皮膚炎を解決した中年おじんの体験記 -64ページ目

アトピー性皮膚炎の幼少期の症状

多くの人が幼少期に苦労した経験があると思われるアトピー性皮膚炎ですが、その症状は様々です。
一般的にはかゆみで悩まされるというケースがほとんどかと思いますが、それだけがアトピー性皮膚炎の症状ではなく、その為治療方法も確立しにくいのが現状です。
また、幼少期とそれ以降でも、主な症状には違いが出てきています。

幼少期によく現れるアトピー性皮膚炎の症状は、全身の湿疹です。
頭部から四肢まで、体のいたる所に湿疹が発生します。
重度になると全身が赤くただれてしまい、かなり辛い状態になってしまいます。
顔面全体が赤く腫れ上がるというケースも少なくありません。

この他にも、耳たぶのあたりが裂ける症状、すなわち耳切れというものもかなり多く見受けられます。
耳たぶと耳本体が離れるような感じです。
ちぎれるという事はありませんが、頻繁に裂けるので、ここから細菌が入って熱を出すなどの症状がよく発生します。

アトピー性皮膚炎の環境要因

元々は遺伝する病気として認知されていたアトピー性皮膚炎ですが、それだけでは成り立たないという研究結果の下、別の要因に関しても検討されるようになりました。

その中で最も有力なのが、環境要因です。
アレルギーという性質がある以上、環境要因は当然考慮されるべき面であり、実際研究結果によってそれは肯定されています。
その為、治療に関してもその点がかなり重要視されています。

環境、と一言で言っても、その要因と推測されているものは様々です。
アレルギーは、人が身体の中に持っている抗体に過剰に反応する抗原「アレルゲン」が原因で、このアレルゲンとなるものが生活環境の中に関わっているというのが主な考え方ですが、そのアレルゲンが複数存在しているという事です。

例えば、食事の中に含まれている物質がアレルゲンとなっている可能性が指摘されており、特に乳児期に関してその要因が疑われています。
また、ハウスダストやダニといったものがアレルゲンとなっている可能性も高いと言われています。
これらはアトピーに限らず、おおよそのアレルギーに関与している原因である為、当然アトピーもその中に入ってしかるべきという事です。

この他にも、皮膚に付着している細菌が原因の一つとして挙げられています。
人間の身体には、いたる所に多数の細菌が常在しています。
それが病変部位に侵入し、何らかの反応を示し、感染症を発生させるという説です。

また、近年で最も注目されているが、ストレスとの関連性です。

実際、生活の中でストレスを感じている成人がアトピーに苦しんでいるという例は見受けられます。
この他にも、虐待、あるいは生活環境が困窮している場合に、アトピーになるというケースも少なくありません。

よって、ストレスを緩和するという治療方法もよく見られます。

アトピー性皮膚炎の遺伝的要因

現時点において、アトピー性皮膚炎発症の原因は不明とされています。
つまり、
何が要因となっているのかがはっきり分かっていないという事です。
よって、完全な治療方法も確立はされていないのが現状です。
ただ、全く何も判明していないというわけではありません。
アレルギーが大きな要素となっている事は間違いないと言われています。
即時性のアレルギーと遅延性のアレルギーが両方とも影響を及ぼしているというのが、近年のスタンダードな解釈のようです。

アトピー性皮膚炎の主な要因と考えられているのは、遺伝的な要因と環境要因です。

遺伝的な要因に関してはかなり昔から指摘されており、一時は完全な遺伝病として扱われていました。
今では、それだけではないという考えが定着していますが、遺伝が要因の一つであるという説は揺るぎがありません。

遺伝が要因という事は、つまり両親の体質をそのまま子供が受け継ぐという事です。
両親が幼少期にアトピー性皮膚炎で悩んでいた場合、子供にもその症状が現れる可能性がかなり高くなります。
よって、子供が生まれた際にはあらかじめ自分や配偶者がアトピーで悩んでいたかどうかを確認しておくと、その後の治療をスムーズに行う事ができるでしょう。

この遺伝という要因は、1990年代に確立したバリア機能の欠陥という研究結果から、完全に肯定されました。
セラミドの形成に関連するたんぱく質の欠陥が要因とされており、それが遺伝による要因と繋がっているようです。

その他に環境による要因も複雑な感じがしますね。

                                       <つづく>