東宝のオリジナルビデオ作品。第二次世界大戦末期、都内の地下深く、帝国陸軍の地下軍事工場がひそかに建設された。そして、そこには、日本の劣勢の戦局打開の為に、若者三人が人体改造を受け、「ミカドロイド」という改造人間となり、本土決戦の為に備えていた。が、完全なミカドロイドは一人だけで、あとの二人は、まだ不完全でいた。完成したミカドロイドは「ジンラ号」と命名され、地下基地で出撃を待っていた。が、完全なミカドロイドは戦争末期に完成した一体だけで、あとの二人は、終戦の為、完全体でいることなく、老いることも死ぬこともなく、戦後を生きる事となる。そして、地下基地とミカドロイド一体も、地下深く眠りにつく事に。ある日、完成していたミカドロイドが突如、目覚める。それは、人の心を失った殺人マシーンとして。
いまだ死ぬことも出来ない不完全な改造手術の二人は、ミカドロイドの覚醒に感応する。
目覚めたミカドロイドは、まず地下街を歩いていた若者を、日本刀で血祭りにあげる。地下街の裏で、工事をしていた男と、偶然、居合わせた女は、ミカドロイドに追われる事となる。ミカドロイドの目的は、殲滅あるのみ。やがて、ミカドロイドは、二人を執拗に追い詰めて行く。
が、ミカドロイドとして不完全なる人間が、ミカドロイドを止めるために、立ちはだかる。彼等の中では、戦争はまだ終わってはいない。事態を飲み込めていない二人に逃げるように促す。そして、不完全兵器である彼等の一人は、背中から蜘蛛のような触手を生やし、ジンラ号の動きを止めるため、ふところに飛び込む。彼は、敵飛行機に背中の触手で、機体をつかみ、自爆する役割を持った改造人間だったのだ。
やがて、ジンラ号の頭部の一部が割れ、素顔が覗く。中から生気のない顔が。それは、かつて、戦友だった男の顔。過去を懐かしい想い出と、そして、忌まわしい戦後を終わらせる為、不完全なる男は、ジンラ号や地下基地とともに自爆するのであった。そこには、幻の兵器、陸上戦艦の姿も。
うまく地上に逃げ出せた男女二人は、早朝の東京を力なくさまよい歩きつづける。
この話は、一晩かぎりの話であり、現代人の二人には、悪夢のような体験であり、過去からの負の遺産に、翻弄される。