2318円。そしてバーガーショップのクーポン券。それだけが、3月24日に才羽モモイの財布に入っている全てでした。本当にそれっきりでした。ブルアカ ミドリ コスプレ衣装
もしかしたらと、ミレニアム指定のジャケットのポッケや、買い換える前の財布の中身まで漁ってみましたが、過去の無駄遣いのレシートが出てくるだけで、まるで金額は1円たりとも増えることはありませんでした。
「駄目だぁーーー!!」
モモイは一人、自室で頭を抱えて天井に向かってそう叫びました。幸い妹は出かけているので、普段何か仕出かした時のようにジトッとした視線で見られることはありませんでしたが、それは今の状況に更に悪いことが加わることがないというだけで、今の状況が良くなるということではありません。
長ったらしく書きましたが、つまるところこの向こう見ずな女の子は、天童アリスの誕生日前日にまるっきりお金が無いということなのです。これではまったく、素敵なプレゼントなんて買えるわけもありません。
「こ、こんなはずじゃあ……。こんなはずじゃあなかったのに……」ブルアカ モモイ コスプレ衣装
ぐるぐると回る瞳に、丁度エンジニア部の解説者のかけている眼鏡にあるような、コミカルな涙を浮かべながらモモイは呻いています。
念の為、彼女の名誉の為に付け加えておきますと、決して彼女は後輩の誕生日を忘れていたわけではありません。自室のカレンダーにはしっかりとチェックを付けて、それでいて後輩にはバレないようにスマホのカレンダーには何も印を付けない──そんな風に気を遣う程には、しっかりと覚えていました。
しかし、覚えていることとお金を貯められることは決してイコールではなく、右辺と左辺は常に等しいとは限りません。
『まぁこれくらいあるなら少しは……』『これで最後……』と、貯金に慣れていない女の子が、そんな風に財布の中身を徐々に目減りさせていくのは、当然といえば当然だったのかもしれません。
「で、でもこれで終わるわけには……」
それでも、大事な妹分の為にここで負けるわけにはいきません。モモイは立ち上がると、部屋の棚の上、一際高いところに大切に飾られたゲームカセットの方をじっと見ました。ブルアカ 聖園ミカ コスプレ衣装