瞼を開ける筋肉は「眼瞼挙筋」と「ミューラー筋」の2つがあります。
今回は「眼瞼挙筋」の話です。
マニアックかつ理屈ばっかりのblogを日々書いていたら、どんどんアクセス数が減っていきます涙
ですが、懲りずに同じスタンスで続けていきます笑
「眼瞼挙筋」は随意筋といって、意識下で動かせる筋肉です。
くわしくはこちら↓
「ミューラー筋」は止血剤(血管収縮剤)のエピネフリンの作用で収縮するという話でした↓
「眼瞼挙筋」は随意筋でありエピネフリンの効果は出にくいです。
逆に、局所麻酔の影響が出ます。
局所麻酔=麻痺させる→筋肉の動きを麻痺させる⇨「眼瞼挙筋」が動かない⇨瞼が開かない
・・・です。
症例提示しましょう。
20代の女性です。
二重切開&目頭切開を行いました。
上から
術前・直後・1週間・3ヶ月
術直後は左瞼が開いていません。
術前はむしろ右目の方が開いていなかったのに、「眼瞼挙筋」に局所麻酔が浸透して開きが悪くなったと予想されます。
1週間後の抜糸の際には開きは戻っていますね。
細かく解説するとこうです↓
左目の開きが悪い
⇨
代償で眉毛が上がる
⇨
二重幅が広くなる
この事象は「二重切開」「眼瞼下垂」手術を行う医師であれば誰もが経験する悩ませる事象です汗
実際、私も手術中に悩みました。
挙筋前転(瞼の開きをよくする眼瞼下垂処置)をするべきか、様子を見るべきか・・・
ほとんどの患者様は局所麻酔でこうなる事はないのですが、一定の患者様で手術中に開きが悪くなる方がいらっしゃいます。
両目ならともかく、片目がこうなると困りものです。
局所麻酔が「眼瞼挙筋」に浸透しないように
①局所麻酔の量と濃度はほどほどにする
②局所麻酔を追加する際は、眼瞼挙筋と離れた部位に行う
などの対策を行っていますが、どうしても起こるときは起こってしまいます。
この辺りの改良は今後必要です。
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