梁石日「タクシードライバー 最後の叛逆」他 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

 

 

 

 

 

自転車の違反取締が厳しくなる。

綺麗事抜きで個人的なことをいわせてもらうと、ちょっと大目にみて

ほしい。

傘さし運転もダメというのはかなり厳しいのだ。

 

ここまで規制されるともう身動きとれない。

そのうちヘルメットも完全に義務化されるのではないだろうか。

 

自転車も車同様に歩行者にたいする事故が増えているから

やむをえないのかもしれないけれど、でも雨合羽をきると

ヘルメットをしてる場合、フードがかぶれないケースが多いのを

警察はわかっているのだろうか。

 

ここまでくるともう警察と自転車利用一般市民の戦いとも

いえるかもしれない。

 

そうそう、先日友人と呑みにいったとき、ずっと昔にオレが貸した

本が返ってきた。

梁石日の「タクシードライバー」というルポタージュだ。

 

いわゆるタクシードライバー目線からみた傑作ルポ。

書いてあることが正しいか間違っているかは別として、エンターテイメントと

してはかなり面白かったので友人にも読むのを勧めるために貸したのだった。

 

――

路上駐車、スピード違反、飲酒運転…人はなぜルールを破るのか?ルールは常に正しいのか?

警察の不当な取締りには、黙って従うしか術はないのか?タクシードライバーとして数々の

修羅場をくぐり抜けてきた人気作家が、絶体絶命の危機を回避するための「掟破りの裏技」

を密かに伝授し、歪んだ車社会に警鐘を鳴らす、前代未聞の問題ルポ。

(amazonより引用)

 

ドライバー目線で警察の取り締まりを逃れる方法とかがいくつか書いてある。

 

たとえば飲酒検問。

 

飲酒をした状態で道路を走っていて、前方で検問をやっているのを発見した

場合の回避方法。

 

前方に検問を発見した時点で、路肩に車を止めて、そこからは歩きか電車、

あるいは他のタクシーで家に帰る。

 

おそらく翌日、警察から駐車違反の連絡が入るが、そのときもう酒は抜けている

ので、駐車違反の切符は切られるが、飲酒運転で捕まることは免れる。

どちらにせよ罰はあるが、飲酒運転と駐車違反じ罪の程度が明らかに異なる。

警察から「どうしてあそこに車を止めて帰ったのか?」と訊かれたら

急にお腹が痛くなってトイレを探しにいってそのまま帰ったといえばいい、と

ルポには書いてあった。

なるほど。

もちろん、実際にやってはいけないことだが、読むぶんには納得いった。面白い。

たぶん作者の梁氏の実体験だと思う。

 

あとはどんなエピソードが書いてあったか忘れてしまったが、こんなような

法の目をかいくぐる方法がいくつも散りばめられている。

 

もちろんすべて違法だが、なるほど、そういうテがあるのかとは思った。

 

そういえばまだ二十歳くらいのとき、原付でスピード違反で捕まったことが

あった。

そのとき負け惜しみで「今まで捕まったことなかったんですけどね」といったら

「捕まったことがないんじゃなくて、違反したことがなかったんでしょ」

と返された。

原付の法定速度は30キロだけれど、はっきりいって道路を30キロで走って

いたら逆にあぶない。

「ここだけの話、おまわりさん、49キロまでならば捕まえないから」

ともいわれた。

そうだよな、法定速度を守って走っている原付などほとんどいない。

 

オレがスピード違反で捕まったときは違ったが、ねずみ獲り方式も

納得がいかない。

松本人志もエッセイの中で書いていたが、警察側にいわせてもらうと、

スピードだしている車やバイクが法定速度を越えたのを見て追いかけるのではなく、

法定速度を越える前に、呼び止めて、

「すいません、ちょっとスピード出てて、もうちょっとで法定速度越えそうなので

あぶないからスピード落してください」

と注意してあげるのが本当の事故防止につながるのではないだろうか。

やはり警察のシステムにはおかしいところが多い。

違反者を捕まえることが事故防止のためじゃなく、警察官の得点稼ぎになっている

ふしがあるのではないだろうか。

 

 

 

 

しかし、タクシードライバーという職業も大変だ。

走る密室といっても過言ではない。

 

運転も巧くなくてはならないし、道にも詳しくないといけない。

ほとんどペーパーのオレにはできない仕事である。

このルポを書いた梁氏も元タクシードライバーだそうだが、やはり修羅場をくぐって

きたのがわかる。

求人広告の会社にすこしだけ勤めていたことがあり、一度先輩の動向でタクシー会社に

いったことがあったが、向こうの部長だったか課長だったか偉い人がでてきて、

「いやあ、ここは就職の墓場ですよ」

と笑いながらいっていたのを今でも憶えている。

でもタクシーというのは不可欠な存在だ。

オレも終電が無くなったときにはかなりお世話になった。

だからタクシー業界で働いている方々は尊敬している。