早く行きたい僕らと、なかなか行かせてくれない寸止め焦らしコーチのディフェンス育成論 | こりーさんのブログ

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長男と共に37歳でサッカーを始めた父が、サッカー、子育て、ユーチューブや他競技から学んだこと、感じたことをなどをブログに綴っています。
「気づき」や「感じたこと」を伝えていきたいと思っております。

40代中盤のおじさんの与太話ですが、織田裕二主演「卒業旅行日本から来ました」の一発太郎をおぼえていますか?

今回のテーマは一発で行く!です。

 

 

 先日の休みに、いつもはスマホにてサッカーを考える上で参考にさせていただいている千の顔を持つ英雄さん紹介の動画を、PCの大画面で見た。

 

 そこではカンナバロの動画が紹介されていた。インターセプトが得意という印象の強いカンナバロだが(背の低いセンターバックというせいもあるかもしれないが)ボールの放物線や相手との距離をしっかりと測ったうえで、一気に前に飛び込んでいる。

 

特質すべきはベストプレー集でありながら、

1:54、

2:30、(1stディフェンダーとしての飛び込みではあるが…) 

3:26、

と、3度も飛び出しの際にがっつり抜かれている。

少年団だったら「一発行くな!」コーチから怒られて、運が悪ければベンチに下げられてしまう様なプレーだ。

しかし、飛び出して抜かれるところに守備の真骨頂があるのかもしれないと自身は感じる。

 

 

主題の話に「なるほど」と思うと共に、カンナバロが距離を的確に測ったうえで、一気に前に出るディフェンスをしているということが印象に残った。

 

リスクを持ってでもボールにチャレンジし、一人でボール奪取を行うことができる選手こそが怖いディフェンダーだという印象を受けた。

 

現在リバプールで活躍中の遠藤選手も同様に、僕みたいな選手だったらとの前置きの上で、「飛び込む飛び込まないだったら飛び込め!」とはっきりと言っている。

 

 

 一方で、自身の小五の息子が参加しているチームのコーチは、「ディフェンスは一発で行くな!」との指導が多く、仕掛けないでディレイ(ラインを後退させることで相手の突破を阻み仲間が戻るのを待つ守備)を狙う指導が多い。

そのため自身の判断で飛び出して簡単に抜かれてしまった選手は、試合の振り返りの際には戦犯のような扱いをされることもある。

 

 しかし、短期的な勝敗ではなく育成を第一に考えると、飛び出しによる失敗と成功の経験を重ねることがあってこそ、「どれくらいの距離感とスピードであれば、相手より先にボールに触れるのか」を感覚的に身に着けることができる。

 ディフェンスとしてディレイの選択しかしないと、筋力・キック力が強い、高レベルの成人の試合では、突破されなくてもラインを下げたうえでシュートを打たれてしまう。

 

そのため、特に育成年代においては守備ではチャレンジをさせていく機会を積極的に与え、成功と失敗の経験を多く積ませることが、将来的に良い選手になるために必要だと考えている。

 

私はラインを後退させてディレイすること自体は悪い戦術だとは思っていない。しかし、DFはラインを下げながらも、いつかはボールにチャレンジしなければならない。相手はどんどんゴールに迫りシュートが決まる可能性はより高まっていくのだ。

そのため、仲間の戻りが間に合わない場合にはどこかで自分からボールにチャレンジしていく必要が出てくるので、一人のDFとしてボール奪取能力が高いことが守備をするうえでとても大切であると思っている。

 

「失敗してもいいからチャレンジしよう」というと無責任であるという人もいるが、安易にディレイするプレーのみを選択肢として与えるのではなく、選手が可能性があると思ったら飛び込んでボールにチャレンジできるチームの雰囲気を作ることはとても大切なことだ。

 

 体験的にトライ&エラーを経験し、なぜ失敗したのか、成功するためにはどうしたらよいのかを振り返り成功のイメージを選手が自身で想像することが少年サッカーの育成の舞台では大切なことだ。

 そのため、トライだけでなくエラーについても温かく見守っていける育成環境が広がると、将来強力なDFが育ってくるのではないかと思った。