cotasoさんのブログ -60ページ目

きっかけ

二杯目になる

アイスティーを

運んできた

彼女に聞いてみた



『ねぇ

由美はどうして

キャバクラ始めたの?』



ミルクとガムシロを

ストローで

掻き回しながら

照れ臭そうな

笑顔を見せる



『街歩いてたら

スカウトされたの

マネージャーにね

その時

君には華があるって

言ってくれた

今考えれば

ただの勧誘文句だった

かも知れないけどさー』



そんなことないよ


人懐っこくて

天真爛漫な

昔の由美


すっかり大人の色気を

手にして

夜の女になった

今の由美



どちらも

とても輝いているよ

最初のハードル

『体入どうだった?

少しは楽しめた?』



ドリンクバーから

取ってきた

アイスティーに

ミルクを入れながら

私に尋ねた



『んー

なんか驚くこと続きで

楽しむなんて

そんな余裕ないよー

まぁ

確かにお給料は

凄いけどさぁ

私には

由美や

他のキャストさん

みたいに

華やかには

振る舞えないよ

寒~いギャグなんて

言われたら

頬が

引きつっちゃいそうで!』



『あははは!

私もだけど

みんな最初は

そうだって!

この始めのハードルを

越えたら

あとは結構楽しいよ!

でも

無理には誘わないって

約束したから

美奈子に任せる!』



そう言って

由美は

早々と一杯目の

ミルクティーを

飲み干した

喧嘩

お店から

地上へ上がる

階段を上っている時も

由美は

私の腕を

離さなかった



何?何?何なの?



彼女はもしかして

私に対して怒って

いるのではないか



地上に到達すると

あの

きつい口調とは

正反対に

ニコッと笑って言った



『ごめんね

驚かせて

ちょっと

彼と喧嘩しちゃったの』



『あぁ…

そうだったんだぁ!』



とだけ返し

何事もなかったかの様に

夜の繁華街を

歩き出した