東京都豊島区で区役所の新庁舎とマンションを一体開発する全国初の工事が2日、始まった。区は対象地域に保有していた土地の権利変換と、移転後の現庁舎跡 地の民間への貸し出しにより、新たな財政負担無しで建て替えを実現する。都内では高度成長期に建てられた自治体の庁舎が更新期を迎えており、今回のケース は今後の建て替えのモデルにもなりそうだ。

開発する超高層複合ビルは地下鉄の東池袋駅と地下通路で直結する。高さは189メートルで地下3階地上49階建て。1階と3~9階部分が区の新庁舎、11~49階を住宅(約430戸)となる。住宅部分の一部は東京建物などが販売する。完成は2015年3月の予定だ。

新庁舎の屋上部分にあたる10階には約1000平方メートルの庭園「豊島の森」を設け、環境学習の場などに利用する。1階の広場は災害時の活動拠点とする。地下には非常用発電設備を設置し、停電時もエレベーターなど主要な部分に電気を送り続ける。

 建設から約50年を迎える現在の区庁舎の移転・建て替えの検討が始まったのは7年前。区は財源難の中、区民に極力負担をかけない整備手法を採用した。

 

 新庁舎の床面積は約2万5000平方メートル。このうち、日出小学校跡地など区が再開発地域で所有していた約5100平方メートルの土地を 権利変換し、再開発ビルの約1万平方メートルの面積を取得。残りの約1万5000平方メートルの取得と引っ越しにかかる約135億円は移転後に現庁舎を民 間に定期借地で貸し出すことでまかなうといい「区民の税金は使わない」(同区)としている。


 

 都内の自治体の庁舎は昭和30年代から40年代に建てられた建物が多い。老朽化が進み、耐震性や防災面からも建て替えの必要性が高まってい る。北区が建て替える方向で、現在基本構想を策定中。葛飾区も候補地選びや整備手法などの検討を進める。豊島区の高野之夫区長は「庁舎(移転)のあり方の 手本になれば」と話す。


東京証券取引所が2010年1月に稼働を始めた新型の株式取引システムの名称。東証は05~06年に大規模なシステムトラブルを繰り返して市場を混乱させ たことから、約10年ぶりに取引システムを全面的に刷新した。開発・運営費は約250億円で、富士通がシステムを設計・開発した。

コンピューターを使って高速で株式売買を繰り返す海外の機関投資家のニーズに対応するために、システムの注文処理能力を大幅に向上させたのが特徴。従来は2~3秒かかっていた注文処理速度を2ミリ(ミリは1000分の1)秒に短縮した。

国土交通省は2013年にも、建設会社に対して、マンションなどの建設現場に派遣する技術者を国に登録することを義務付ける方針だ。現場を差配する技術者が 建設現場に配置されていないケースが続出しているため。首都直下地震など将来の大災害が懸念される中で、手抜き工事を防ぎ、耐震性などを確保する狙いがあ る。

 国は建設業法で、一定以上の受注額の建設現場に建築士などの技術者を配置することを義務付けている。マンションや病院、学校など多くの人が 利用する建築物が対象だ。ところが、実際には「技術者が配置されていない」「技術者が複数の現場を兼任している」といったケースが相次ぎ、処分件数は過去 10年で600件以上にのぼる。


 

 国交省は今後、技術者のデータベースを新設。現場に派遣される建築士や建築施工管理技士などが、どの会社に所属し、どの現場に派遣されてい るかをリアルタイムで登録するよう建設業者に義務付ける。違反した場合は、改善指示や営業停止などの処分を実施する。同様の制度は英国や韓国も導入している。


 

 東日本大震災の被災地などで復旧事業が盛んなことから、建設工事の需要は急増しつつある。国交省は大災害時に被害を拡大させないためにも、手抜き工事の防止策を強化し、安全性を確保することが必要と判断した。