ゴーストバスターズ(2016) | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

今回の直木賞は候補がすべて女性作家だとのこと。

 

女性作家の観点は男性とはまたちょっと違ったりするので

今回のようなケースも素晴らしいことではあると思うんだけれど、

これを「素晴らしい」っていってしまうことも捉え方によっては女性差別みたいに

なってしまうのかなと二の足を踏んでしまう。

 

男性作家ばかりが候補にあがったときとか、「今回は男性ばかりで素晴らしいですね!」

とかいう声をあまり聞くこともなく、たんなる状況報告程度で終わる一方で、今回みたいに

女性作家ばかり候補にあがったケースを快挙といってしまうと、それはいいかえれば

「基本ありえない」ということをいってしまうようにも聞こえてしまいそうな気がする。

 

決して好感度の女性票を狙っているわけでもなんでもなく、オレは男女問わず文章を書く

人には敬意をしめしているので、今回の女性作家ばかりが候補になった件についてはあえて

素晴らしいとは思わないでおく。

 

女性作家の世界にも世界観や文章力のすごい人がたくさんいるので、今回みたいなことも

特別おかしいことじゃないと思う。

それが候補にあがった女性作家さん方にたいする最高のリスペクトの言葉だ。

 

蛇足だが個人的な応援をいうとすれば、柚木麻子に賞とって欲しいかな。

あのメンバーだと作品読んだことあるのは柚木麻子と窪美澄だけ。

窪美澄は1冊しか読んでんいないけれど、柚木においては候補作は読んでないが

他に木嶋佳苗をモチーフにした「BUTTER」など数冊読んでいるので、是非受賞して

もらえたら嬉しいし、オレの人を見る目の評価もあがる(笑)

 

それはさておき、政治やビジネスシーンにおいて、女性のさらなる社会進出が推進や注目されて

いる中、今回の直木賞候補のような文化面でも女性がずらりと並んだというのは、世間にとって

話題の素材にはなりそうだ。

 

リメイクといっていいのかどうかわからないが、80年代に大ヒットした映画、

「ゴーストバスターズ」が2016年に改めて製作・公開されたのだが、第1作と明らかに

違うのはゴーストバスターズのメンバーがすべて女性だということだ。

 

 

 

――

ニューヨーク。

コロンビア大学の物理学博士エリン・ギルバート(クリステン・ウィグ)は大学の終身雇用の審査を控え、

日夜研究を重ねていた。
しかし、なりゆきでアビー(メリッサ・マッカーシー)と共にゴースト調査を行ったことで、大学を一方的に

解雇されてしまう。
2人はその知識と技術を活かすため、“幽霊退治"を行う会社「ゴーストバスターズ」を起業するが―。

(amazonから引用)

 

純粋に過去のゴーストバスターズの印象から一転した斬新さを狙ったかもしれない一方で

なんとなく作り手側における「女性の社会進出」を暗にアピールした設定にも思える作品。

 

現場のゴースト退治メンバーが全員女性だということの他に、この作品ではゴーストバスターズ

という組織の受付役が男なのだ。

 

それも当初のメンバーの知り合いとかではなく、あとから採用面接を受けにきたチャラ男くん(笑)

例によってこのチャラ男の受付がゴーストにいとも簡単に憑依されてしまい騒動を起こす。

 

一作目ではメンバー全員が男性で、受付が黒人女性だったが、ここではそれがすべて逆転。

女性が現場で働くほど強くなり、その一方で男性が受付などの仕事がやってもおかしくないという

ステータスメッセージが込められていると感じたのは考え過ぎだろうか。

 

 

せっかくなので思想的なことはこのくらいにしておいて、と。

 

ゴーストバスターズといえばやはり80年代にヒットした第1作の印象が強い、

あのころふたつの映画の公開が話題になり、「2G」の激突だった。

 

ひとつのGは「ゴーストバスターズ」。

そしてもうひとつのGは「グレムリン」だ。

 

2作とも興味あったのだけれど、当時身近にいたボンボンのクラスメイトが先にゴースト

バスターズを観に行っててそれを自慢してシャクだったため、オレは父親に「グレムリン」を

観に連れていってもらった。

グレムリンもとても面白かった。

夜、残業していた教授が机の下にいるグレムリンに手を噛まれたシーンはちょっと恐かったが。

 

ゴーストバスターズのほうはのちに地上波かVHSのどちらかで遅れてみたのだが、これも

やはり面白かった。

 

グレムリンとゴーストバスターズはともに80年代を代表する洋画の盟友対決だった。

 

 

で、今回のこの女性版ゴーストバスターズ。

第1作が名作だっただけにどうしてもそれと比較してしまい、見劣る部分は否めないのだが

ところどころ1作目をリスペクトするべく流れはなぞっている。

(監督は違うので)

 

1作目において、話の途中で黒人の大男がひとり、「自分もゴーストバスターズのメンバーに

いれてくれ」といって会社にやってくる。

 

流れ的にもものすごく不自然なので、実はこの大男がどこかでストーリーのキーパーソン

になるんじゃないかと思いながらずっと構えて観ていたのだが、最後の最後まで単なる

追加メンバーで終わり、結果的には本当にただの中途採用という組織の雇用事情を

描いただけだった(笑)

今回もそれに似たような流れがある。

 

あと、ゴーストバスターズについて、実は自分たちで作りだしたフェイクのゴーストを

退治したふりして金を稼いでいる詐欺師集団なんじゃないかと訴えてくる人間が1作目でいて、

その人間にゴーストがホンモノであることを証明するために、閉じ込めたゴーストが放たれて

街がパニックになってしまうというハプニングが1作目にあったのだが、そのへんの流れも

しっかりとなぞっているのは面白い。

 

他にマシュマロマンやグリーンの大食いモンスターなど懐かしいキャラも再登場。

 

元祖ゴーストバスターズメンバーだったダン・エイクロイドその他の俳優がところどころ

カメオ出演(名もなきチョイ役で登場すること)するのも、往年のゴーストバスターズファンには

楽しめるかもしれない。

 

個人的に強くおススメはしないが、第1作のファンは時間あるときにレンタルで見るくらいは

いいかもしれない。