蜷川実花展 -虚構と現実の間にー | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

前回記事で書いた「最澄と天台宗のすべて」は友人が企画していったのだが

他にも上野公園内にある美術館・博物館でなにか企画展やっていないかと検索してみたところ、

写真家・映画監督の蜷川実花の企画をやっているとしったのでこれはいってみたいと思い、

また別日にひとりで上野までいってみた。

 

 

上野の森美術館 

『蜷川実花展 -虚構と現実の間にー』

サイトはココ

 

 

蜷川実花だけに女性客が多そうで、オレのようなおっさんがひとりでいったら、死海か!と

いうほどプカプカ浮きそうだなとも思ったが、インスタ映えを狙った女子がカメラマン役の

彼氏を連れてきていそうだから男もいくらかいるだろうとふんで、出向いてきた。

 

入口の様子。

ブルーのライトが美しく眩しい。

 

 

係の人に確認したところ、庵野秀明展と同じで、こちらも一部の企画展示を

のぞいて撮影可のようだ。

 

花の写真が壁に連なっている。

 

 

壁に書かれた説明文によると、蜷川実花が撮影する生花の多くは、自然の中にあるがままに

咲いている花ではなく、誰かにむけて育てられた花である、とある。

花を物質ではなく、人間のパートナーとしてとらえているようだ。

 

この先には有名人の写真が展示してあるコーナーがあるのだが、そこは撮影禁止。

蜷川実花のセルフポートレートも展示してあるがそちらは色っぽかった。

 

 

壁が花の写真で囲まれた部屋も。

 

 

インクの色水を花に吸わせてできるカラーリングフラワー。

自然のものだけでなく人工物でも美しいという表現。

 

 

「光の庭」

2021年春に撮影された作品で構成されているらしい。

 

 

 

父である蜷川幸雄が亡くなる前後にいろんな想いで撮られた写真も並んでいた。

壁には心境を現す言葉も。

 

 

 

ラストにあるのはサブカル色も芸術色も全開のピンクの部屋。

 

 

蜷川実花のブログによると、この部屋に展示されているものは、すべて本人の書斎にあるもの

だとか。

 

 

温泉いって宿を撮影すれば木造の茶色。

ラーメン画像撮影すればスープの茶色。

居酒屋ネタ画像撮影すれば揚げ物の茶色。

これまで茶色画像ばかりだったこのオレのブログ記事が、ここまでピンクを基調としたカラフルな

記事になったのは今回がはじめてではないだろうか(笑)

 

 

 

 

カオスとエロス。

いつからなんだろう。

女性の色気を象徴するのが唇になったのは。

男性の場合は色気を唇で表現されることはない。

 

エロスといえば、まだ大学生のとき、エロスがからんだ芸術も多少語れる

人間ぶりたくて、当時好きだった山咲千里の「フェティッシュ ワールド」という

けっこういい値段する写真集を買った。

ガソリンスタンドでバイトして、はじめてもらった給料で買ったのを今でも憶えている。

カメラマンはピーター・アーネルという外国人。

もう27年くらい保存してあるが、プレミアでもついていないだろうか。

ちょっと処分に困っている。

ちなみに山咲千里のポリシーでヘアも乳首も一切映っていない。

ただ(表紙写真から)腋毛を意図的にはやしているのが女性モデルの写真の概念を

覆すという意味で山咲千里らしくもある他と一線を隔す挑発的なエロスアートであった。

(本当に誤解のないようにいっておくが、それが見たくて買ったわけではない

ただ、そういう写真集を所持しているオレってちょっと他と違うだろう!?と

いいたかったのであるw)

 

 

話は部屋の画像に戻る。

 

 

蝶のネオンは蜷川実花の映画の中でも使われたらしい。

 

 

他にもこの部屋のなかにあるものは映画の中や、父・蜷川幸雄の舞台とかで

使用されたものが散りばめられているようだ。

 

見つけられなかったが「ヘルタ―スケルター」の画コンテとかもあったらしい。

前にも記事で書いたが原作は読んだ。

映画のほうも観てみたいものだ。

ああ、DVDプレイヤーさえあれば。

 

 

目玉。

 

 

ピストル。

 

 

よく見ると、小中学校のときに読んでいたアニメ雑誌アニメージュとかもあった。

 

他の企画などとくらべたら規模は小さくて所要時間もやや短いかもしれないが、

けっこう楽しかった。

 

蜷川実花って前からすこし気にはなっていたのだが、実は映画とかはまだ一度も観たことなく、

今回はじめて足を踏み入れた感じだったが、この蜷川ワールドはけっこう好きかもしれない。

色づかいもサブカル色も好きだ。

 

この最後の部屋については‘二度と再現できない’という部屋全体が全力の作品のようだが

また蜷川実花展がいつかあればいってみたいとは思った。

 

今回はオレがこの展の存在をしったのが遅かったので訪問も遅めになったため

このタイミングの記事になったが、開催は11月14日(日)までともうすぐである。