東京都足立区は防犯に配慮した戸建て住宅開発地を「防犯設計タウン」として認定する制度を創設した。ハード、ソフト面の33項目で評価する。認定地域には区 が定期的にパトロールを実施するなど安心して住めるモデル地区にする。同区は犯罪発生件数が23区で最も多く、課題となっている。不動産事業者に防犯に配 慮した開発を促すとともに、安全な地域としてアピールし、若い世代の流入を促す。

 500平方メートル以上の新規の建売住宅地区を主な対象にする。都内でこのような制度を導入するのは初めてという。第1号として、5月に一部発売する区内の住宅分譲地を認定した。

 33項目で評価する。項目ごとに点数を付け、合計が75点以上の場合に認定する。評価項目はハード面では「死角をつくらない見通しを確保し た植栽」「カギを二重にし、オートロックを採用」などを、ソフト面では「門灯や夜間灯を一晩中、点灯」「登下校時に子供の見守りを実施」などを盛り込ん だ。


 専門家らによる認定委員会が評価する。まず開発計画の段階で書類を審査する。ソフト面は住民と取り決めを結ぶなど、守ってもらうことを前提に入居してもらう。建設完了後、職員が現地に行き、計画が実行されているかを確認する。

 開発事業者は販売時に「防犯設計タウン」に認定されたことをPRできる。完成後、希望があれば区が認定看板を掲げる。


 このほか認定地区には区がパトロールを定期的に実施する。まちづくりの専門家を無料で派遣したり、防犯カメラの設置代の一部を補助するなど安心して住めるまちづくりを支援する。


第 1号はポラスグループの中央グリーン開発(埼玉県越谷市)が開発中の3万2000平方メートルの分譲地「パレットコート六町東京ココロシティ」。最寄り駅 はつくばエクスプレスの六町駅で、206戸の建売住宅を建設する。ポラスと購入者が門灯や玄関灯を夜間中つけておく「灯りのいえなみ協定」を結ぶ。フェン スを低くするなど、街のなかの見通しをよくする。


 区はこの認定制度を自治会単位で防犯対策に取り組もうとしている既存の戸建て住宅地にも広げる考え。ソフト面の取り組みに多めに点数を配分するなど配慮する方針だ。

大成建設はマンションの床から階下に伝わる足音や物音を精度よく予測するシステムを開発した。床の振動をコンピューターで計算し、騒音の大きさを推定す る。設計段階から振動を減らす方法を調べ、対策にかける建設費を節約する。自社で建設するマンション向けに、このほど適用を始めた。

CG(コンピューターグラフィックス)を使い、振動が床を伝わる様子を再現できる=写真。高層マンションや4~5階建て住宅の評価に使える。

 地震の揺れや水の流れを調べる「有限要素解析法」を応用した。床を通るはりの一部を外して振動を抑える対策などを模擬実験できる。計算によ る騒音が50デシベル程度の場合、実際の測定値との誤差は5デシベル以下だった。誤差が10デシベルを超えることもある従来法より高精度という。


 マンションの建設では防音のために床を厚めにつくることが多く、建築費を押し上げる要因になっている。新しい方法を使えば、より低コストで効果的な対策を探しやすくなる。


国土交通省が中古住宅の市場活性化策を相次ぎ打ち出す。2013年度に優良な中古住宅を認定する制度を新設。12年度にも、省エネや耐震改修をした中古住宅の購入者向け低利融資も始める。個人が安心して中古住宅を買える環境を整え、中古住宅の売買を後押しする狙いがある。

13年度に導入を検討しているのは、首都圏なら震度6強以上の耐震性をもっているか、地震の激しい動きをゆっくりとした揺れに変える「免震構造」を備えた優良住宅を認定する制度。窓ガラスを二重窓や複層ガラスにして、断熱性を高めることも条件とする。

 新制度では住宅を「最も優良」から順に3段階に等級付けし、ランクが上がるほど、より耐震性の強い太い柱やはりを求める。優良住宅の購入者には、一般住宅よりも住宅ローン減税を拡充することを検討する。

 同省は省エネや耐震改修で条件を満たせば、住宅金融支援機構が取り扱う長期固定金利の住宅ローン「フラット35S」を中古住宅に使えるよう にする制度も12年度にも導入する方針だ。もともとはフラット35Sの条件を満たさない住宅でも、「窓を複層ガラスにする」「壁に断熱材を入れる」といっ た改修をすれば、低利融資の対象となるよう制度を見直す。


 11年度には、優良な中古住宅販売業者を対象にした認定制度を試験的に採用した。中古住宅を購入したり、改修したりした場合、雨漏りなどの 欠陥が見つかれば、補修費用を支払う保険もすでに導入している。別々に保険をかけていた中古住宅の購入と改修を一括で保証するのが特徴だ。


 個人所得の低迷や建材価格の高騰を背景に、新築住宅の大幅な増加は見込みづらい。国交省は「今後は単価の安い中古住宅の購入率が、新築より伸びる可能性が大きい」と予想している。


 日本の中古住宅の市場規模は約4兆円。政府は10年に作った新成長戦略のなかで、20年までに中古住宅の市場規模を倍増させる目標を掲げて いる。中古住宅の売買の活性化には、家屋の傷み具合のチェックや取引価格の透明化などで買い手の不安を和らげる工夫が課題。購入者への税制優遇の拡充など 一段の支援策を求める声もある。