横山光輝原作「鉄人28号」は、幾度も映像化された珍しい作品。テレビ版、アニメ版、劇場版とあり、アニメ版にいたっては、「白黒版」、「太陽の使者・鉄人28号」、以外にも複数本ある。
実写のテレビ版の鉄人は、人と同じ大きさであった。形はプロパンガスのボンベに手足が生えているといった感じであり力強さは感じられない。それから、おなじみの白黒アニメの「鉄人28号」へと移行するのである。さて、作品内での「鉄人28号」の、作られた経緯とは?鉄人が作られた意味、それは太平洋戦争さなか、科学者である敷島博士は、日本の未来ある若者が戦争で命を落としていく事を憂い、人に代わる兵器を開発し、若者を救えないかとの考えからであった。そして、考え出されたのが「鉄人計画」であった。
この計画に軍部も参加し、数々の試作品が作られ28番目に完成したのが、鉄人28号であった。何体もの失敗の連続や、27号にいたってはフランケンシュタインのような人造人間を開発するものの成功にはいたらなかった。
完成間近で第二次世界大戦終結となり、鉄人の活躍の場は、無くなったかに見えたが、鉄人は戦争の兵器から、やがて、犯罪集団と対峙したり、事故や災害の現場で活躍するなど平和の使者へと変わっていく。しかし、主題歌にもあるように「敵も味方もリモコン次第」と操縦者の使い方次第によっては、善悪どちらへも転ぶ、諸刃の剣でもあった。
腐乱拳(フランケン)博士が作り出した鉄人のライバル「ブラックオックス」が出現した時、鉄人のリモコンはフランケン博士の手に落ち、逆にブラックオックスのリモコンは、鉄人の操縦者、金田正太郎少年のもとに渡り、善悪が逆となり、対決した事もある。
意思を持たぬ巨大な力は諸刃の剣だということを作品内で具体的に見せ、使う人次第で幸福にも不幸にもなるのだと。
また、鉄人は武器を持っていないし、内蔵もしていない。また携帯することもない。まさに力だけが鉄人の武器である。
映画版「鉄人28号」はCGで鉄人を現代に甦らせた。レトロチックなデザインを再現し、街中でロボットの戦いを見せてくれた。人間ドラマが主なので、もっと戦闘シーンが見たかったのだが。
鉄人28号、シンプルなデザインでいて、力強さを放つ強烈なロボットであるが、さて、日本は、あと、どのくらいしたら鉄人を作る事は、可能なのだろうか?
オリジナルのデザインでは、可動領域の確保は難しく、人体の様に、しなやかな動きは期待出来ないであろう。二足歩行に必要なバランスをどう取るか?など、数々の問題をクリアしなければならない。
そうなると、あの寸胴で丸みを帯びた、我々が知る鉄人でなくなる可能性が高い。装甲も多重構造となりクリアランスの問題も出て、全く別の鉄人28号の姿となる。
オリジナルの姿を生かした新たなる鉄人28号というのも見てみたいと思う。