まさかの南島初上陸! | Black Swan - 国際人養成所

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なんかもう月刊ブログになりつつありますが、ちょっと貴重な体験をしたので久々にアップします。

7月末でウェリントンのプロジェクトのアサインメントは一旦終了したのですが、1ヶ月半オークランドオフィスで新しいBIツールのトレーニング的なことをした後の9月中旬から再びウェリントンに呼び戻されてます。今週が予定では最後の週ですが、来週2週間オークランドに戻った後再び2週間ウェリントンという意味不明なアサインのされ方。。。必要とされてるのは嬉しいけどちょっと集中させてくれ!って感じです。

で、前回の出張と同様月曜朝にウェリントン入り、金曜夜にオークランド帰宅を続けていたわけですが、昨日(と今日も)とんでもない経験をしてしまいました。

朝7時の飛行機でウェリントンに飛び立ったまでは普通でした。が、ウェリントン及びカンタベリー地区(クライストチャーチがあるところ)では強風が吹き荒れていたんです。飛行機は揺れながらも到着予定時刻の8時には着陸態勢に入り、かなり高度を下げて滑走路にアプローチをしていました。でも、やっぱり揺れが半端じゃない。飛行機の上下動が激しいのを「bumpy flight」と英語では言いますが、昨日のフライトは「Bumpy & Shaky, I love Rock'n'Roll×10, Yay!!」くらいの揺れ方で、最後は機長さんが「こりゃダメだ」と思ったらしく着陸を諦めて出力全開、一気に機首を上げて「やり直しまーす」のアナウンスと共に再び上昇していったのです!

前職での海外出張も含めて飛行機にはかなり乗ってる方だと思いますが、頭に「」という文字がよぎったのはこれが初めてでした。側にいた女の人はもう涙目。。。

がしかし、これはまだ波乱の始まりに過ぎませんでした。再度着陸にトライするの?またあの揺れに揉まれるのは勘弁してー、と思っていた矢先、再び機長からのアナウンスがありました。

2回目トライしてまたダメだと燃料が足りなくなるから、このままクライストチャーチに向かいまーす。

えっ?クライストチャーチって南島じゃん!しかもオークランドよりは近いかもしれないけど、まだ結構あるよね?みんな口には出してませんでしたが、考えてることは同じでした。

クライストチャーチに到着するまで燃料保つのかよはてなマークはてなマークはてなマーク

余計な不安を抱きつつ、それでも飛行機はなんとか無事にクライストチャーチに近付きました。
そう、近付いただけです。まだ到着してません

最初に書いた通り、昨日の強風は「Windy City」と悪名高いウェリントンだけでなく、クライストチャーチも襲っていたのです。でも、ウェリントンで2回目のトライが積んでる燃料の関係でできなかったことを考えると、チャーチには是が非でも一発で着陸しなければならない状況なのは素人の僕でもわかります。

高度を下げる飛行機。それに伴って激しくなる揺れ。うーん、さっきのウェリントンより揺れてるんじゃね?周りではゲロ袋をガサガサと開ける音が聞こえだし、5分も経つと少なくとも聞こえる範囲で5人以上は食べた物を逆流させていらっしゃるようで、正に機内は地獄絵図と化してました。マジで遺書書く用意しようと思ったくらいです。

まーこうして生きてブログ書けてるくらいなので結果的に大揺れしながらも着陸は無事できたんですけどね。着陸と同時に乗客からは安堵の拍手喝采!!こんな光景、映画でしか見たことねーよ。。。いやー、寿命縮んだ。別のモノも縮んでたはずだけど、そこは察してください。


というわけで到着後早速振替便の手配をするわけですが、どうも昨日はウェリントン発着便はもうグダグダだったらしく、一番早いチャーチからの振替便はなんと夕方の5時半!偶然先週同僚からラウンジのチケットを譲り受けてたので、すぐチェックインしてビール飲みながらネットに繋げて仕事しつつ5時半を待ちました。正直もうあの揺れはごめん被りたかったので天気が回復するまで待つのは逆にウェルカムでした。

そして5時半。それまでに2時間前のウェリントン行きAir NZ便はキャンセル、でも1時間前のJetstar便は離陸してたのでどうなるかなー?とソワソワしつつ待機してましたが、一向にBoardingのサインは現れず。そして5時半をちょい過ぎたくらいに「Cancelled」の真っ赤な文字が!もうウェリントン空港はほとんど閉鎖状態だったみたいなので、この時点でクライストチャーチで夜明かし決定。振替便はなんと24時間後の今日夕方5時半アゲイン!

会社の出張なので費用はどうにでもなると思いつつもどこに一泊しようかなー?チェックアウトとフライトの時間は結構開いてるしなー、と思案していたところ、ウェリントンのプロジェクトの同僚(チャーチ出身)から「私の知り合いが地元にたくさんいるからそこに泊まれるように手配したから」という電話をもらいました。
空港からほど近いところに住んでいるその一家はご主人と奥さんと息子より少し年上の女の子と成人した男の子の4人家族で、突然の事態にも関わらず信じられないくらい暖かく迎え入れてくれ、夕食をいただいた後に夜遅くまで話に花を咲かせるという思わぬ特典が待ってました。たった一泊でしたがプチホームステイ体験ができるなんて、本当にその同僚とプチホストファミリーに感謝、感激です。

今朝起きてから午前中はその家のネットを自由に使わせてもらえたのでリモートでウェリントンに接続しながら仕事らしきことをし、お昼は奥さんとそのお友達と一緒にクライストチャーチのシティーセンターでランチしてきました。

場所はクライストチャーチのSignature Buildingである大聖堂(Cathedral)のすぐ近く。ご存知のように2011年2月の大地震で市の中心部は大きな被害を被っていて、つい数ヶ月前に立ち入り禁止が解除されたばかりです。この大聖堂前の広場も入れるようになったばかりですが、すでに尖塔は完全に取り壊されており、裏側は見るも無残な半壊状態のままです。
道路も車は通れるものの工事中で片側通行のところが多く、復旧工事中のビルや建物、建物自体が取り壊された地面むき出しの更地、駐車場として利用するしかなくなった跡地など、震災の傷跡はまだ生々しく残っていました。まだまだ復興は道半ばといった感じで、観光気分には欠片もなれませんでした。

午後はウェリントンプロジェクトにリモートで参画しているチャーチ在住の方が偶々近くに住んでいらっしゃったので、オフィスにお邪魔してシステムの説明をするという不幸を逆手に取ったミーティングを敢行。すごく有意義なミーティングになりましたが、その方も投資用に持っていた家は全壊、自宅も破損した修理を市と保険会社相手に未だ交渉中というお話を伺って、自治体レベルだけでなく個人レベルでもまだ後処理が全然終わっていない、被災の爪痕の深さを窺い知ることができました。

ちなみに、物件の供給が倒壊などで一気に減少したと同時に家を失った人が仮住まいを求める需要が高まったため、チャーチの賃貸相場はすごい勢いで上昇してるみたいです。ホストファミリーの奥さんの知り合いが最近やっと借りれた2ベッドのアパートが週$460だったって言ってたので、それってオークランドの郊外の相場とほとんど変わらないんですよね。


振替便は予定通り、今度は大した揺れもなく無事ウェリントンに到着しましたが、クライストチャーチの現状を目の当たりにし、現地の方々から色んな苦労話を聞くことができたので、予期せず貴重な初南島体験レポになってしまいました。
チャーチにお住まいの皆さんに一日も早く平穏が訪れることを心からお祈りしています。
(。-人-。)