今回は英語の「未来」の表現を考える大原則について。
 

「未来」のことは「過去」や「現在」とは決定的な違いがありますが、それは何でしょうか?
 

 過去のことは事実として「あった」こと、現在のことは事実として「ある」こととして表現できますが、未来のことは確実に「起きた」「起きている」事実としては表現できませんね。
 

 動詞の活用  (現在形 過去形 過去分詞形)も、過去のこと、現在のことを確定した事実として表せる「過去形」「現在形」はあっても、あと一つは「未来形」ではなく、形容詞や副詞の働きをする「過去分詞形」ですね。確定した事実としての「未来」がない以上、確定した未来を表す動詞の形「未来形」もありえないのでしょう。
 

 これから「未来」の表現を見ていく上で、次の2つを原則として最初に確認しておきましょう。

(1)動詞の形は、「気持ち」で決まる。  が一番あてはまるのが未来。
 未来に確定した事実がない以上、未来を表す動詞の形は話し手がそれが「確かに」起こる、「たぶん」起こる、「ひょっとして」起こるとどの気持ちでとらえているのかで100%決まります。動詞の形は、「気持ち」で決まる。  の原則がなおさらあてはまるのが「未来」の表現です。

 

(2)「今のこと」を表せる表現は「未来」のことも表せる。
 (1)の原則から、「気持ち」によって、今まで習った表現を含む様々な形が可能なのが「未来」の「動詞の形」ですが、動詞の「現在形」

 My father teaches  mathematics at high-school.
「私の父は(今までも、今も、これからも)高校で数学を教えている。

 また助動詞の現在形も、
I must see a dentist this afternoon.
「私は今日の午後(これから)歯医者に行かないといけない。」

と、これからのことも表せます。

また、「過去形」と言っても現在のことをあわらことが多い助動詞の「隔たり形」も、

He could be famous some day.
「彼はひょっとしていつか(これから)有名になるかもしれない。」

とこれからのことも表せます。「今のこと」を表せる表現は「未来のこと」もあらわせると確認しておきましょう。

 

 前回の、「安定している」「現在完了」have taught か「これからどうかわからない」「現在完了進行形」have been teaching で分かるように、どの動詞の形を使うかは、人のできごとの捉え方できまります。
「現在形」「現在完了形」も、あるできごとを「あのときこうだった」ととらえていれば「過去形」、「で、今こうなんだ」ととらえていれば「現在完了形」と、どちらもあり得る場合もあります。、

a. The kid broke the window.
b. The kid has broken the window.

1) 「だから修理しないと」の感じが強いのはどちらでしょう?
2) 「こわしたのはあの子供だよ。」の感じが強いのはどちらでしょう。

(正解)
1) b. 「だから今」修理しないとと、今のことに重点があるのが現在完了。
2) a. ガラスを「あのとき誰が、どうやって壊した」と「過去」に重点があるのが過去形です。

次の各組の文で1) 2)の気持ちが強いのはどちらか考えましょう。
(a)  " I won the final tennis match ! " 「テニスの決勝戦で勝ったぞ!」
   a. " You made it ! " 「やったね!」
   b. " You've made it " 

1) 「昨日の試合だよね。」「すごい歓声だったろうね。」
2) 「君がチャンピオンだね。」「僕も、うれしいよ。」

(解答)
1) a(過去のその時のこと)
2) b(だから今チャンピオン、自分も今うれしい)

(b) 彼女と一度も話したことはない。
a. I've never spoken to her.
b I never spoke to her.

1) 彼女は中学の同級生で、その時には
2) 彼女のことはよく知らないよ。

(解答)
1) b.(過去のそのころのこと)
2) a (だから今彼女のことはよく知らない。)

                    動詞の形は、「気持ち」で決まる。

のです。

 

以下を英語にしてみましょう。

a. 私は今音楽を聴いている。( listen to music )
b. 私はササキさんを知っている。

a. I am listening to the music.
(今ちょうどやっているありあり感→現在進行形)
b. I know Mr. Sasaki.
(「知っている」のは今までも、今も、これからも続くこと→現在形)

ですね。a.のように「今やっている」を現在進行形で表す場合は、現在完了にするときも、be 動詞の過去分詞 been を使って have been ...ing と現在完了の進行形にします。

a. I have been listening to music for one hour.
(私は音楽を1時間聞いている。)
b. のように現在形を用いる場合は
I have known Mr. Sasaki for many yeas.
(私はササキさんを長年知っている。)
となります。
では、次はどうでしょうか?

