蟹座02度 「広く平らな場所の上につるされた男」 | 今季洋のサビアン占星術。

今季洋のサビアン占星術。

アトリエえんどうまめという屋号で、西洋占星術とタロットを使った占いリーディングと講座、ぬり絵ワークの作成と電子図書の出版をしています。

今週の土曜日06/22に、満月になります。

今年2024年は、太陽蟹座-月山羊座での満月が二回あって、これはその一回目の満月となります。

 

満月の太陽度数の蟹座02度 「広く平らな場所の上につるされた男」の、サビアンシンボル解説と、アストロロジカル・マンダラぬり絵はこちらです。

 

 

マーク・エドモンド・ジョーンズの蟹座02度のサビアンシンボルは、A man suspended over a vast level place. 「広く平らな場所の上につるされた人」。

 

 

 

ディーン・ルディアは、この蟹座02度のサビアンシンボルを、A man on a magic carpet hovers over a large area of land.「魔法の絨毯(じゅうたん)に乗った人が、大地の巨大な区画を飛びまわる」と言い換えました。

 

この二つのサビアンシンボルを比べたときに、ルディアは、もともとのジョーンズのサビアンシンボルを、大幅に書き変えている印象を持ってしまうと思います。ジョーンズのほうでは、吊るされて身動きできない人が描かれているのに対して、ルディアのほうでは、魔法のじゅうたんに乗って飛びまわっている人が描かれているわけですから。

 

この、いっけん正反対のことが描かれている、この二つのサビアンシンボルに共通することは何であるのがを理解するために、まずは、一つ前の度数である、蟹座01度のサビアンシンボルを振り返ってみましょう。

 

蟹座01度のルディアのサビアンシンボルは、「船で船乗りが古い旗を降ろし、新しい旗を掲げる」となっています。この場合の「古い旗」とは、この蟹座の一つ前のサインである双子座のことを指し、「新しい旗」とは、この01度のサインである蟹座のことを指している、と考えることができます。

 

双子座は、風のエレメントに属する、水星をルーラー(支配星)とするサインですので、すべてを知ることによって把握しようとする性質を持ちます。しかし、次に来る蟹座は、水のエレメントに属し、月をそのルーラー(支配星)とするサインですので、ここではすべてを感じることによって把握しようとする性質を持つことになるのです。

 

すべてのサインで01度は、そのサインの性質をピュアに歌い上げていますので、蟹座01度「船で船乗りが古い旗を降ろし、新しい旗を掲げる」においては、ある意味、知性の世界は終わり、共感の世界が始まったことを、高らかに歌い上げていることになります。

 

そして、02度とは、01度がバァン!と打ち立てたことに対する、反動(リアクション)が描かれているわけなのですが、この蟹座02度の場合は、ジョーンズにおいては、吊るされて手も足も出ない人が、そしてルディアにおいては、魔法のじゅうたんに乗って飛びまわっている人が、描かれていることになるわけです。

 

つまり、この、蟹座02度のサビアンシンボル描かれている姿とは、蟹座という、それまでの双子座とは全く異質な新しい世界に触れた時の、ひとつは受動的に印象を引き入れようとしているようす(ジョーンズのサビアンシンボル)、もう一つは能動的に見て回っているようす(ルディアのサビアンシンボル)ということがわかります。

 

この蟹座02度のドデカテモリーは、サインと同じ蟹座になります。ですので、ここでは蟹座が持っている性質が、とてもピュアな形で表れていることになります。

 

蟹座が象徴していることの一つに、無意識ということがあります。意識と無意識の関係性は、よく波と海に例えられて説明されています。海の表面には、盛り上がった波が立つわけですが、こちらが、私たちが普段目が覚めているときに認識している、意識の世界に対応されます。それに対して、無意識の世界というのは、海のほうになります。

 

「私は」という自意識は、波のほうにあります。しかし、たとえば夜眠っている時など、波であることの突っ張りが弱まったときには、自意識の自分は広大な海に溶け込むことになるわけです。自意識が全てだと考えていた人が、実はそうでは無かったのだということを知ったときは、とてもビツクリして、どうして良いかわからなくなると思います。

 

一つの波である自意識からしたら、海である無意識の広大さに手も足も出ない感覚を持つと思いますが、その状態が描かれているのが、この蟹座02度のジョーンズのサビアンシンボルということになります。

 

しかしながら、蟹座というサインが活動宮であることを考えると、吊られて身動きできない状態というのはあまりふさわしくないため、ルディアは、魔法のじゅうたんに乗って、この広大な無意識の世界を飛び回っているようすに書き変えたと、考えられます。

 

これらのことから、このサビアンシンボルを活用して行くには、無意識の世界に共感を持って、それを感じ取って行くと良いということがわかります。

 

蟹座のルーラー(支配星)は月であるわけですが、これは、感じ取り吸収する天体となっています。そこから、ここでは頭であれこれ考えずに、無意識の世界を感じることで受容して、自分のものとして行くことが大切なこととなります。

 

この無意識も含めた蟹座の世界は、あらゆるものたちが共に生きていることを支え合っている、命あふれる世界でもあるのです。

 

大人になった私たちは、この全てがつながった世界を忘れてしまっていますが、そのことを思い出す一つのきっかけとなるのは、小さな子どもたちが生きている、満たされて区分けされていない世界に再び触れること、ということができるでしょう。

 

 

 

 

 

 

★ キンドルから発売されているペーパーバックのオンデマンド印刷本、『タロット・アートセラピー』はどうぞ《​こちら​》をご覧ください。本に直接ぬり絵をすることができます。



kindle版の『タロットアートセラピー』は 《こちら》こちらです。タロットの大アルカナ22枚、それぞれのカードからどのようなエネルギーのサポートが得られるのかが、初めてタロットに触れる人にもわかりやすいように書いてあります。


☆ アトリエえんどうまめのHPは、《こちら》です。




​​​​♪ 今季洋のその他の電子図書​​​



Amazon(アマゾン)
色彩サビアン占星術12星座
360個のサビアンシンボルの解説文と、そのサビアンシンボルをひとつの色彩に置きかえたぬり絵で構成されています。

   




​​Amazon(アマゾン)
占い師になりたいかもしれない人たちへ
「占い師になりたいか・なりたくないか、自分でもまだ良くわからない人」向けの12個のワークが書かれています。



   

Amazon(アマゾン)
​​六角ボックス西湖講座記録
2007年に開催されたアートワーク講座の講座記録です。講師は松村潔先生で、六角形の原理や色彩についても触れられています。