この本は、占星術で使われているサビアンシンボルの入門書です。
「西洋占星術に興味や関心があってサビアンシンボルというものがあることを知っています」という人は、その中の2番目のサインである牡牛座のサビアンシンボルについて理解するためにこの本を使うことができます。
そうではなくて「わたしは自分が牡牛座ということを知っています」という人が、もしこの本にピンときてこの本を使うとしたら、たとえばこんな使い方ができます。
まず最初に、牡牛座の中には01番~30番までの30個の扉があるとイメージします。そしてその次に、ひとつひとつの扉を開いてみる感覚でこの本を読んだり見たりします。ひとつひとつの部屋には、その部屋をあらわす言葉と色彩が書かれています。
牡牛座の人が、牡牛座ワールドにある30個の部屋を見て知ることは、自分を知るきっかけにもなって、それは内面に豊かさをもたらしてくれると思います。
なかには、すぐにピンとくるものや好きなものもあるかと思いますが、もちろんそうでないものもあると思います。おそらく、ピンとこないものや嫌いなものもあるのではないでしょうか。
でも時間をかけて繰り返し30個の部屋に繰り返し接してゆくうちに、だんだんと見え方が変わって行くことに、きっと気が付くことでしょう。最初は嫌いだったものがだんだん好きになったり、謎だった部分が理解できて腑に落ちたり。
ひとつひとつの部屋のでこぼこが無くなって、こなれて行くのですが、これはすべてあなたご自身の内面の変化と成熟とに関わりがあります。ですので、そうなるとあなた自身やあなたを取り囲む世界との関係も、でこぼこが取れてこなれて行きます。
つまりサビアンシンボルは、私を育ててくれる「ゆりかご」みたいなものなのです。
サビアンシンボルには、不思議な魅力があります。わたしは長い間、これらの言葉が持つ「きらめき」や「味わい深さ」に魅せられてきました。
サビアンシンボルとは何か?といいますと、牡羊座・牡牛座といった12のサインは、それぞれ30の度数からできています。つまり、最初の牡羊座から最後の魚座までで、全部で360個の度数があります。このひとつひとつの度数に付けられた詩文のような文章が、サビアンシンボルです。1925年のアメリカで、占星学者のマーク・エドモンド・ジョーンズと、透視能力者のエルシー・ウィーラーによって、誕生しました。
サビアンシンボルは、その後、ディーン・ルディアという占星術研究家によって、その言葉の一部を書きかえられた経緯があり、こちらのルディア版も有名ですが、この本ではおおもとのジョーンズ版を使っています。
この本の、サビアンシンボルについての文章部分は、「メッセージ形式の文章」と、「解説文」で成り立っています。
「メッセージ形式の文章」部分は、一般的に言われている内容をまとめて書いたところがほとんどですが、なかには私の中から次第に浮かんできた独自の解釈で書いているところもあります。
「解説文」のほうは、おもに数冊の関係書籍から引用文を使うことで表記し、その文末には( )でアルファベットの記号を記し出典を明記しています。使わせていただいた書籍は、この本の最後のところの出典図書に表記してあります。
そして、そのそれぞれのサビアンシンボルを、基本的に単色の色彩で表現した絵が描かれています。画材はおもにクレヨンと色鉛筆を使用しました。手描きの絵画なので描画の時の波動が織り込まれています。
そしてそこには、その色彩が持つエネルギーの性質や効用の解説がそえてありますので、この本は読んだり見たりして、色彩セラピーとしてお使いいただくこともできます。
なによりも、サビアンシンボルを色彩変換してみることのメリットは、その度数ととても仲良しになれることにあります。360度のトータルな旅が、豊かな彩りに満ちたものになります。このことは、人生の楽しさや豊かさも育ててくれることでしょう。
サビアンシンボルの色彩変換は、とても楽しいワークです。みなさまにも、おすすめです。