・私はこの学校で10年理科を教えている。(teach)
c. I have taught science at this school for 10 years.

d. I have been teaching science at this school for 10 years.

c.現在完了形、d.現在完了進行形 どちらもありえます。違いはなんでしょう?

teach の現在形は、
 My father teaches mathematics at high school.
 「今までも」「今も」「これからも」「確かに」すること、あること。

現在進行形は、

 長くは続かない「ある行為、状態から「今」を切り取った、ありあり感のある形

 My wife is teaching English to my daughter's friend today.
 (妻は今日娘の友達に英語を教えているところだ。)

でしたね。teach を「現在完了形」にする場合は「現在形」の意味が生きています。
c. I have taught science at this school for 10 years.
(10年間安定して教えていてこれからも教える。)

「現在完了進行形」にする場合は、「現在進行形」の意味が生きていて、

d. I have been teaching science at this school for 10 years.
(10年間教えているが確かにこれからもかはわからない。)

の意味が含まれています。このような微妙な違いも、

                    動詞の形は、「気持ち」で決まる。

からです。
 では次の文はなぜ have lived ではなく「現在完了進行形」have been living あのでしょう。?

I have been living in this town for a long time, but still I don't like it.
 still 未だに
(私は長い間この町に住んでいるけど、未だに好きじゃない。)
 住んでいるのがどれほど「長い間」でも「未だに好きじゃない」ということは「その状態を安定して続るとは限らない。どこか別の場所に移るかもしれない」ことを含む、「現在完了進行形」を使っています。

 

shall は現在では、
Shall I call a taxi ? 「タクシーを呼びましょうか?」
(「~しましょうか」の申し出。)
Shall we have dinner together? 「一緒に夕食はどうですか。」
(「~しませんか?」相手への丁寧な誘い。」
の2つの用法以外は日常的にはあまり使われません。「隔たり形」should の方がずっとよく使われます。

a. We should start at once.「すぐに出発した方がいいね。」
( We must start at once. 「すぐに出発しないとだめだよ。」より相手と「隔たり」を置いた義務、提案)
b. He should be at home now. 「彼は今家にいるはずだ。」
(確信度の弱い今の推量。事実からの「隔たり」)

 shallshouldは、今の用法を見てみると別々の語のようにも見えますが、shallは元々は, 主語の意思に関係なく「~することになっている」というのがもともとの意味でした。今はあまり使われませんが、you, he, she を主語にすると、

You shall have a new bicycle for birthday. 
(おまえは誕生日に新しい自転車をもらうことになっている。)

→(おまえ「主語」の意思ではなく)「私が誕生日に新しい自転車をあげる。」

と言った用法があります。
will が「人の意思」を示すのに対し、shall「神の意志」を表すと説明されることもあります。「神の意志」で決まっていることの方が「人の意思」よりは確実なことですから、「きっとそうなる」感じはshallを使った方が強くなります。

アメリカの黒人公民権運動で歌われた、
We shall overcome. (我々は必ず勝利する。)
のshallも「きっと、間違いなくそうなる」のshallです。

また、
The gate shall be locked at midnight.
(問は12時に施錠することとする。)
と規則や契約にもshallが使われますがありますが、これも、誰かが一方的にきめたのではなく「神の意志」→「そうすることになっている」が残っているshallですね。

Shall I...? 「~しましょうか?」Shall we ....? 「しませんか」、も
(隔たり形)should 「した方がいいね」も、

 「~することになっている」から
  →
 「しましょうか」「しませんか」「した方がいいね」 

 とこれらの用法のルーツには「~することになっている」です。


 

 助動詞の「過去形」といっても「過去」のことだけに使うわけではなく、むしろ、「今のこと」「これからのこと」をいう場合が多いのです。では、「過去形」でなくどんな「形」と考えればいいのでしょう?「過去」は今とは「隔たりのある」時ですが、時に限らず、何らかの「隔たり」を表すのが助動詞の「過去形」です。例えば will の「隔たり形」 wouldの「隔たり感」は以下の場合に現れます。

                      (助動詞 would の「隔たり」)
                                                                         
・依頼

 Will you come with us? 

