「シルバー仮面」とは、TBSが昭和40年代後半に世に送り出した、SF特撮ドラマである。製作には「ウルトラマン」で活躍された実相寺昭雄さん、デザインもウルトラマンシリーズでおなじみの池谷仙克さんと、怪獣物が好きな人は、ピンとくるであろう。
光子ロケットの発明者、春日博士は、宇宙へ進出する人類に危機を感じる宇宙人たちから狙われていた。宇宙人の襲撃に遭い、博士と光子ロケットの設計図は火事で焼失されたかに思えたが、博士は、あらかじめ自分の五人の子の身体に、特殊な方法で、設計図を隠していた。そして、次男に、「銀色の力」を与えていた。それこそ、宇宙人に対抗する力。しかし、設計図にかんして誰も自らの身体にあるとは思わず、父、春日博士と知人であった研究者達を訪ねていく。だが、中には宇宙人との関わりを恐れていて協力してもらえなかったり、周囲の誤解でなかなか糸口をつかめない兄弟達。そして、宇宙人の襲撃。兄弟や人々を守るため、次男光二がシルバー仮面へと変身する。
光一、光二、光三、ひとみ、はるかの春日兄弟が父の意思を継いで光子ロケットを完成させるまでが「シルバー仮面」、その光子ロケットを発射させる時から「シルバー仮面ジャイアント」と変わる。
前半の「シルバー仮面」は等身大のヒーローで、格闘で戦う。後半の「シルバー仮面ジャイアント」は、光子ロケットの打ち上げを阻止するサザン星人を相手に戦うが、破壊されたロケットの光子エネルギーを浴び、巨大化。その回以降、宇宙人も巨大化して現れる。
ストーリーの大半を人間ドラマで占めていて、必ずしもハッピーエンドではない回も、あるため、ドラマの内容はハードな作り。
途中回から、次女はるかが、画面からいなくなり、子供心にも、どうしたんだろと思っていた。病気で降板し、後は名前だけ使われていたりした。設定では、次女はるかはら病弱のため、父の友人であった大学教授のもとで、世話になっているということになっている。
最近では、女性が変身する「シルバー假面」として設定や、時代を変えて、復活した。
カリガリ博士は、実は宇宙人で、宇宙生物やロボットを使い、明治の日本で、シルバー假面と対決する。
シルバー假面の正体は、明治の文豪、森鴎外の娘で、ストーリーに森鴎外の「椿姫」を モチーフに使用していたり、伝説の指輪、ニーベルンゲンの指輪を使い変身したりと、幻想的な内容になっている。
新しいシルバー仮面を作り出した実相寺監督だが、これが最後の作品となってしまった。
実相寺監督の作品ウルトラマンで怪獣スカイドン「空からの贈り物」でハヤタ隊員がカレーライスを食べている途中、空に飛ばしたはずのスカイドンが地上に落下すると聞き、慌てていて、変身するためのベータカプセルと間違えて、スプーンで変身ポーズを取るハヤタ隊員を作り出したのは、実相寺さんなのです。テレビ局はカンカン、視聴者は、ア然としつつも、実は人間くさいウルトラマンにさらに好感をもったのでした。あっ、ウルトラマンでも、慌てる時があるのか と。
