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智恵子の部屋

しばらくお休みします。

 私は読書が大好きてす。ミステリー・怪談話・エッセイ・占いが好きです。「怪談レストランシリーズ」は5冊持っています。「ケータイ電話レストラン」は一番怖かったというより可哀想でした。でもおかげで、携帯電話への愛情が増しました。もっと仲良くしようと思いました。
 今は「ハリー・ポッター」に夢中です。最初は怖かったけど、だんだん面白くなりました。それにハリーはかっこいいと思います。
 物語を書くのも夢でした。高校生の頃から、幾つか書きました。「天使の日記帳」はそのうちの一つです。でもまさかプロになりたいとは思っていません。以前はよくミステリー(怪談話や推理賞小説)をよく書いていました。今は書く気もないし、自分が書いたの思い出してもゾーッとします。不思議ですね(笑)


 さて「集まれ仲間達」というタイトルは、みんな仲良しになれるといいなという思いでつけました。地球に生まれた生物(人間も動・植物も)みんな深いところでつながっていると思います。だからみんな仲良くする必要があると思います。ストーリー全体としてば「渡る世間は鬼ばかり」に近いと思います。CBCテレビで放送されていた、ホームドラマシリーズです。
 明日花という名前は我ながら気に入っています。いい名前だと思っています。明日花ちゃんが言っていた「前世やあの世で何かご縁があり、この世でも出会った」は私自身が読んだ話です。その他、精神レベルの違いで出会いが決まるという話もあります。精神レベルというのは心のレベルです。人はみんな生まれた時から、精神レベルを持っています。らせん階段状になっていて、上へも下へも行けます。心の持ちようで精神レベルは上がったり下がったりする訳です。精神レベルが近い人同士で付き合えるのですから、レベルが違えば深いお付き合いは出来ません。たとえクラスや職場が同じでもね。引き寄せの法則です。ではどうして明日花ちゃんと有香ちゃんは仲良くなれたのでしょうか?
二人は正反対に見えます。「懐かしい感じがした」と明日花ちゃんは言っています。きっと運命なのでしょう。
 御託ばかり並べてすみません。これからもよろしく!!

「集まれ仲間達」

第三章・可愛い秋彦


 松村桃の家は一軒家だが、隣のおもちゃ屋はいつも子供達でいっぱい。おかげで通りはいつもにぎやか。家の中まで聞こえるのでさみしくない。週末になるともっとにぎやかで幼稚園児から小学校1・2年の子供が走り回っている。ある暖かな日曜日、この日も相変わらず混み合っていた。親子連れに混じって兄弟と思われる4人が遊んでいる
「ねえこれ買って」
小さな男の子が赤い箱を指差し、兄や姉に頼んだ。
「うんいいよ」
すぐ後ろの女の子が頷いた。実はこの女の子、実姉ではない。この店の隣に住む松村桃だ。
「秋彦、それ持ってるでしょ? 別のにしたら?」
桃の隣でそう言ったのは、男の子の実姉、北村春花である。春花と桃は近所の幼馴染。桃は一人っ子なので、春花やその兄弟と親しかった。春花の弟秋彦は保育園の年中。年が離れているためか、春花にはかわいい弟だ。桃にとっても弟のような存在。春花には4つ上の兄春彦と、さらに2つ上の姉明日花がいる。明日花には身体障害があり、施設に入っている。両親は仕事があるし、弟妹も勉強に忙しい年頃なので、明日花はめったに帰らない。
 秋彦はお店の中を歩き回っている。
「じゃあこれは?」
今度はおもちゃの携帯電話で、真ん中にはキティちゃんがついている。
「もうちょっと男の子らしいのないの?」
「これは?」
今度は真っ白なベビーピアノの箱だ。
「ピアノなら桃ちゃんにもらったじゃない」
それから秋彦は目玉の大きな女の子のぬいぐるみ、ミッフィーが歯磨きするおもちゃ、ミッフィーやキティちゃんの絵が描かれたソフトボール・・・と次々選んだ。
「あんたって女の子?」
春花はどこか気に入らないのか呆れた声で言った。
「まあいいじゃねえか。好きにさせてやれよ」
春彦が助け舟を送ってくれたので、秋彦は心底ほっとした。
「そうだよ。好きにさせてね。あっそうだ。お魚買ってよ!」
「お魚... ああ魚釣りゲームのこと?」
「違うよ。本物のお魚」
「金魚ね。ここにはいないよ」
「ねえ春ちゃん、ペットショップどこかわかる?」
「さあね。お父さんがお母さんに頼んで連れて行ってもらわないとね」
4人は夢中で相談した。秋彦達の両親は土日でも仕事なので、桃の両親に頼むしかない。しかし知り合いとはいえ、血のつながっていない他人だ。
「うーん、そりゃ図々しいかもね」
「そーかなー? そんなことないと思うけど…」
「桃ちゃん、自分も行きたいんでしょ?」
「ち、違うもん」
春花はちょっとからかっただけだった。しかし桃はそれを真に受けて怒り出してしまった。
「ごめんごめん、からかっただけだよ」
春花は慌ててなだめたが怒りっぽい桃のこと、通じるはずはなかった。
「そろそろ帰らなくちゃ」
いつの間にか周りの客足も減り、お店の時計は4時をすぎている。桃を家まで送り、3人も帰って行った。

