バイクには2ストと4ストがあり、エンジン構造の違いはご存知。しかし、中には、自分が何に乗っているかすら理解していない人もいるから困ったものだ。
後輩が、オフロード125を買ったので車種名を聞いたら、「名前は知らないけとホンダだよ」と。だから、2ストか4ストかも聞いたのだが、「わからない」という。わからない?「えっ?どういうことよ!走る時に困るだろ?」オイルはどうすんだ?呆れ果てて聞くのをやめた。
「エンジンブレーキ下さい」
こんな事をいう奴が、日常、バイクを使う仕事をしている上に、ドイツ製大型バイクに、乗っているのだから、いやにもなる。
こいつ、バイクが好きで乗ってるんじゃない。乗ってる自分がカッコイイと思ってるから、乗ってるんだと思ったね。
こいつはY派らしく、DT50だの、セロー225だのFZR250アメリカーナだのを買った。買うのは勝手なんだが、それに付き合わされる人間は迷惑至極である。急用があったのでコイツからDTを借りたのだがスピードが出ない。決して制限速度だのとかではなく、この持ち主様は、この2ストDTを30キロ以下で走らせている。いや、回転数を上げないで走っているから、マフラー内にカーボンやら未燃焼のオイルやらが溜まり、吹き上がりがこの上なく悪いのだ。だから周囲のスピードに会わせられなくて、怖い思いをした。貸してくれと言った時に、嫌なそぶりを見せたが、戻って来た返す時に、はっきり言ってお前よりは、早く走るぞと言ってやりたかった。と同時に「コイツのバイクに乗ること自体、自殺行為じゃないのか。」と思った。
ある時、この男、名前はケロキチ君とでも、しとこうか。セローを新車で買ってきた。バイト先の店長に一言、「オプションでエンジンブレーキが欲しいんですよ。」とのたまわった。店長は「お前、それ冗談で言ってる?」というとケロキチ君「本気ですよ」と真顔でいうものだから、店長は呆れ果てた。バイクの兄ちゃんが出入りしていたから、ある日、その兄ちゃんに御享受いただいたのだが。「ホントにエンジンブレーキ欲しいの?」「ええ。」いきさつをあらかじめ聞いていたから、先ずはエンジン構造から話を始めた。が、ケロキチは二輪車の免許所有しているわけだから、その辺りは理解していて当然のはずだ。そう、はずだった。兄ちゃんは、2ストより4ストの方が構造上、エンジンブレーキが効く事を理解させようとしていたのだ。二時間弱の質疑応答で問題は片付いたはず。そう、はずだった。そして、ケロキチ君、開口一番に「で、それいくらぐらいなんですか?」と。兄ちゃんとケロキチは人生の中の一日の1/12の時間を無駄に費やしたのであった。 聞いてる方が疲れたよ。
その言葉に軽くキレ、しまいには呆れ果てた兄ちゃんは、カタログのセローのサスペンションから出ているリザーバーのボンベを指差し、「これだよ、付いてるから買わなくていいよ」と言い放った。
その後、ケロキチ君がDTの件を見てもわかるように最低基準の整備が出来るわけもなく、「アメリカーナ買っちゃいました。」ときたもんだから、「セローは?」と店長。「飽きたんで。」と、きたもんだ。以後まともに話をする気も失った。その後、彼は内輪で「新型ジムニーいいよね」と話が出ると二週間後には乗ってくるし、みんなであいつは、そこまでしたいか。と言われていた。彼は過去に普通自動車免許、連続10回、毎日行って、落ちた男である。その後、日本で大きな会社になる前に入ったケロキチ君、そんな男が、よりによって大型二輪免許を取得。「日本の公安委員会も地に落ちたか」と、話をした。「事故が増加するだろうが~。」とかね。だって交差点で右折しようと止まっていたら、前方から対向車来てるのに突っ込むんだから。
ある日、就職して、休みに店長のもとに来たケロキチ君、ドイツ製のバイクに乗ってやってきた。「仕事先にツーリングクラブがあって、みんな、ほぼB〇☆なんで、僕も買っちゃいました。」とヌケヌケとのたまわった。
後日、店長は、俺にそうつげると怒りをあらわにした。俺も、同感であった。大体、いつもそうだ。人が噂をするとか、いいよねとか、みんなと同じでないと不安なのか、買ってくる。変わってない。
こちらの職場には、エラソーな事ばかりいう後輩がいた。ケロキチと同じく「パワーバンド欲しいね」だと。 「馬鹿め、それは、エンジン出力が効率よく出る回転域の事だ。」と思いながら冷ややかに見ていた。うちの周りには、そんな奴しかいないのか。そりゃ、事故も増えますよ。そいつも、帰る時、前方を走っている車に向かって加速していくんだから。
あっコイツも、見映えばかり気にする奴だった。
あ~あ、マイッタナ。