子供のころはよく鬼ごっことかして遊んだ。
誰かが逃げる途中転んだりして倒れて動けなくなったときとか
心配する場合もある一方、それを見て「はい、ご臨終です」とか軽く冗談を
いったりする風景もあった。
子供にとって「死」とはもっとも遠い世界。
不謹慎だとかそういう感覚は純粋になく、ただふざけていっていただけの話。
かと思いきや、大人になっても似たようなシーンと言葉は見かけたりする。
人が仕事とかでとりかえしのつかないミスとかをしてしまったとき、
「はい、ご愁傷さま」といったりしてくる人もいる。
「動けない状態」「終わった状態」
どちらも死という比喩である。
就活という言葉が流行ったかと思えば、人生100年時代ともいわれている。
やや混乱してしまう風潮だが、いずれにせよそろそろ「死」というものを意識する
年齢にはなってきている。
テロや無差別殺傷で殺された人たちはみな、前日に
「明日自分が殺される」ということをしらずに生きているわけだと、作家の川上未映子
もエッセイで書いていた。
そう、死はいきなりやってくるのだ。ときとして心の準備をする時間も与えることもなく。
今回は死に関するテーマ
1月末に週末に顔をだしたイベントの報告。
※ネタをひとつずつ消費しているため最近は訪問から記事アップまで
1~2週間のタイムラグがある。
『特別展 ご臨終 ~江戸時代の死、病、あの世~』
サイトはココ
場所は府中市郷土の森美術館内の1階の特別展示室。
初日の25日土曜日にいってきた。
年配の人の姿が目立つ。
江戸時代に府中に住んでいた人が残した資料から、当時の死生観を探った
展示である。
入口入ったらまずはパネルに解説が。
書いてあるとおり、「臨終」というのは「臨命終時」という言葉の略らしい。
ひらがなで打ちこんで変換キー押してもでてこなかったからやはり難しい
言葉だと思える。
餓鬼がいる画。
子供のころ腹がでた餓鬼はけっこうグロテスクに感じた。
お墓に入れる副葬品なども展示されている。
六文銭は三途の川の川の渡し賃として有名だ。
コレラ退治の獅子頭。
昔はやはり薬よりも祈祷的なことが多かったのだろう。
日本でゾンビ映画があまり作られないのは、日本が火葬という文化の国だから
かもしれない。死者がそのままの姿で土中から甦るという設定からまずありえないので。
こちらはそのまま埋葬していた昔のお墓の再現。
あの桶の中に膝を曲げた状態で入れられた。
よく、見ると細かくおばけが隠れて書かれている。こういう演出好きだ。
下はいわゆる地獄絵図的な掛け軸。
恐いというよりもイタいという画である。
焼かれたり切られたり、たけしの映画的な痛々しさ。
ラストに展示されていたのは「あの世すごろく」
けっこう大きく、マス目の中の画も細かくよくできていた。
郷土の森博物館では今、梅まつりも開催中。
敷地内の梅とセットで鑑賞がおすすめ。