 次の土曜日、久しぶりに父親は仕事が休み。秋彦達の父彦太は、児童福祉施設に務めている。そのため土日・祝日は大抵仕事だ。秋彦と休みが重なれば、一日中付き合わされる。お父さん遊ぼうよ。遊園地行こうよ。ゲームセンター行こうよ。・・・とせがみ続ける。お昼寝なんてしていられない。
「秋彦、お姉ちゃんと遊ぼう」
呼ぶと来るものの、すぐ父親の方に行ってしまう。彦太にとってはうっとうしいのだろう。
「お父さん、秋彦を避けてるんじゃないの?」
「かもなー」
春花と春彦は以前そう話したことがある。
 さて今回は…?
「ねえお父さん、お魚屋さん連れて行って」
「お魚? 何か雨の?」
「めだかの学校」
「はーん」
小さい子は面白いものだ。春花は笑っているが、彦太にはなんのことかわからない。
「水槽で飼うめだかのことよ。買ってやって」
「今日は明日花を迎えに行くの。また今度」
「そーんなー、ついででいいじゃん」
「へいへい、わかったよ」
結局いつもこうだ。彦太は春花に弱い。
30分後秋彦・春花・彦太の3人は出発した。明日花が待つ施設へ向かう途中、ベットショップに立ち寄った。犬・猫・鳥・・・にぎやかな店内を秋彦は、目を輝かせながら歩き回る。
「あっあれ可愛い!」
生まれたばかりのめだかを見つけて叫んでいる。
「大人になったら川に返してあげるね」
「それまでちゃんと面倒みるか?」
「うんみる!」
何度も約束し、赤ちゃんめだかを買ってやった。


つづく....


「集まれ仲間達」

第二章・ミドリ園の明日花



 春花の姉=北村明日花は身体障害者療護施設(ミドリ園)で生活している。なぜか両足は膝までしかない。そのため車椅子を使用している。養護学校卒業後、ミドリ園入所。明るく話好きなので友達も多い。
 今日は入所式と部屋替えが行われる。施設長さんからの挨拶に続き、新規利用者・職員が登場した、今年は2名ずつの利用者・職員が加わった。
 去年のこの時期、明日花は入所した。友達は沢山ぃるかしら。職員さんは優しいかしら。ご飯は美味しいかしら・・・期待と不安を抱え、両親と共に施設を訪れる。
 (あれからもう一年になるのね。新しく入った人もきっと不安だよね。仲良くしよう)
ぼんやり考えていると部屋替えが始まった。施設長さんが発表する。


201=大島明子・小倉あや・北村明日花
担当=酒井あゆみ

202=青木健太・大谷順
担当=川島優平

203=鈴木由美・長崎援絵・山本由以奈
担当=内田盟

204=磯辺正基・水補早人
担当=森田孝助

 この施設は4階建、2階から4階が居室になっている。3人ずつ12部屋だ。
「じゃあたまには遊びにいくね」
「うん、ばいばい」
 式が終わり明日花は有香に告げた。去年同じ部屋だった青山有香(ゆか)、明日花より2つ上だ。大人しくてあまり話さないタイプだが、明日花とはすぐ仲良くなった。
「有香ちゃんどっかで会った気がする」
入所してしばらく経った頃、明日花は有香に話した…
「へぇーどこで?」
「わかんない。ただなんとなく懐かしい感じがしてたの。有香ちゃん感じたことない?」
「・・・別にないよ」
相変わらず言葉少なだが、有香は明日花の話に興味があった。いったいどこで?
有香には全く記憶がなかった。
「何かの本で読んだことがあるの。前世やあの世で何かご縁があったから、この世でも出会ったって」
「へぇー、じゃーさみんなご縁があったの?」
「うーんそういうことになるね。ご縁っていっても、色々あるの。家族の場合もあるし、ただちょっとすれ違っただけってこともあるの。だからね、記憶がなくても懐かしく感じることあるらしいの。人に対してだけじゃない。建物とか動物に感じることもあるらしい。私はないけどね」
どこか学者みたいだ。有香は思った。以前有香に会った記憶はもちろん明日花にもない。ただなんとなく懐かしい感じは今も変わらない。表面意識では忘れていても、潜在意識はちゃんと覚えている。そうに違いない。有香と同じ部屋だったのは偶然なのか? それとも巡り合わせ?
「とにかくこれからもよろしく」


つづく....