アメリカでいいお話を集めた本の代表と言えば”Chicken Soup for the Soul”を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

今日はその中のお話”The Bag Lady”の中に出てくる英語を拾ってみたいと思います。

 

The Bag Ladyつまり「カバンを持ち歩いて生活している女性」、そう、家なき浮浪者の女性のお話。

 

彼女の寝床は5番街の郵便局。

① I could smell her before I rounded the entrance to where she slept ….

洋服が放つ異臭、そして口臭。

② Now they close the post office at six to keep the homeless out, so she curls up on the sidewalk …

彼女は口をぽっかり開けて、ぶつぶつ意味のない言葉をつぶやく。

感謝祭の日、食べ残しの大量の食糧。凍てつく極寒の夜。

③ Leaves were swirling around the streets and hardly anyone was out …

人気のない通り。でも、作者には彼女を探しあてることができるという確信はある。

ゆっくり車を走らせる。発見。

腰が曲がって、骨ばって、ショッピングカートを握りしめてかがんでいる老婆の姿を。

④ I pulled my shiny car to the curb, rolled down the window …

“Mother” 食べ物を持ってきましたよ。

本当の母ではない男性から”Mother”と呼ばれ反応した老婆。

「私は、いらないわ。もっと本当に必要としている人にあげてください。」

こう答えた言葉は明瞭で、気品のある態度だった。

言い終わると彼女は再び汚れた毛布に頭をうずめた。

 

人としての凛とした威厳。彼女の気構え、心の有り様は確かにlady

 

さて、今日のテーマは、「まる」。

まず① I could smell her before I rounded the entrance to where she slept ….

「私は入り口から彼女の寝場所にroundする前に、彼女の異臭を感じた。」

Keywordround。『round = 丸い』という形容詞だと思っていたのに、この文では動詞。round = 数を丸める』という動詞の意味もあるけど、この文ではもちろんあてはまりません。

英単語はイメージが大事。the entranceroundしたのだから….と指でくるくるしながらイメージを思い浮かべてみましょう。そう、ここでは、『(入り口を)まわって(彼女の寝場所に)行った』という意味。辞書にもあまり載っていませんが、ネイティブはこんなに自由に英語を使っているのですね。

 

次に② Now they close the post office at six to keep the homeless out, so she curls up on the sidewalk …

「今は浮浪者を締め出すために6時に郵便局を閉鎖しているので、彼女は歩道にcurl upしている。」

curlと言えば、カタカナ英語の「カール」。髪をカールする。それに明治の定番スナックのカールもあります。では、彼女は歩道でどうしているのでしょう。

つまり、彼女が「髪」で「スナック」なわけですから。そうです、『curl体を丸める』。彼女は建物の外に締め出されて、体を丸めて歩道でうずくまっているのです。

 

次に③ Leaves were swirling around the streets and hardly anyone was out …

『木の葉は通りにswirlしていて、ほとんど誰も外には出ていない。』

swirl=スワールと言えば、アイスクリーム。チョコレートクッキーズスワールとか、ストロベリーチーズケーキスワールとか聞いたことはありませんか?でも、ここでは「葉っぱ」がスワール。実は「議論」も、「水」もスワールします。何となく、あ~あ!Okayとなってきましたよね。

swirl渦巻く、くるくる舞う』という意味です。人気のない寒い冬の夜、木の葉がくるくる舞い上がっている。とても黄昏た、物悲しい風景ですね。

 

最後に④ I pulled my shiny car to the curb, rolled down the window …

「私は金ぴかの車を歩道の縁石に寄せて、窓をroll downした。」

role役割』ではなく、roll=ロール。バターロールといえば、パン。トイレットロールといえば、トイレの必需品。あのイメージです。もう少し広げて、紙や包帯、袖をロールするイメージ。わかりましたよね。そう、窓をロールしたわけです。

でも、窓をロールする…?  確かに昔の車は扉の内側に飛び出したハンドルをくるくる回して窓の開閉をしていました。ということで、ここでは『roll down車の窓を下げる』の意味でした。

ところで、rollには『巻く』だけでなく『転がす』の意味もあるので、石(a stone)やさいころ(a dice)をロールするという使い方もあります。

 

番外編としては、アメリカの童謡nursery rhymeの一節 ”This old man came rolling home.” 「おじいさんはrollしながら家に帰った」のように、『roll=よろよろ』の意味もあります。意外と奥の深い言葉ですね。

 

あっ!猫。春のうららかな日差しの中で背中を丸めてうずくまっています。

英語で何といいますか?

A cat is curling up in the spring sun.