レッド 最終章 あさま山荘の10日間 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

どこか新しい飲食店にいって並んだら、すぐそばにヘンな人が来たり、

たまにしか乗らない路線を使おうとホームまで入ったらその日に限って

人身事故で電車が止まったり……

 

今までそんなことばかりだったが、今回ここ数年ではじめて、神様は存在して

そして様々なことに耐えてきた人間にはときとして褒美を与えることもあるのだ

と思った。

 

オレはどこかへゆくときに時間に余裕をもって出掛けるようにしている。

今、月に1、2回ほど病院に通っているのだが、予約時間より早めに現地に

着くようにしている。

 

この前も早めについたので近くにあるブックオフへ立ち寄った。

 

実はかなり前からある漫画を探していて、ゆく先々に書店やブックオフなどの

古本屋があればコミックコーナーを確認してまわっていたのである。

 

もちろん、同じ書店であっても以降入荷されたり誰かが売り払ったのが棚に補充されている

可能性もあるので、一度来店したときになかったからといって、もう次は立ち寄らないと

いうことはなかった。念のためその近くにゆく際はその都度立ち寄る。

 

今回立ち寄ったブックオフもその軸となるような1店だった。

 

これまで約半年間、月1ペースで確認しに寄ったがずっとなかった本をなんと

発見。

 

山本直樹の『レッド 最終章 あさま山荘の10日間』

 

 

いうまでもなく連合赤軍事件をテーマに描いた話題作である。

 

長期連載なので、時期別に

『レッド』 全8巻

『レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ』 全4巻

そして、完結編であるこの

『レッド 最終章 あさま山荘の10日間』

の3部作に分けられている。

 

前2作は過去にも記事で紹介 →前作記事

 

完結編にあたるこの1冊。

新品扱いで探しても、どこの書店でも見当たらなかった。

検索機で検索しても在庫ナシと表示され、欲しい場合は取り寄せになるとのこと。

最終手段で取り寄せでもいいけど、まず購入前に実物を見てみたいこの気持ちも

理解していただければ幸い。

 

新品でも見かけないうえ、出版されてからもまだそこまでの時期が経って

いないので、古本屋にも当然すぐ簡単に置かれてないだろうとは思っていた。

古本屋の棚にあるということは、誰かが新品で買って1年も経たないうちにそれを

売ったという前提があるわけだから。

 

なので、今回もはっきりいって期待はせず、一応確認してこうと思い、その

ブックオフに立ち寄っただけだった。

 

作者名は山本だから、配置順でいえば作者別『や』のところに刺してあるはず。

『あ行』から考えて単純に一番最後のほうだ。

 

でも、あえて『あ行』からゆっくり目で辿ってゆくのがオレのやり方。

合格発表で受験番号を探すときの気持ちと同じ。おわかり?

 

たとえば自分の番号が720番だとしたら、確認作業と考えて早いの700番あたりから

確認してゆくことである。

だが、そこでパッと700番代を見て、いきなり728番からはじまっていたら速攻でガッカリする。

だからあえて、かなり前のあたりから期待を壊さないように目ですすめてゆくほうが精神的な負担が

少なくてすむ。

 

で、そのとおり、作者別『あ』から目で探っていったのだが、なぜかそこにいきなり山本直樹

の『レッド』があった!しかも山本作品それ1冊だけ!

なぜ『あ』に!?

あさま山荘だから? いや、それはタイトルだし、しかも途中だからそんなことはない。

しかも、手に取ってみたら、帯もそのままで角の尖り方からして99%新品同様。

 

1000人受けた受験の合格発表を見にいって、がっくりしたくないから冒頭(0001番)

からじっくり見てゆこうと思って見たら、いきなりオレの番号720番から始まっていたような

感覚だ。

 

棚を確認したら、なぜかいきなり目に入り、手にとってみたらほぼ新品。

だけど、中古としての販売だから定価よりも400円ほど安い。

今回ばかりはさすがに神様からの贈り物のように感じられた。

迷うことなく手にとってレジへ。

 

バタついていたので、やっと先日読めた

実際に購入したコミックスの帯。推薦文は元連合赤軍の植垣さん。

 

 

 

遡ってみると、オレがこの『レッド』という漫画と作者の山本直樹の存在を

しったのはEテレの番組だった。

 

同じ漫画家、そして同じ‘直樹’として山本直樹と浦沢直樹が対談をしていた

のだ。遅ればせながらそのときに『レッド』という連載を書いているとしって

興味を持ち、あちこちの古本や書店、そして漫画施設などをまわって買ったり

読んだりした。

 

これまでいくつものテレビ番組やノンフィクション本が、あさま山荘事件に

ついての真実とする情報を発信してきたが、そのほとんどが偏っているか

間違っている。

別に左翼活動やリンチを擁護しているわけではないし、すべてがでたらめだと

いっているわけではない。

純粋に偏っているといっているだけ。

 

そんな情報が時代をつたわり続けている中、この『レッド』は各方面から

あさま山荘や連合赤軍について、もっとも事実に近い資料であるという声は多い。

 

作品内のディティールにおいて、もしこの帯に書かれていることが本当だとする

のであれば、これまでメディアが報じてきた山荘内における学生と管理人夫妻の奥さん

のやりとりや、日清食品が現場にいる警察や報道陣に無料で温かいカップ麺を振る舞った

という話も実は……

まあ、このへんで。

 

事件には興味あるけど、活字だけのノンフィクション本を読むのが苦手だという人は

この12年続いた漫画『レッド』で、あの事件をしるのがいいかもしれない。

 

ラストは思ったよりあっけなかったが、それもヘタに盛りあげたりせず、現実にあった

ことを漫画に取り入れたゆえだと思えば当然な〆。

 

 

ちなみに『事件をテーマにした漫画』といえば、もうひとつ。

一般的にあまりしられてなさそうで、オレも昔、店先でパラパラと見たくらいだが、

オウム真理教をテーマにしたような漫画もあった。

『MATSUMOTO』

 

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2,420円
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他の実録事件漫画と大きく異なるのは、描いたのがフランス人作家。

そして、そこに描かれているカルトな教祖のモデルは間違いなく麻原。

 

外国人視点からみつめた日本のカルト事件。

 

吹きだし内の台詞もすべてフランス語?だったので言葉はわからなかったが

描かれている画は施設内で信徒を殺す場面、そして終盤、地下鉄内で人々が苦しみ

倒れる地獄絵図。

それは明らかに地下鉄サリン事件の光景だ。

 

タイトルの『MATSUMOTO』(マツモト)というのが、「松本サリン事件」のマツモトを

意味するのか、それとも麻原彰晃の本名である「松本智津夫」のマツモトを意味するのかは

わからない。

 

漫画作品として興味ある人は多いかもしれないが、ただこちらのほうは外国語でやや高価

という意味ではハードルが高い。

 

 

 

台風、うちの地域でも避難勧告が発令されましたが、外の様子からするにもうやり過ごした模様?

みなさまどうぞお気をつけて。