(一緒に来てくれますか?) 

Would you come with us.?
(ご一緒においでいただけますか?) 

相手と「隔たり」を置いて丁寧。

 

・推量

 She will be at home.

(彼女はきっと家にいるよ。)

 She would be at home.

(彼女はたぶん家にいるだろうな。)

事実との「隔たり」を感じ確信度が will より弱い「今」の推量.

 
・過去

I think he will succeed.

(彼は成功すると思うよ。)

I thought he would succeed.
(彼は成功すると思ったよ。)

・時が「隔たった」「過去」
 

「隔たり形」の練習をしてみましょう。次の(      )の動詞に will , would どちらかを加えて下さい。
(a) I believe our team (     )( win ) the game.
(うちのチームが勝つと信じてる。
(b) She (        ) ( be ) a kind teacher.
(彼女はきっと親切な先生だよ。)
(c) She (        ) ( be ) a kind teacher.
(彼女はたぶん親切な先生じゃないかな。)
(d) I believed our team (          )( win ) the game.
(うちのチームが勝つと信じてた。)
(e) (        ) you join us?
(一緒にやってくれる?)
f. (        ) you join us?
(私どもにご一緒いただけますでしょうか?)
(解答)
(a) will (今から、これから)
(b) will (「きっと」の強い確信 )
(c) would (「たぶん~かな」の事実から隔たった確信度の低い推量)
(d) would (believed 過去形に会わせた時間の過去。時の隔たり)
(e) Will (親しい人への依頼。距離近い)
(f) Would (目上の人への依頼。相手との「隔たり」を表しさらに丁寧)

 以下の助動詞も「隔たり形」はまず「今」「これから」のことを表すことが多く、「過去」のことにも使われるのは同じです。

( can 「隔たり形」could )
a. He could be in the office. 「彼はひょっとすると職場にいるかも知れない。」
(確信度の弱い今の推量。事実からの「隔たり」)
b. I could give you the answer. 「よければお答えしますが。」
(できる( can )の丁寧な言い方。相手との「隔たり」)
c. Could I have another cup of tea?  「お茶をもう一杯いただけますか?」
(Can I have ...「いいですか」の丁寧な言い方。相手との「隔たり」)
d. He said he could play tennis well when young.「若いころはテニスが上手だったと言っていた。」( 主節said に合わせた過去。)

( may 「隔たり形」might )
a. That might be true.「それは本当かもしれない。」
(確信度の弱い今の推量。事実からの「隔たり」)

助動詞も、動詞の形は「気持ち」で決まります。

 

今回は「過去形」と「過去進行形」をとりあげましょう。
1) 2)を考えて下さい。

a. I watched an interesting TV program last night. Can I talk about it?
(昨夜面白いテレビを見たんだけど、話してもいいかな?)
b. When my mother spoke to me last night, I was watching an interesting TV program.
(昨夜母が話しかけてきたとき、私は面白いテレビを見てるところだった。)
1) テレビを見ていた「途中」なのは?
2) テレビ番組を最後まで全部見たのは?

(解答)
1) b 2) a
a. watched (過去形)b. was reading (過去進行形)
  
「過去形」と「過去進行形」は、「現在形」と「現在進行形」が過去にずれたものと言えます。
                              (現在形)
 「今までも」「今も」「これからも」「確かに」
すること、あること。
                                   ↓
                              (過去形)
今とは「隔たった過去」に「確かに」したこと。

                            (現在進行形)
ある行為、状態から「今」を切り取った、ありあり感のある形
                                  ↓
過去のある行為、状態から「その時」を切り取った、ありあり感のある形

                           (過去進行形)

a. I watched an interesting TV program last night. Can I talk about it?

