THE・絶版 愛すべきRADIO番組本たち | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

中学生から大学生になるまで、日曜以外の夜は毎日のようにラジオを

聴いていた。

 

平日の月曜から木曜まではニッポン放送の「伊集院光のOh!デカナイト」。

一般的に帯で約2時間流れている番組をワイド番組といい、その中の枠で

旬なアイドルやしゃべりの上手い歌手がやっている10分程度の番組を

ハコ番組と呼ぶ。

 

伊集院の番組が開始されたとき、まずはじめに設けられていたハコ番組が

22時20分あたりから開始の

「デーモン・オーケンのラジオ巌流島」

だった。

パーソナリティはデーモン閣下と大槻ケンヂのふたり。

 

まとめ撮りだとはいえ、たった10分のハコ番組の中にMC級アーティストふたりを

同時に起用するとはなんて贅沢なんだと当時思った。

が、

やはりふたり揃って登場したのは最初のほうだけ。

互いに売れっ子ということもあり、スケジュールがあわなかったりで、結局番組

はじまったら、どちらかひとりしかいないというパターンが目立ったが

それはそれで笑えた。

 

それでも当時はAMバブルだったこともあり、このデーモン&オーケンの本を

含むあらゆる番組が書籍化された。

 

以下は購入した3冊。

いずれも絶版で、amazonにも画像があったりなかったり。

 

 

上から時計回りに

「伊集院光のOh!デカ大百科」

「デーモンオーケンのハッスル巌流島」

「浅草キッドのバカ丼」

 

デーモン&オーケンの本のタイトルは、書籍化でラジオではなくなるため

ラジオ巌流島からハッスル巌流島へとタイトルが変わっている。

番組、くだらなくユルいテーマが多かったな。

井上陽水の新しい芸名を考えるとか。でもそのユルさが味だった。

 

ラジオ番組本って基本面白いんだけど、文字が大きくてすぐ読み終えるのが短所。

なので、当初ハッスル巌流島は買う予定なかったのだ。

 

当時大学生だった。

ラジオで告知はしていたので本がその日に書店に置かれる情報は入っていたので

講義と講義の間の空き時間、本屋に立ち見みだけしにいった。

 

パラパラとページめくっていたら、リスナーからのハガキネタのページがあった。

簡単にいうと3段落ちネタを集めたコーナー。

 

するとそこになんとなく見おぼえのあるネタが……

 

って、コレ! オレが昔番組に送ったネタじゃんっ!(゚д゚)!

 

そうなのだ。記憶の限りオンエアで聴いてないから番組ではボツにされた

ネタが、なんと書籍のほうで甦り採用とされていた。こんなことあるのか。

驚いた。しかも1ページまるまるオレのネタ(笑)

 

当初買う予定じゃなかったが、「これは記念に買っておかんとイカン!」と

思い、急きょそれを持ってレジへと走って購入となった流れである。

 

肝心のネタは残念ながら教えられない。

 

ただページの一部を紹介すると、掲載されていたオレのネタにおける点数的な

ものは以下である。

 

 

おお、たかがオレごときに閣下が満点を献上してくれているではないか!

閣下!光栄でございます!

尊敬するオーケン氏も4点!

 

と、喜びたいところだけど、アイドルのサインをマネージャーが代理で

書いてるのと同じで実際は編集スタッフがつけた点数だろう。

 

でもとりあえずこの本はオレがこの世に存在したことを証明する爪痕的な

記念品であり宝である。

 

もしamazonとかで発見しても「ケンのネタをみてやろう」とか企んで買うなよ!

絶対に買うなよ!ホントに買うなよ!

決してダチョウ倶楽部の「押すなよ!」的なニュアンスでいっているのではない。

恥ずかしいから本当に買うなよという意味。

 

あー、でも事実どうなんだろ?

本当に書籍でだけ採用ならいいけれど、もしオンエアでも紹介されてたらオレが

その回だけ聴き逃してたってことになる。

だとしたら、残念だ。

閣下&オーケンがオレのセンスについてどんなことを話していたのか聞きたかった!

