最近は、サンズリバー(三途の河)にも、開発の波が押し寄せて来たらしく、というより来た人間(逝った人間と書くのが正しいのか?)が、「これじゃ駄目だべ。」と閻魔様に直訴したら工事許可が出たらしく、川岸には「海の家」ならぬ「川の家」が立ち並んでリゾート化してるそうで。まあ、閻魔様も命乞いの嘆願書なら、跳ね退けたのでしょうが、「三途の川」の開発なんて聞いたことがない、前代未聞の珍事。「まあ、自分等でやるなら。」と、役所よろしくハンコをポーン!
「はいはい、いつまでも、サンズリバーも昔のイメージでは、さみしゅうございます。亡くなられた方を現世とお変わりなく、お迎えするのがサンズリバーですので。」と、サンズリバー開発公社案内係の方がおっしゃっております。
「寨の河原も、今では殺風景ではなく、亡くなられた方々が、対岸の現世にいる家族を見守る場所に様変わりしているようです。ですから、子や孫が、悪事に走るような事や親不孝があると、御先祖様は、哀しまれる事になります。」とのコメントをいただきました。
たまに、生きてるのにサンズリバーを見た人がいるらしいんですが、何故見れたか?まぁ、偶然見ちゃったというか、波長が合っちゃったらしく、今まで聞いて来た「三途の川」とは、雰囲気が、か~な~り違っていたようで。
ある、この人、嫌気がさし生きる気力もなく気がつくと、知らない岸辺に立っておりました。「あ~、死んだんだ~。」などと思っていたらしく、サンズリバーの対岸をよーく目をこらして眺めておりますと、湘南海岸よろしく、鮮やかなビーチパラソルが咲き乱れ、海の家ならぬ「川の家」が大繁盛。あの、おどろおどろしい「三途の川」のイメージとか、花が咲き乱れる「三途の川」のイメージは、これっぽっちもなく、ついついあちらへ渡ろうとしてしまいそうになったとか。そこへ、後ろから声が。「そっちいっちゃ、駄目だから」すると反対側からも、「まだ早いから駄目。あんた生きてるんだから」と誰かが叫んでいたとか。
で、仕方なく座り込んで、しばらく対岸を眺めておりますと、サンズリバーの川の中から、二人の男がフラフラと浮かんで参りました。
「あっ!あの二人」二人の顔を知っていたこの人。「死んだのか?」と思って見ていると、水に浮いてる二人は突如、対岸に向かって泳ぎ出したそうで。するとそれに気が付いた対岸は、蜂の巣を突いたような騒ぎに。人々は口々に「あっち行け!」「こっちに来るな!」「生きちゃえ!」(まあ、死んだ人からは、こう言う言われ方をされるのは当たり前ですな。)などと言われながら石をぶつけられる始末。中には、どこから調達してきたのか、迫撃砲が(当たっても死なないらしいです。ただ、朝、体中が痛くなるらしい)。この二人、言う事がふざけている。「あ~、死ぬかと思った。」と言いながらサンズリバーの水の中へ。どうやら現世に戻っていたようです。しかし、「死んでも来るな」とまで、あの世でも拒否された二人。
現世で何をやらかしたのやら。先程からその光景をみていた人。呆れ果て、「自分は、まだマシだ。」とばかり、現世に帰っていったそうで。
翌日、その二人を見に行くと、体を引きずりながら歩いている。理由をたずねると、理由は不明。ただ、朝から体中が痛いとだけ。何かが当たったようだとか、耳がキンキンするだとか。
「あっ、あれは夢ではなかったのか」と驚いたそうで。
まあ、これは、普通の生き方をしてる人だから、これで、いいんですよ。悪人だったら、どんな目にあうのでしょうかね?
では、また。
