IT/イット "それ"が見えたら、終わり。 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

小学校のころは仲の良い友達と外でよく走り回って遊んでいた。

 

まだ子供だっただけにいきなり飛び出したり、人にぶつかりそうになったり

もして、たまに通りすがりの大人に怒られたりもした。

 

しっかりとした叱り方をする大人もいれば、子供相手に本気で心無い

罵倒や表情を仕向けて来る大人もいたのをおぼえている。

 

ただ、しっかりした叱り方で「キミたち、アブナイだろ!」

とかいわれたとしてもその場では「すいません」と謝りながら、その大人が去っていたあと

友達と「なんだよなー、まったく」とかいいあったりしていた。

 

そういうときは注意した大人を「悪者」に仮定して、途中まで尾行とかしたりした。

少年探偵団みたいな流れが好きだったので、そのマネごとで腹いせ的にやっていたのだが、

そこまで深く入り込んだ尾行とかではない。

「あいつは悪いやつだから、あとをつけてアジトを突きとめてやろう!」

といってふざけ合う程度である。

もちろん、その大人がホントにオカシイやつだったらヤバいということくらいは

子供ながらに理解していたので、尾行はすぐにやめるわけである。

やはり子供からみて、大人は恐いものだから。

 

少年探偵団というのは正直観たことはないのだが、昔から子供だけの集団が

悪者や恐い相手に立ち向かうというようなジュブナイルは多く存在した。

 

でも子供は臆病な生き物だから、現実の世界でそんな劇があるのかなと

思う。

 

すこし前に話題になって、今また続編が公開されているスティーブン・キング原作の

『IT/イット ”それ”が見えたら、終わり』

が先日地上波で放送されていたので観てみた。

 

 

 

――

一見、平和で静かな田舎町を突如、恐怖が覆い尽くす。
相次ぐ児童失踪事件。内気な少年ビルの弟も、ある大雨の日に外出し、

通りにおびただしい血痕を残して消息を絶った。
悲しみに暮れ、自分を責めるビルの前に、突如“それ"は現れる。

“それ"を目撃して以来、恐怖にとり憑かれるビル。
しかし、得体の知れない恐怖を抱えることになったのは、彼だけではなかった。

不良少年たちにイジメの標的にされている子どもたちも“それ"に遭遇していた。

自分の部屋、地下室、バスルーム、学校、図書館、そして町の中……

何かに恐怖を感じる度に“それ"は、どこへでも姿を現す。
ビルとその秘密を共有することになった仲間たちは“それ"に立ち向かうことを決意するのだが…。
真相に迫るビルたちを、さらに大きな恐怖が飲み込もうとしていた―。

(amazonより引用)

 

いじめられっ子の少年たちのグループが団結して、ペニーワイズという敵と戦う

ホラーである。

 

うーん……

個人的な意見をいうと、ちょっといろんな要素を詰め込み過ぎてた感があるか。

 

サブストーリーのアピールが強すぎる。

もうちょっとメインであるホラーに重点を置いて、前半からペニーワイズの不気味さ

や存在感を描くのに費やしても良かったかなと。

 

原作がスティーブン・キングだからか、前半で仲間たちが強いグループにいじめられる

あたりはどことなく「スタンド・バイ・ミ―」っぽい。

そして、いじめっ子たちによるいじめの演出が濃すぎて、一瞬ホラーであることを

忘れそうになるのと、映画におけるメインの憎みどころがいじめっ子たちへと集中しそうに

なる。メインの敵はペニーワイズなのに。

 

で、そのあとふたたび謎に挑むようになって、みんなで自転車で移動するあたりは

どことなく「グーニーズ」を思い出させる。

主人公のキャラもなんとなくグーニーズのマイキーっぽいし、同様にグーニーズの

メンバーの生意気なマウスやおデブのチャンクっぽいキャラもいる。

ただ、グーニーズくらいの人数ならばちょうどいいけど、「IT」のこのメンバーは

多すぎな気も……

ひとりくらい、別にいなくてもよかったような少年もいたし。

 

ネタバレとはまた違うと思うから書いてしまうが、ラストのペニーワイズとの戦いは

どちらかというとホラーではなく、SFアクション的な映像だった印象。

なんかバイオ・ハザード的な。

 

R15の作品をテレビ用に編集したとのことで、カットされた部分がどういうシーンかは

わからないし、それがあるとないで差があるのかもしれないが、ちょっといろいろと

いじめ、友情、恋愛、冒険、戦いなどと世界観を詰め込み過ぎてたかなあというのが

あくまで個人の感想。

オレの期待していたおどろおどろしさとはちょっと違ったかもしれない。

 

もうちょっとどっぷりホラーであってもよかったかなと感じた。

スティーヴン・キングらしく。

 

ということで、久々にリアルタイムというか、地上波放送直後作品の映画記事を

書いてみた。

 

 

 

スティーヴン・キングといえば、この「IT」の続編だけでなく、あの「シャイニング」の

続編となる映画「ドクター・スリープ」も気になるところ。