(株)小森印刷機械製作所の印刷機械納入時にメンテナンス用として同梱されていた大阪鍛工製のスパナを見つけました。
自動車で言えば車載スパナです。
コモリの社名に引っかけて、ロゴはコウモリ印。
70年前のスパナで、かつ世に出回るものでは無いながら、JIS取得第1号の今は無き大阪鍛工製だし、コウモリ印のロゴが気に入ったので、特別に取り上げました。
ちなみに、小森印刷機械(現・小森コーポレーション)は、紙幣印刷では国内唯一のメーカーとのことで、今年は創業100周年になります。
(『大阪鍛工のすべて』にも簡易版にして掲載します)
・大阪鍛工製のJIS認証付きで、(株)小森印刷機械製作所に納入されたOEMスパナです。
・裏面の製造者記号
より大阪鍛工製と分かります。
・また、表面のコウモリ印ロゴと、裏面の"KOMORI"より小森印刷機械向けと分かります。
・裏面にウィットワース・サイズが併記されています。(w5/8、w3/4)
・そのウィットワース・サイズは、スパナのJIS-B4630規格開始時(1952年)に規定されたものの、1957年の改定時には規定が無くなっています。
・したがい、本品は1952年~1957年の製品と推測できます。
・小森印刷機械(現・小森コーポレーション)に確認したところ、『印刷機械納入時にメンテナンス用として工具を同梱していて、工具同梱は昔からの実施で、現在は一般的な市販工具を採用している』とのこと。
・さらに、『コウモリ印のロゴを使用していたのはかなり昔のことで、コウモリ印付きの専用スパナを同梱していたかは記録が無いので分からない』とのことでした。
(コウモリ印ロゴ付きのKOMORIスパナが見つかりましたので、実際には専用スパナがあったことになります)
・表面中央のコウモリ印ロゴは、小森印刷機械が商標登録しています。
・専用スパナを工業機械に同梱していた他の例として豊田自動織機(KTC製スパナ)が確認できています。⇒ 詳細は、当ブログ内のこちら。
・大阪鍛工の表示が無く、またJISマークも無く、ロゴと"KOMORI"だけのスパナも見つかっています。
・スパナ形状が上のJISマーク付きと全く同一なことから、これも大阪鍛工製と推測しています。
・大阪鍛工製であった場合、初期の大阪鍛工でJISマーク無しはこれまで見つかっていないことから、これまで確認できていなかったJIS認証以前の大阪鍛工スパナなのかもしれません。
(推測 ⇒ 最初はノーブランドで納入していたが、1952年にJISを取得したので、それ以降はJISマーク付きに変更し、JISマーク付きなので自動的に製造者記号が表示された)
★基になっている大阪鍛工スパナ

★商標登録
・商標としての登録は1983年(出願1979年)ですが、スパナや広告に描かれているロゴと若干異なります。(コウモリの翼がギヤーマークから飛び出していて、頭の出っ張りが3つでは無く2つ)
★コウモリ印ロゴの使用期間
戦前1932年の広告にコウモリ印が登場しています。
また、1974年1月の広告にはコウモリ印が表示されていますが、同年7月の広告からはコウモリ印ロゴは登場しなくなります。
したがい、コウモリ印は、少なくと1932年には使用が開始され、1974年に使用が終了したようです。
なお、商標出願は、ロゴ使用終了後の1978年になってからです。
★コウモリ印ロゴのバラエティー
広告が変わる毎に微妙にコウモリの形が変わっています。
スパナ刻印のロゴも、どれに似ていると言いがたいところです。
個人的には一番最初の戦前1932年版がバットマンみたいで好みです。
スパナ刻印
★広告
↑1932年『印刷美術大鑑』
・戦前広告
↑1953年『日本印刷年鑑』より
・大阪鍛工製スパナを同梱していたと推測される時期(1953年)の広告。
↑1968年『月刊印刷時報(287);1968 4』
↑1970年『日本印刷年鑑』
・フルカラーカタログ
↑1974年1月『月刊印刷時報(336);1974 1』
・最後のコウモリ印広告。
↑1974年7月『月刊印刷時報(362);1974 7』
・コウモリ印が無い最初の広告
★会社情報
・1923年/大正12年…『小森機械製作所』創業
・1946年/昭和21年…『(株)小森印刷機械製作所』設立
・1976年/昭和51年…『小森印刷機械(株)』に商号変更
・1990年/平成2年…『(株)小森コーポレーション』に商号変更
↑1961年『兵庫県の印刷紙』より
↑1962年『日本機械工業年鑑』
・使用されているロゴは、1968年広告と同じのようです。
現在の小森印刷機械HP ⇒ こちら(会社沿革ページにリンク)
【参考】
会社紹介記事(1958年『月刊印刷時報6月号』より)
※アフターサービスに触れているので、ひょっとしたら整備用工具が登場するかと期待しましたが、残念ながら登場せず。
この回、終わり





