a. 「過去」( last night )にテレビを(番組の最後まで)「確かに」見たのが過去形です。
これは一回だけのことではなく、繰り返されたことも同様です。

a-2 I walked to school every day when I was an primary school student.
 primary school 小学校
(小学生の時、毎日歩いて学校に通っていた。)
「過去」小学校の時、毎日「繰り返し」(家を出てから学校まで)「確かに」歩いていたことを表します。

b. When my mother spoke to me last night, I was watching an interesting TV program.
(昨夜母が話しかけてきたとき、私は面白いテレビを見ている最中だった。)

「過去」( last night ) テレビを見ていた時から、(母が話しかけた)「時」を切り取った「ありあり感」のある表現です。

(話しかけた)「時」だけを言っているので、テレビ番組を最後まで watchしたかは分かりません

b' When my mother spoke to me last night, I was watching an interesting TV program. She told me to turn it off, so I didn't watch it all.
(昨夜母が話しかけてきたとき、私は面白いテレビを見ている最中だった。母はスイッチを切るように言ったので、私は全部最後まで見られなかった。)
と、やっていたことが最後まで終わらないことは過去進行形はあり得ますが、watched (過去形)にはあり得ません。

○「気持ち」が「ありあり」の過去進行形
「現在進行形」には、
 My mother is always thinking of people around her.
「母はいつも周りの人の事を考えている[ああ、親切で立派!]。」

  とその様子が「ありあり」と浮かんで「親切だなあ!」「やなやつだなあ!」と「気持ち」を強く表す用法がありましたが、過去進行形も時が過去になるだけで同じ用法があります。この場合は行為が最初から最後でも使えます。[      ]が過去進行形が表す「気持ち」です。

a. I was working all day last Sunday.
 (昨日は一日中仕事だった[で、もうくたくた!])
b. His wife
was always asking him for money to buy new clothes.
 (彼の妻はいつも彼に新しい服を買うお金をせびっていいた。[困った奥さんだっ たなあ!])
c. I
was coughing all night.
(私は一晩中咳をしていた。[ああつらかった!]」
過去進行形の「気持ち」を強く表す用法も、「一日中でつらかった」「しょっちゅうでうんざりだった」 「一晩中で大変だった」と気持ちを強く響かせるため a. all day  b. always c. all night といった 「長さ」や「頻度」を強める表現を伴います。

 

 「時」と「動詞の形」(時制)は必ずしも一致しないことは、「動詞の形」を考える要注意点として最初に確認しましたが、「現在形」「現在進行形」も今以外を表す場合もあります。

                    動詞の形は、「気持ち」で決まる。

からです。

① 新聞見だしの「起きたこと」を表す「現在形」
a. The prime minister declares tax reduction.
(首相、減税を明言。)
b.A Large scale typhoon strikes Japan.
(大型台風、日本を直撃)

 新聞の見出しでは、すでに起きた過去のニュースを、declares , strikes と「現在形」で表す場合がよくあります。これは「確かにする」イメージを持つ現在形を使うことで「確かに」出来事があったことを印象づける用法です。
 日本語ならば a.「減税を明言」 b. 「日本を直撃」 といった名詞で文を終わる、「体言どめ」で読者の注意を引きつけるのと似たような効果があります。

②「気持ち」が「ありあり」の現在進行形
a. My mother is always thinking of people around her.
(母はいつも周りの人の事を考えてあげて[ああ、やさしくて立派!]。」
b. He is always speaking ill of his co-workers.
(あいつはいつも同僚の悪口ばかりいってって[ああ、なんていやなやつ!]。」

 と、人に対する[親切で立派!]、[なんていやなやつ!]といった気持ち表すのに「今ちょうど」やっていることでなくても「現在進行形」を使う場合があります。 これは誰かを(やさしくて立派)と思っているならその人のことを思うと、人を手伝ったり優しく言葉をかけたり、(いやなやつ)なら「知ってる?あいつまたさあ...。」なんて悪口いってる様子がまるで今言っているかのように「ありあり」「生き生き」と浮かんでくるものですね。そこで「ありあり」感を表す「現在進行形」が使われます。本当に「いつも」やってるわけでなくても、「ほんとにしょっちゅう」の感じを出すためこの用法は「いつも」のalwaysを伴います。

