早速、長時間の線路の旅なので飲み物、週刊誌等仕入れ、
階段を上がろうとしたその時、可愛いお弁当が目に止まった。
そういえば食べるものも買わないといけない。
私は間食を一切しない人なので8時間くらいは食べなくても
全く問題はないのですが、駅弁を食べる機会はそうそうないし、
折角のJRの旅ですから思い出に一個と思い、
チラッと準備中のお弁当屋さんを覗くと、
お母さんが『もういいよ!!』と声をかけてくれた。
もう買えるんですか? いいよ…。
私が財布を出してどれにしようかなぁ!
と考え込んでいるうちにあれよあれよと人が集まって来た。
何故か急いでいるようなので、お先にどうぞ、どうぞと
言っているうちに最後になってしまった。
まっいっか! 私は時間に余裕があるから…。
お母さんが申し訳なさそうな顔で、
お待たせしてすみませんね!
どれにしましょうか?
じゃぁやっぱりこの可愛いお弁当一つ下さい。
どちらまで行くの? (
ちょっと野暮用で岩手まで行くんですよ…。
はい、それじゃぁ700円。
きっちり700円を渡すとその手にはお弁当と
4~5個ののど飴があった。
私に目配せをしながら、待たせて申し訳ないと思ったのか……。
気をつけていってらっしゃい…。
はい、有難う御座います。
行ってきま~す。
旅はこんな一期一会が楽しみの一つでもある。
駅には色々なドラマがある。
出会いや、別れ、旅立ち、帰省、その人の置かれている
色々な立場の思い、心の動きがある。
旅から帰ってくる時は比較的に夜遅くなる事が多い。
疲れて帰ってくるせいもあってか夜の駅は寂しい…。
それに比べて旅立つ朝は活気があってなんと楽しいんでしょう…。
この時、あんな大惨事に遭遇する事も想像すらせずに
私はルンルン気分で旅立った。
続く