ちくしょう……
好きじゃないので悔しいし、シャクなんだけれど耳に残るなあ。
あの「タイムバンク」のCMの歌。
でも、たとえハナについて好きになれないとしても、相手の耳や印象に残すと
いう結果がでればそれはコマーシャルとして成功なんだとは思う。
歌詞ウンヌンはべつにたいしたモンじゃない(失礼)だと思う。
元ネタとなる選曲勝ちだな、きっと。
曲名そのままで合っているかはわからないけれど、あの「鬼のパンツ」って
いう元歌のリズムはオ○ムがよく流していたマーチの類と同じで、たぶん
人々の耳に残りやすいメロディなんだと思われる。
お笑い芸人のガリガリガリクソンが昔ニート漫談をやっていたとき、同様に
この歌の「鬼のパンツはいいパンツ~ つよいぞ~ つよいぞ~♪」
っていう歌いだしを替え歌にして、
「親~の財産食いつぶす~ ちょろいぜ~ ちょろいぜ~♪」って歌いながら
画面に登場したのもいまだにしっかり記憶にあるくらいだから、やはりそれなりに
鼓膜にこびりつく粘着性があるのだろう。
何気なくテレビをつけていて、あの歌が流れ出したら、ついピクっと反応して
しまう。
だから別にどうするとかいうわけでもないけれど。
それをふまえて考えると、ネット時代でテレビ離れが激しいといわれているけれど、
まだまだテレビの影響って大きいと思う。
好きな曲だけダウンロードしたら無駄な行動や出費は省けるけれど、
そのかわりアルバムに収録されている今までしらなかった隠れた名曲に出逢うこと
もないのと同じで、ネットの動画配信だと気に入った本編だけしか流れない?ので
テレビほどコマーシャルがたくさん勝手に流れることもないだろうから。
令和になった今でもまだ日曜夕方のサザエさん症候群だって存在しているし。
ネット動画は自分の都合で好きなタイミングで観ることができるけれど、テレビって
いうのは決まった曜日、決まった時間にやる。
用事が多い人には都合はつけづらいツールではあるけれど、そのかわり
サザエさん見たら明日からの仕事を考えて憂鬱になるように、この番組を観ると
これを考えるとか、あるいはこれを観るとあのときのことを思いだすとかそういう
のがあるのが大きい。
反町隆史が主演していたGTOの映像をみると、20代前半のときにある女性から
デートの時間を1時間遅らせてほしいというメールをもらい、その調整で家をでる
までどうやって時間潰そうかと思っていたときにテレビつけたらGTOの再放送がやっていたので、
それを観て時間潰してから香水振りまいて出掛けたこととかいうことをふと思い出す人もいるかも
しれない。
って、オレかっ。
つまりネットと違い、意図してないときに意表ついてリズムが聞こえてきたり、
また、決まった時間に決まった映像が流れるテレビの映像や声というものは、
見聞きしている人間のそのときの状況や記憶をリンクさせる「パブロフの犬」の働きをすると
オレは結論づける。
金曜日の夜に、くりぃむしちゅ~の有田哲平がアリタというキャスター役で出演している
「全力!脱力タイムズ」という番組を放送しているのだけれど、この番組を観るとオレは
反射的に温泉にゆきたくなる。あるいは部屋にいても温泉地の旅館にいる気分に
なる。
先日も四万温泉の記事を書いたけれど、だいたいオレが温泉一泊ひとり旅にゆくのは
金曜日である。
なので、金曜の朝に家をでて、鈍行を乗り継ぎ、降りてから歩きまわり、宿について
夕飯を食べ、これでもかというほど宿の温泉に浸かり、夜中近く最後の一湯を浴びて
でて、部屋で氷結吞みながら、ぐたーっといい感じで脱力している時間帯にテレビをパチッと
つけると、まさにその状況にふさわしくいつも「全力!脱力タイムズ」が流れているのである。
温泉旅行ゆくたび、毎々同じノボせた状況で夜テレビをつけるとやっているので、
オレの中では「温泉」=「脱力タイムズ」を連想するというパブロフの犬反応が
できあがってしまっている。
金曜の夜、普通に自分の部屋にいても「脱力タイムズ」がはじまって観ていると
うわー!温泉いきてえっ!!
押入れの匂いが浸み込んだ宿の布団で寝てえっ!!
っていう衝動が突き上げてきて口からケポッて出そうになるのである。
1年以上前に湯西川温泉いったとき湯上りに窓辺で涼みながら観ていた。
そのときは、とろサーモンの久保田がゲストだった。
当時はまだ例の騒動が起きる前で炎上していなかったので、炙りサーモンになる前だが
そこまでおぼえているほどオレの中では「温泉」と「脱力タイムズ」のふたつはパブロフリンク
しつつある。
また番組も番組で、あの時間帯、あの尺だからこその面白さがあるのだ。
ゴールデンじゃダメ。
あの時間だからこそイカす絶妙なゆるさと、ゲスト出演芸人のみせるリアルな反応が
たまらない。
かつてTBSで「クイズ タレント名鑑」という番組が放送されていた。
あえて下世話を全面にだして演出した番組だった。
ていさいはクイズ番組だけれど、実際にはなんでもありのクイズ番組コントみたいな
異色の番組で、視聴率は悪かったが視聴率は熱烈な支持者ばかりというような
番組でオレは大好きだった。
しいていえば、「脱力タイムズ」は、それのクイズ番組版じゃなく、情報番組版といった
ところだろうか。
スタッフ全員でテッテーして一生懸命にくだらないことを考えている姿勢がとても好きだ。
芸人さんもガチの大喜利的なアドリブが試される場でもあるので、たまにはスベルるがそこも
また計算済み(笑)。
観た人しかわからないかもしれないけれど、前回はロザンの宇治原がゲストだった。
それで昔明石家さんまの番組でやっていた「ご長寿早押しクイズ」をやっていて
宇治原が台本ナシでいきなり参加させられていた。
オレだったらなんて答えるかをテレビ観ながら一緒に考えていた。
やはり即興でアドリブが効く人とかってすごいわ。
まったく思いつかないし、思いついたとしても答えがイマイチだったり。
で、そこで意味もなく嬉しくなったことがあって、なんという問題だったか忘れて
しまったが、聞いた瞬間オレが「コカイン」という答えを思いついた。
そしたら、そのあとテレビの中で宇治原がまったく同じ「コカイン」という回答をしたので
めちゃくちゃ驚いた(笑)
もっとも向うは録画だから時間軸としては宇治原のほうがオレよりもずっと先に答えて
いたのだけれどね。
そして、数年後に改めてこの記事を読み直したとき、果たして「タイムバンク」というのが
なんだかったかすぐに浮かぶだろうか。
まあ、とにかくまた温泉いきたい。