青春、手遅れ | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

「そんなことしるか!」といきなりツッコミをいれられそうなのだが、

モテ期の残2回がまだこないのだ。

 

誰にでもモテ期という時期があって、それは人生で3度くるという話はよく聞く。

3度というのはどうかわからないが、最低1回は間違いなくくると思う。

 

いつも自虐的なことやネガティブなことばかりいっているから、たまには

自分をすこしよくいうことも書こうと思い書かせてもらうが、

オレのようなろくでもない虫ケラでも自分で「あれはモテ期だった!」と自信を

持っていえる時期があったから、他の人にも最低一回は来ていると思う。

 

オレのモテ期は高校1年生のときだった。

中学のとき、女子と話した総合時間がおそらく数分だった少年が髪型とかを

ちょっと意識して高校に入ったら、派手な女子からもよく話しかけられるようになった。

 

まあ、そのへんについてはあまり書くと少年漫画誌の裏表紙によくある

「今ままでダメな男だったボクにも彼女ができました!」といういかがわしい

講座とかパワーストーンの広告みたいな文章になりそうだから、もうこれ以上

書かないが、まあ、とにかくあくまでも比較的ということでモテ期はあったのである。

 

しかし、3回のうち1回は消費したとしても、あとの2回が全然来ないどころか

来る気配すらないのである。

 

実はモテ期というのは放っておいても自然にやってくるものではなく、

RPGみたいになにか条件をクリアしないと発動しないものなのだろうか。

 

だとしたらオレはその条件をスルーしてしまい、残2回のポイントを失効させて

しまったのかもしれない。

 

また今の年齢を起点としてこれから先に残った2回がやってくるとは到底

思えないのである。

 

ううむ。やはりどこかでモテ期残2回を既に失効してしまったのだろうか。

 

しかし、高校1年生のときは日常の風景が変わったかのごとく楽しかった。

あのころに戻りたいと思うと同時に、あの青春時代にやっておけばよかったと

思うことが今になってでてくる。

 

そのひとつは床屋じゃなくて美容院通い。

今でこそ男も当たり前のように美容院にいっているが、オレらが高校生のころは

男が美容院にゆくという概念がなかった。

(もしかしたらそのころから通っていた同級生もいたかもしれないが)

 

だからオレはじめ男子はみんなガッチガチにいかにも「昨日髪きってしました」

という頭をして週初め登校してくるのである。

美容院で切るのと違って髪型にナチュラルさがないのである。

だから意味もなくなんか恥ずかしい。

 

ああ、あのころ髪を美容院で切っていれば、もうちょっとモテ期が長かったかも

しれない。

 

そんな感じで最近モテ期についてなんとなーく考えていたら、偶然にも

呼んでいる益田ミリのエッセイコミックでも「人生にはモテ期が3度あると

いうけれど」ということが書かれていた。

 

 

 

――

益田ミリが、10代でやっておきたかった「青春」があなたの胸をきゅんとうつ!哀愁のエッセイ&コミック。

(amazonより引用)

 

以前にも「47都道府県、女ひとりでいってみよう」というエッセイを記事で紹介させてもらったが

益田ミリ氏は好きである。

ちょっと弱弱しく不器用ながらも純粋な感性が共感できるのだ。

やはりエッセイは男性よりも女性のほうが面白いかもしれない。

 

内容は上に色文字で書いたとおり。

益田ミリが10代、主に高校生時代にやっておきたかったことが書かれている。

 

目次は以下

 

・ファストフード店でデート

・彼の制服を借りる

・ティファニーをもらう

・放課後の告白

・ペアルック

・制服のほつれを縫ってあげる

・自転車にふたり乗り

・手作りチョコレート

・第2ボタンをもらう

・制服男子と立ち話をする

・タコさんウィンナーをつくる

・夏休みにプールでデート

・調理実習の差し入れ

・お姫さまだっこ

・ふたりで観覧車

・男子と一緒に勉強する

・きんちゃく袋のプレゼント

・修学旅行の自由時間に彼氏に電話

・校門で待たれる

 

ファストフード店でデートとかは大人になってからできるが制服男子と立ち話するとか

校門で待たれるというのはまさに中学か高校時代でないとできない。

益田氏は青春時代それをやりたかったと綴っている。

お姫さまだったとかは男から見ても妄想過ぎだろうとは思うが。

というかお姫さまだっこしてもらう流れってどんな流れだ?

と思ったら朝礼で貧血で倒れて、それをがたいのいい体育教師に保健室まで

運んでもらうというシチュエーションだそうだ。

 

構成はそれぞれのテーマにつき、5、6ページのエッセイがあったあとに

2ページの漫画がある。

益田ミリ氏の描く画はなんか温かみがあって好きである。

文字も多くないので、1~2時間で読めると思う。

 

益田ミリ氏は、その3回あるというモテ期をぜんぶ高校時代使いたかったなあと

書いている。

そしてオレ同様、「3回もきたか?」とも書いている。

 

たしかにモテたときがあったという人の話は聞いたことがあるが

3回モテ期がしっかりきたという人の話は聞いたことがないかもしれない。

オレの場合、もし残2回がこなかったら、それは来世へのキャリーオーバーと

考えるしかない。

もっとも木村拓哉みたいに年中無休でモテている人は3回もクソもなく

常時モテ期継続状態なんだろうけれども。

それが不平等を感じるところである。