cotasoさんのブログ -61ページ目

強い口調

『えー!

ちょっと二人とも

夜中は危ないから

本当気をつけてよ!』



佐藤さんの心配をよそに

行こう!と言って

由美は私の手を掴んで

出口へと

向かって行こうとした



『待って!

由美ちゃんは日払…』



『いりませんっ!』



な…に…?



何でそんなに

強い口調で言うの…?



佐藤さんも

キョトンとしている



一瞬立ち止まった私を

やや強引に

出口へ向かって

引っ張った



訳が分からなかったが

きちんと挨拶もしないで

出て行くのも

失礼かと思い

ありがとうございましたと

会釈すると

佐藤さんは

笑って手を振ってくれた

帰りたい

『じゃあ美奈子ちゃん

由美ちゃんと

一緒に送りの車に

乗ろうか』



由美が

更衣室から出てきた



『今日

私たち送りいりません』



え…?



『久々に美奈子と

朝まで語りたいし?

良いよね、美奈子!』



若干

気分が滅入っている

私には

その笑顔が眩し過ぎる



それに今日はもう

早く帰りたい

何もかもが

初体験で

疲れも限界



『そうだね!

良いよ!

ファミレスでも

行こうか!』



断れなかった…

重み

『返事急がなくて

良いからさ

じっくり考えてみて

週末くらいに

連絡頂戴

俺は美奈子ちゃんと

一緒に働いてみたいな

って思ってるよ』



そう言って

佐藤さんは

お給料を渡してくれた



ここでは

このくらいのお金

毎分毎分飛び交ってる


客は

まるで紙切れのように

それを使い

キャストは

それが紙切れであるように

錯覚させる



そして

そのすべてを

演出させているのが

経営者

紛れも無く

目の前にいる人だ





私が感じている

このお金の重みを

きっと

この人は

同じようには

感じないだろう