 

 今回は、前回触れた「現在完了」をさらに突っ込んでみましょう。以下の2文を比べてください。
a. I have left my glasses at home, so I cannot read small letters.
(私は家にメガネを忘れてきたので、細かい字が読めない。)
b. I left my glasses at home, but I have another pair at the office.
(私は家にメガネを忘れてきたけど、職場に別のをおいてある。)

1) 過去に「眼鏡を忘れた」ことが「今」の原因となっているのはどちらでしょう?

a. ですね
a. の have + 過去分詞(left)は、「現在完了形」という動詞の形です。

b.(過去形)は今とは「隔たった過去」に「確かに」していたことです。
b. I left my Glasse at home, but I have another pair at the office.
は、「過去」にメガネを家に忘たことは、「今」は職場で別のメガネを使えるのだから「今」の状態に影響はありません。(過去形)が表す過去は今とは無関係の過去です。
a.現在完了は、「過去にあったことで→今こうなんだ」と「今」のことがいいたい動詞の形です。
a, I have left my glasses at home, so I cannot read small letters.
「過去」にメガネを家に忘れた結果→今小さな字が読めない。
と「今」のことが言いたいのが「現在完了」です。

 現在完了は、一般的に「完了・結果」「継続」「経験」の3つの用法があるとされますが、共通なのはこの「だから今」「そして今」です。

a.完了・結果
 " Will you go to see the movie tonight with us? "
(今夜一緒に映画見に行ける?)
 ”Yes, I have just finished my homework. "
(いいよ。ちょうど宿題も終わったし。→だから今自由にできる。)

 just ちょうど は、今終わったばかりを強調するのに、現在完了でよく用いられます。
b. 継続
 I have lived in Yokohama for 20 years.
(私は横浜に20年間住んでいる。(過去に住み始めて)→そして今住んでいる。)
c.経験 
I have read the book three times.
(私はその本を3回読んだことがある。→だから今その本の内容を知っている。)

※現在完了はなぜ " have " を使う?

have の基本の意味は「持つ」ではありません。
       
 Our family has a dog.(家には犬がいる。)
 I had an accident.  (私は事故にあった。)
 I have some work to do.(私にはする仕事がある。)

 日本語は「いる」「ある」になっていますね。ですから、haveの基本の意味は「主語の意識・範囲内にOが「ある」「いる」ことです。

 そして、「現在完了」のhaveも同じです。

a.現在完了は、「過去にあったことで→今こうなんだ」を表すということは、「過去にやったことの結果、影響、状態が今ある( have ) 」ということです。

Yes, I have just finished my homework. 
I have lived in Yokohama for 20 years.
I have read the book three times.


       Sの意識・範囲内にOが「ある」「いる」

                         S have

                            今
                 finished →「自由」がある
                 lived   →「住み続けて」いる
         read  →(本に関する)「知識」
            「思い出」がある


  だから、have + 過去分詞 です。

 

 先日授業でこんな英作を授業でやりました。

「雨の多い日本では、かっては国土のほとんどは森林に覆われていた。」

 

 さて、 have を使うなら、どんな時制が適当でしょうか?

A large part of Japan, which (           ) a lot of rain, was mostly covered with forests.

 

昔の事だから過去形? 今も雨は多いから現在形? 昔から降ってて今もだから継続で現在完了?

 

正解は、 which has a lot of rain, 現在形です。

 

「太陽は東から昇る。」は、

The sun rises in the east.

と現在形ですが、昔も、今も、これからも昇るから。

こんな未来永劫続くことじゃなくても、

My father works for a car company.

(父は自動車会社で働いています。)

前から、今も、これからも働く。なら現在形、現在形は

 

安定して続くことを表す時制です。

日本は昔も、今も、これからも雨はたくさん降るから現在形。

 

 現在完了は「そして」「だから」と今のことを言う時制。

 

I have finished my homwork.

(私は宿題を終えた。→だからでかけられる。)

I have visited Nara many times.