だけど、基本番組でハガキが採用された場合、ノベルティグッズが郵送されてくるはず。

当時送られてこなかったから、やはり番組ではボツだったのかな。

 

 

画面に戻って右下「浅草キッドのバカ丼」。

こちらは土曜日の夜にキッドのおふたりがやっていた「浅草キッドの奇跡を呼ぶラジオ」

という番組の書籍版。

オレがハガキ職人として力を入れていて、実際キッドのおふたりに存在を認識されたのが

この番組だ。

 

「奇跡を呼ぶラジオ」は徳間書店のアサヒ芸能のコーナーと連動していて、ラジオで読まれた

ネタはそのままアサヒ芸能に掲載され、今は亡き消しゴム版画家ナンシー関画伯の生版画が

もらえた。

 

書籍化と発売日が決定した際には、アサヒ芸能の編集部(編集長)から、発売の挨拶および

アナタのネタを掲載されていただきたいのでよろしくお願いしますというDMハガキも届けられた。

 

オレのネタ。

掲載されたといえばされたんだけど、構成的に読者ネタ紹介という形じゃなく、

玉ちゃんのトークの中で使用されたっていう使われ方だった。

まあ、こちらはオンエアでしっかり採用されて当日聴いてて、ふたりとも爆笑して

博士が「面白いじゃん!」って評価してくれたのがとても嬉しかったから別に構わない。

 

そうそう、ここでいうことで今40代50代の人は思いだすかもだけど、

俳優の真○蔵人が、当時の恋人相手を妊娠させたうえに認知せず、そのうえDVを

ふるってかなり話題になった。

 

その会見がまた「オレらのベイビーのフューチャーについて……」とかいいだし、

マスコミを挑発するチーマー臭丸出しで世間がドン引きだったのだ。

 

偶然にもそれと時を同じくして、ヒットチャートに彗星のごとく登場したのが「THE・虎舞竜」だった。

妊娠した恋人のことを歌った「ロード」が大ヒット。

 

偶然にも「妊娠した恋人」というテーマが共通しているこのふたつのトピックを使って

なにかネタがないかと思い、パッと浮かんだネタが採用となり、浅草キッドのおふたりの

番組におけるデビューネタとなった。

 

下の画像はオレのネタをそのまま玉ちゃんがいった流れだ。

 

 

 

うーん、今でこそやや気取って常識人みたいなこと書いたりしているけど

若いころはオレもけっこうゲーノー人をディスってたな。

でも思いついて面白いと思っちゃったものはしょうがない。

 

この前の闇営業記事でもまだその若き日の片鱗が残ってたな。

 

でもやっぱりコレがオレの芸風だから。

読者さまが笑ってくれるなら、ボクは毒でも吐く。

権力にたいしても人気者にたいしても。

 

今こうやって改めて思いだしても、あの頃のハガキ職人の人たちってほんとすごかった。

卑屈になっているわけでもなんでもなく、オレなんてまだまだ下っ端中の下っ端だと思い

しらされた。

 

他のハガキ職人の方々みなさん、安定して毎週毎週何通もマジで巧いネタを番組に

おくり採用されているのだ。

上には上がいると思い、叩きのめされたと同時に、その才能をすごく尊敬した。

 

いうこと書くことが「毒」なんだけれど、本当に見事に巧いのだ。大喜利的に。

 

人の欠点や外見を茶化していじって笑いにするそのへんのクソ人間とは明らかに

違う。

ターゲットとなったゲーノー人たちもそのネタを聴けば、悔しがりながらもおそらく

「巧い」と一目置くのではないだろうかと思える。

 

学校の授業や球技大会ではいい結果もいいアピールもできないけれど、

ひらめきや発想では周囲に負けない自信がある人間……

そんな集まりが活躍できるステージがハガキ職人というステージだった気がする。

 

いい時代だった。

 

最近はラジオから離れてしまっているからラジオ情勢はわからないけれど

今でもその文化が続いていると思いたい。