新庄BIG BOSS | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

十数年前に一度だけいったことがあるが、高田馬場の路地裏に

「渡なべ」という有名なラーメン屋がある。

 

そこの店長の渡辺樹庵氏も有名で昔はラーメン番組によく顔を

だしていた。今でもラーメン経営関連の仕事もしているようだ。

 

番組名は忘れたが、昔、渡辺樹庵氏がテレビでインタビュアーから

「渡辺さんはプライベートでもラーメンをよく食べるんですか?」

と訊かれ、渡辺氏は「いいえ」と答えていた。

 

インタビュアーが「どうしてですか?」と訊いたら、渡辺氏は

「だってラーメンて、あんまり体によくないじゃないですか」と答えていた。

 

これを聞いて笑った。同時に「この人は信頼できる人かも」とも思った。

もちろん、このあとにフォローの言葉もいっていたかもしれないから、ここだけ

切り取ると誤解を招くかもしれないが、正直な人は好きだ。

 

ここではこういういい方をしていたけれど、それでもやはりラーメンにたいする

根底にある思いは‘好き’で、なおかつ自分の状況に余裕があり、結果をだしている

からこそ冗談にせよ本気にせよ、自分の仕事または仕事で扱っているモノをディスる

発言ができるであると思う。

 

余裕がない人間ほど、自分自身に強く「仕事を好きになれ!」「作っているモノを愛せ!」

と暗示をかけて、その結果自身も追いつめられ、作っているものも単純に焦りの結晶の

ようなものが出来あがってしまうというのがオレの見解。

 

やはり信頼できるのは自分のやっていることにたいして妙な誇りをもたず、冗談のひとつでも

いいのでディスれる余裕がある人。

 

先日、テレビの「アウト×デラックス」にBIG BOSSこと、日本ハムファイターズの監督になった

新庄剛志がでていたので観ていた。

オレは埼玉西武ライオンズファンだけれども、新庄は嫌いじゃない。

 

シーズンがはじまったら、こういうことをやりたいというのを語っていたのだが、

やはりお客さんを楽しませる野球をやりたいといっていた。

 

「だって野球って面白くないでしょ? (試合は)長いし」

と新庄。

 

これを聞いて笑った。そして渡辺樹庵氏の「ラーメンて体によくないでしょ」発言を

思いだした。

オレはプロ野球もラーメンも好きだけどどちらも聞いていてスカッとする。

自分のやっている仕事は世のみんなが面白いと思っている、求めていると勘違い

していないところがいい。

 

なんでもかんでも、夢や勇気を与えるという着地点アンサーより聞いててずっと

気持ちいい。

 

 

新庄がいっていることは「自分が野球を楽しめればいい」ではなくて、

「お客さんに楽しんでもらいたい」なのである。

つまり観客視点。

まあもちろん、いくら自分が目立ちたい欲求もあるだろうが。

 

もちろん新庄は野球が好きだからこそ余裕があり、リップサービスで「野球はつまらない」

といったのだろうが、何事も「つまらない」からスタートするその概念て実は大事だったりする

と思う。

 

野球に限らずだが、何事も本人自身が面白いと思ってしまったらそこですべて終わりなのだ。

逆にいえば「つまらない」といっているからこそ、この人はこれからきっとなにか新しい

面白いことを考えてやり続けてくれるだろうなと感じることができる。

新庄もきっとなにかエンタメ的なことをシーズン中にやってくれると思う。

 

阪神時代は敬遠球を打ったエピソードが有名だが、あれも実際にはバッターボックスを

でてホームベース踏んで打っているからアウトである。

だけど審判も敬遠のあの場面で、バッターの足元まで見ていないからと新庄。

素直に本当はアウトだと認めているから確信犯なのだ。

はっきりいって、スポーツマンシップにのっとっていない。もちろん褒め言葉。

そういう部分も個人的には好きである。

 

そんな新庄新監督、連敗とかしたときはどんなふうにコメントするのだろうか。

今年の北海道日本ハムファイターズの動向がちょっと楽しみだ。

これまで野球に興味なかった層もいくらかとりこめるのではないだろうか。

活躍をやや期待する。

あ、もちろん埼玉西武ライオンズ戦以外のときに限ってだが(笑)