(私は奈良へは何度も行った。→だから色々知ってるよ。)

この英作は、昔ほとんど森林だったと過去のことを伝える文なので不可。

 

過去形は、過去の一点をいう時制で、現在とはつながりがありません。

だから、

It rained heavily 3 days ago.

(三日前に大雨が降った。)

I was born in 1990. 

(私は1990年生まれだ。)

と過去の一点を示す表現と使えるのは出来事をその時点にいわば釘付けにする過去形だけです。

 

英語の時制のとらえかたは日本語とは大きく異なり、時制のマスターが英語の大きなポイントですが、大切なのは基本のイメージをきちんと整理しておくことです。

現在進行形( be + ...ing )は、

 長くは続かない「ある行為、状態から「今」を切り取った、ありあり感のある」動詞の形です。

b. My wife is teaching English to our daughter's friend today.
 (妻は今日娘の友達に英語を教えているところだ。)

 今日だけ来ている娘の友達に短時間英語を教えている最中の「今」を切り取ったのが現在進行形です。
 そして、現在形が行為、状態の「確かさ」を強く感じさせるのに対して、この文ならば「教えている」様子、動作を「ありあり」と感じさせるのが現在進行形です。

 以下の2つを「現在形」と「現在進行形」のイメージをつかむ参考にして下さい。

" I love you. "は必ず現在形
 アメリカの映画を見ていると、若いカップルでも熟年夫婦でもとにかく " I love you. "「愛してるよ。」ってやたら言ってます。聞いてるとかならずいつも「現在形」I love you. です。当然と言えば当然ですね、現在形は

 「今までも」「今も」「これからも」「確かに」すること、あること。

ですから、人に「愛してる」と言うときは「今急に好きになった」「これからも愛するかわからないけど」じゃなく「今までも、今も、これからも変わらず」I love you. だからWill you marry me ? 「結婚してくれる?」って言えるわけです。
 これが I'm loving you. なら「この瞬間ありありと愛してるって実感!(でもこれからも確かは分かりません)。」ってことですから、Will you marry me? 「結婚してくれる?」って言われても引いちゃいますね。I love you.はいつも変わらず「今までも、今も、これからも変わらず愛する」 I love you. です。

○「現在進行形」は「家電量販店」のテレビ売り場。

I'm passing by TV department. 
「今テレビ売り場 ( department )通過中。」

 大きな家電量販店に行って、たまたまテレビ売り場を通ると、最新式のすごい大画面や何とかKの解像度とかのテレビで、まるで実物よりきれいなくらいの映像が「ありあり」「生き生き」見えてて「おお、すごっ!」と思いますが、「今日は電池買いに来ただけ。」ならそのテレビ番組は最後まで見ないで通り過ぎるだけですね。
 ある日、テレビ売り場を通ってて「あ、これ現在進行形!」と思いました。番組を最後まで見るわけじゃなく通り過ぎてく「今」見てるだけ。でも「ありあり」「生き生き」見えてて、これが現在進行形のイメージです。
 では、次の違いは何でしょう?
「彼女の名前覚えてる?」と聞かれて、

a. Wait a minute. Oh, I remember it. It's Ms. Oshima.
b. Wait a minute. I'm remembering it.
                                 
a. は「ちょっと待って。ああ、覚えてる。オオシマさんだよ。」
b. は「ちょっと待って。今思い出す。」

a.は、確かに「思い出した」ですが、b. は「思い出す動作」の途中を言っているのですから、「思い出せた」かどうかは分かりません。だから、

b' Wait a minute. I'm remembering it......Oh, I'm sorry I forgot.
(ちょっとまって。今思い出す...。あ、ごめん。忘れちゃった。)
 
はあり得ますが、現在形で
a'. × I remember it.... Oh, I'm sorry I forgot.
((確かに)覚えてる...。あ、ごめん。忘れちゃった。)
は、超急速記憶喪失でもないかぎりありえないですね。

 

 ・現在形ーある動作・行為を「確かに」する                     
 ・現在進行形ーある動作・行為の「途中」を表し、確かに」終

  えたかはわからない                                           
 

これも押さえておくポイントです。