雨はどこから生まれるの?
地球が泣いているんだと考えたら
悲観主義者だと思われそうなので
地球の汗だと捉えるようにしたら
おかしな人ねと子供達は云う
風はどこから生まれるの?
地球が回りすぎているからと考えたら
楽観主義者だと思われそうなので
地球の大きなため息だと捉えるようにしたら
変わった人ねと子供達は云う
昼は月が眠っていて
夜は太陽が眠っている
月と太陽がかくれんぼに飽きるまで
子供達の質問が続いてほしいと願うのは
私の中の楽観と悲観のかくれんぼでもある
雨はどこから生まれるの?
地球が泣いているんだと考えたら
悲観主義者だと思われそうなので
地球の汗だと捉えるようにしたら
おかしな人ねと子供達は云う
風はどこから生まれるの?
地球が回りすぎているからと考えたら
楽観主義者だと思われそうなので
地球の大きなため息だと捉えるようにしたら
変わった人ねと子供達は云う
昼は月が眠っていて
夜は太陽が眠っている
月と太陽がかくれんぼに飽きるまで
子供達の質問が続いてほしいと願うのは
私の中の楽観と悲観のかくれんぼでもある
涙はどこから湧き出すのだろう
医学的に云えば涙腺
物理的に云えば琴線
相手の言葉に刺激され産まれるもの
生きたい人が五万といるから
死にたい人も少なからずいる
その全てが特殊な感情
相手の言葉に刺激され産まれるもの
人生はまるで地球に張り巡らされた
あみだくじの上を歩くような事象
後戻りはきっと出来ないけど
行く先々で知る心の形
その全てが絶対に特殊な感情
旅行に行きたいと言ったらば
近くの景色を見なさいと彼は云う
外食したいと言ったらば
家で料理をしようと彼は云う
とりあえずそうしてみるのだが
具のないカレーのようで何か足りない
車でスーパーに行こうと言ったらば
歩いて行きたいと彼は云う
ソファーが欲しいと言ったらば
座布団で良いんだと彼は云う
とりあえずそうしてみるのだが
貧乏でもないのにどこかぎこちない
ぼんやり窓を眺めていると
雲ひとつない青空が浮かんでいた
なんて美しいんだろうと言ったらば
明日は遠くに行こうと彼は告げた
満点な星空
忘れかけていた笑顔
淀みのない月
消えかけた街の灯
明日の事を考えない時間
憐憫な感情に支配される空間
自分自身を褒め讃える言葉
一生残りそうな後悔の念
未だ見た事のない一筋の光
二度と明ける事のない深い闇
聴いてみたくなる遠い声
遮断していたい君の声
暗闇に求めるものの答えの数は
同じ空の下で暮らす人々の悩みの数
耳を澄ませば心のシーソーの音が
時計と仲良く奏でられている
行きつけの店は主が故郷へ帰る頃
都会を夢見た若者が同じ場所で店を構える
狭いアパートは住民票の為だけに在るようで
写真に残さない限り地図からも消えそうだ
空へと続きそうなオフィス街は
高速エレベーターまでもが忙しなく働き
流行の名のもとに生まれる文化は
言葉遣いや服装までも変えてゆく
エネルギー源は郊外で作られるから
時にはそれを見たくて田舎に足を運んでみるが
変わらない景色に漠然とした不安を抱え戻る
行き来する度に都会は更新され
人々は歳を取りやがて故郷へと帰る
シャボン玉の割れる音を聴いた事がない
秋が終わる音を聴いた事がない
シャボン玉が割れる瞬間は見た事がある
草木が枯れて冬になる瞬間は見た事がある
全部夜の間に魔法がかけられて
音もなく形を変えて行くから
闇の真ん中でシャボン玉を創ってみたら
誰にも気付かれず雪が積もっていた
「氷をくれ」とせがんだ客は
もう何十杯目のグラスを揺らし
句読点のない会話をしては
氷を入れてもすぐ水になってしまうのだった
店の氷が底をついたとき
「ぬるい酒なんか飲めるか」と云うから
冬じゃあるまいし外に氷なんかないので
「氷だって作るのに時間がかかる」と伝えたら
飽きた愛の言葉のように冷めてしまうのだった
その客に何があったのかは知らないが
思い通りに行かない事の方が多いのだろう
薄まらないお酒に呑まれた言葉は
濁音だらけになってしまうのだった
グラスからすれば点がとれて
氷が水になっただけ
明日になれば点がとれた
日常の言葉を喋っているのでしょうから
今夜あなたが天まで昇ってこれまでが
水の泡にならない事を切に願うばかりでした
ぼんやりとした不安が続いて
減量を諦めた定食を喰らう
時を味わうような秒針は
長針と短針を急かしている
秋桜は冬の匂いに誘われ
土に還る仕度を始める
雲間から滲み出した雨に
冷えた地面はすすり泣いている
君にさよならを告げられそうだ
猫が泳ぎながら私を見ている
招かれて来たお友達の家の
台所にてお皿を割った
ただ泣いていたら優しい子
人のせいにしたら醜い子
世知辛い世の中だから
謝って許されるとは限らないけど
素直に認める事が出来るのなら
幾つになっても可愛い子
都会では素顔を隠して
よそ行き用の言葉を放つ
ただ泣いていたら惨めな子
人のせいにしたら賢い子
謝って揶揄されるとも限らないけど
素直に認める事が出来たのなら
幾つになっても可愛い子
天気予報を嘲笑う雷雲が
背広を余計にくたびれさせる
用意周到な同僚はいつも
折り畳み傘を持ち歩いているため
得意気に広げ颯爽と家路につく
一つの傘を分け合う恋人たちは
六等星の如く光り輝いていた
きっと歩道には色とりどりの傘の花が咲いていて
捉え方次第では都会にもお花畑があると知った
満員電車の電車に駆け込むと
誰かの濡れた傘が私の足を吸い尽くしている
傘がない心がつい感傷に浸ってしまう
やっと着いた駅の改札口には家族が
傘を持って待っていてくれた
敢えて一つの傘に皆で入って帰る
その傘の花は確実に円に近づいていた