あいうえおで世界は変わると思ったら

外は晴れた

言葉はいろんな意味を持つと知った

 

君の笑い声や泣き声を忘れたら

外は晴れた

孤独はどんな関係にもあると知った

 

一日中寂しくて眠れなかったら

外は晴れた

毎日は何が起こるかわからないと知った

 

髪を切ったのは雨の日だったから

外は寒く感じただけだったのかな

笑顔を見失ったのは風の強い日だったから

君の顔がよく見えなかっただけなのかな

 

とりあえず外は晴れた

部屋中に足音が響き渡る

 

 

 

 

 

寒さのせいで君の手を握りしめる

街灯がまるで蝋燭みたいに揺れる

瞳の奥が酷く凍えているからなんだ

 

ポケットの中繋いだ手から愛が生まれる

新芽のような物だから嫌いだ 春の寒さは

冬とは違って涙は凍らないから

粘り強い夕陽が二人の別れを邪魔する

 

どこかへ遠く生きそうな気持ちになる

「またね」と告げる時間が遅くなっちゃうのは

春のいたずらに過ぎないのかもしれない

 

 

 

 

 

月と握手するためには

月に辿り着く必要がある

宇宙飛行士になりたいな

そのために勉強しなくては!

学校で学ぶことは何か

教科書を広げて考えてみる

友達がふと語りかける

遊びのキャッチボールを覚えよう

顔にボールがぶつかって

少し赤く皮膚が染まる

「ごめんね」と誰かが呟く

「大丈夫」と僕は答える

その矢先に投げたボールが

走っていた子にぶつかる

怒って叩かれた顔に

訳もなく涙がこぼれる

 

帰り道 

空を見上げると

一番星が煌めいている

その隣に月が笑っている

月と握手するためには

地球をよく知る必要がある

 

 

 

 

 

 

 

雨が二人の間を線付けるように降り出して

小さな傘の中でも妙な距離を感じ始めた

涙を拭う手は君を救えるだけのぬくもりがなくて

無理して笑う事で悲しみを優しさでごまかそうとした

 

君のために生きた時代が歴史の中に飾られる

もう戻れない古い写真のように色褪せるのを待つ

 

駅で列車が来る時間が今日は長くて

そんな日に限って夜はとても寒かった

空気と戯れる君の手を見て見ぬふりをして

到着5分前に別れの言葉を切り出した

 

君のために生きた時代が歴史の中に飾られる

もう戻らない懐かしい場所に君が消えるのを待つ

 

 

 

 

 

 

 

好きになれそうな気がして

夢中で追った女神の肖像

雪の花舞う寒い日の

街が化粧した頃の事

 

話をすれば幾億の

記憶と予感が胸を打つ

君宛ての鼓動を贈りたい

熱い定型文とにらめっこ

 

朝になって

淋しさの種類の識別をすると

幾つになっても

愚かさの種類は増えない

 

好きになれそうな気がして

夢中で追った女神の肖像

雪が溶けた春の日の

芽吹きのように繰り返す

 

 

 

 

 

 

 

思い出ばかり溢れる海を眺めると

行き場を失くした船が漂っている

水平線に夕日が沈んでゆく

湧き出た涙が河口へと辿り着く

 

空はいつになく高く晴れて

誰かの願いが叶う星が遊んでいる

虫たちの子守歌から季節を知り

過ぎ去った日々の尊さを想う

 

忘れた事の方が多いはずなのに

悲しみは雨のようにいつかは降ってくる

受け入れるための疲れと引き換えに

笑顔を失くしてしまうとするのなら

 

海は何を考え波を生むのだろう

空は何を考え明日を迎えるのだろう

人は地に足をつけているのに

浮遊する夢を追うのは何故だろう

 

 

 

 

 

 

 

君が大笑いをした

世界中の悩みを抱えてそうな瞳で

心の鍵が勝手に回って

誰かが暗闇を根こそぎ盗んだ

夢を盗まれた事は幾度となくあったけど

久しぶり!青空

憎いほど清々しい

 

 

因果応報に追われ

目先の概念に物言いたげな気分で

愛を抱きしめた時だけ

誰もが暗闇を忘れる事が出来る

裏切りの数だけぶつかり合ったけど

久しぶり!青空

痛いほど清々しい

 

 

まるで

青空とかくれんぼしているみたいに

生きる

 

 

 

 

 

 

 

月影滲んだ夜空に

終着のない列車が流れる

思わず両手を広げて

未来だけ抱きしめてみた

 

思い出は意気揚々に

付加価値をつけて旅立ってゆく

何かを始めようよ

心の奥で崩壊の音色響いた

 

いつから記憶が類似したのだろう

空白の日記を振り返るように

言葉に色を塗りたぐろう

自画像をあえて滑稽に描こう

 

終着のない列車に

流星と名前をつけてみる

思わず大声をあげて

未来に告白してみせた

 

 

 

 

 

 

 

電話が鳴る

きっと誰かが私に用がある

ボタンを押すと声が聴こえる

電話の出方が変わっても

喜びの気持ちは変わらない

 

扉が開く

匙を投げそうな難題が常にある

過去を振り返ると涙が出る

時代の見方が変わっても

悲しみの気持ちは変わらない

 

世界は動く

明日の方向さえ見失っている

それでも昇る太陽はいつも在る

言葉の意味が変わっても

生きゆく気持ちは変わらない

 

 

 

 

 

 

 

本の目次に想いを並べては

悲しみは見えない言葉の向こう側

差し伸べられた手を拒まざるを得ない

涙は見せない 泉のその先へ

 

小説を結末だけ読むように

心を痛めた理由を知らないまま

未来に平伏しては ただ歩きはじめる

人は誰でも孤独に耐えるのに

 

本の帯に決め台詞を載せては

悲しみは見えない言葉の向こう側

繋ごうとした手を離さざるを得ない

涙は見せない 泉のその先へ