言っていたのであった。”

 

 

 

ムッシュー・コクトー


で、幼かったキャロル嬢の眼には



”自分の周囲でだれかが病気になるのを嫌った”


ピカソが悪賢くて残酷な人物に映り、

当時二番目の妻だったジャクリーヌが

激痛に見舞われた際に

彼女が何でもないように振舞わなくてはならなかった

ことも不条理に思えたようですが

実は、「死を暗示させること全て」

全力で拒否してたんですね=

でも、コクトーの「遺言」映画には出演

さらにさらに、

フランス語の純化!をおもな任務とする

アカデミー・フランセーズ会員であり

美しい&正しいフランス語の頂点であるコクトー

を、友としていたピカソは

”彼は話すのが好きではなかった。

フランス語を誤って使うことを恐れていた。”


”おそらく訛りのために、実際その通りであったが、

マイクの前で話すことに劣等感を感じていたのであろう”


むむむ、、、

でも、友達は友達として、のお付き合いは続き・・

死を徹底的に避けまくっていたピカソは

”禁欲的な食生活にもとづいた生命原理をつくり上げていた。”

”酒を飲み過ぎたりしないように心がけていた(おそらくタバコは吸い過ぎだったが)”

”奇跡的に、彼は亡くなる寸前まで苦しむことがなかった。”

”85歳のときの胆嚢の手術を除いて、彼は健康に全く問題がなかった。”



豪放磊落な天才のイメージとは異なる

ヘルシーな生活を送って長生き。

片やコクトーは

阿片は吸う。

色々な病気にかかり、

心臓発作の後もタバコを吸うくらい。

南仏滞在中は、優雅なヨットでのランチからワイン

夕食前にはカクテルで、なんて食生活で

美食で小食ではあったものの

ヘルシー、、、ではなかったのかも。


お互いに全く方向性の違うやりかたで

ピカソは「死」が怖いから「今を生きることに」集中して

コクトーは、そもそも「死」は怖くないし

好きなもののイメージを描くと、

その通りの人物!(ジャン・マレーとか)が後に

誕生し、彼の前に現れる!

お互い、否定するんじゃなくて

違うところを認め合いつつ

でも、自分のスタイルは変えず。

互いにないものを相手と補完し合って、

長く良い友であり続けるって

素敵。

 

素敵な友人たちと一緒のところを、時間軸や現実を無視して

 

これは和多志の友人が描いてくれました。

 

どこかで見たことがあるような人やら人じゃない存在やら?



そして、彼らの成功哲学みたいなものも

それぞれに素晴らしい♪

と、思った猛暑でした。


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