cotasoさんのブログ -14ページ目

216

『お楽しみのところ

すみません』



声の方に

目をやると

送り出しの終わった

愛ちゃんが

立っていた



『松本さん

この間は

ありがとうございました

美奈子ちゃんも

ありがとね!』



まだ

笑いが尾を引いている



『いやいや

あの後は

二人で

ご飯行ったんでしょ?

楽しめたら

良かった良かった!』



楽しかったよねと

私と彼女は

頷いた



『良かったら

ここおいでよ!

次のお客さんが

来るまででも

良いからさ!

ねぇ?』



彼が尋ねてきた

215

団体客が

一斉に出口へと

向かっている

その脇を

すり抜けるように

私が注文した

ビールが運ばれてきた



数口で

飲み干せてしまえる

小さなグラスに

苺が一つ浮かんでいた

ビールと苺の

組み合わせなんて

見たことも

聞いたこともない

従業員が

かさ増しの為に

気を使ったのか

お洒落として

したものなのかは

分からないが

その妙な姿を見た瞬間

二人で

顔を見合わせて

大爆笑してしまった

214

『でも

今チェックしてる

みたいなんで

またすぐに

ガラガラに

なっちゃいますね』



ガラガラは

マズイでしょー!

と彼が笑った



『美奈子ちゃんも

僕の席ばかりじゃなくて

他のテーブル回っても

良いからね』



松本さんが

煙草を取り出しながら

言った



『そうやって

私がいない隙に

他の子を

口説こうって

魂胆ですね』



ふざけて言うと



『あらら

ばれちゃった?』



とまた笑った



大丈夫

貴方の気遣いは

ちゃんと

伝わってます