七人の侍 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

わけあって、3月に定期健診とは別に血液検査をうけてきた。

いろいろ調べることがあるゆえの流れであり、別に命に関わることだとか

ふしだらなことゆえの検査とかいう流れではないので、そこはあまり

御心配なく。

 

で、その結果が今月頭にでたので、聞きにいってきた。

 

結果用紙と照らし合わせながら先生からいろいろと説明を受けた。

ほぼ問題なく「成人男子の平均範囲内の数字です」だったとの報告。

 

だが、そのあと先生が「ひとつだけ……」と付け加えて話しだした。

 

‘え!?……なんだ? なんだ?’

と戦々恐々。

固唾をのんで聞いた。

 

「コレステロールだけ、他の人に比べてやや抜けて高いです」

と先生はいった。

 

……はぁ~、やっぱりそうか。

 

うん、まあ、そりゃそうだろうな。

ひとり暮らしで野菜もあまりとれず結果肉メインになるし、カップ麺もよく食事に

してるし、今はいろいろあってアルコールも毎日2本から3本へとアップしてきている。

外食ゆけばラーメンあるいはガッツリ揚げ物系のジャンク。

当然の結果といえば結果だ。

これは真摯に受け止めよう、と思いながらちょっとだけ頭を垂れていたら、

そこで先生が「ただですね……」と言葉を続けた。

そしてこういった。

 

「○○さんも聞いたことあると思いますが、コレステロールには2種類あって

善玉と悪玉というのがあるんです。で、善玉コレステロールというのは悪玉コレステロール

の活動を抑える働きがあるのですけれど、○○さんはこの善玉コレステロールが平均

よりも高いんです。なのでこれはいいことかと思われます」

 

ちなみにHDLというのが善玉で、LDLというのが悪玉らしい。

男子の善玉コレステロール数値の平均は40~80らしいのだが、以下のようにオレの

善玉数値は平均数の最大値を17上回る「97」らしい。

 

 

マジか! Σ(゚Д゚)

ほっほっほ!ベジータさん、教えてあげましょうか?

ワタシの善玉力は「97」です。

惑星ごと消してさしあげますよ。

 

しかし、こんなことがあるとは。

まさに人体の不思議である。

不摂生の代名詞であるようなこのオレの中で悪玉よりも善玉のコレステロールの

ほうが強いとは、タイムトンネルをジュオンジュオンジュオンと走って現れ消える

ゼンダマンが乗るゼンダライオンもびっくりである。

(タイムボカンシリーズでもっともマイナーなシリーズをあえて実験的に出した)

 

オレは貧弱だけれど、これまで骨折や手術や大きな病気は経験がない。

一方ですごく強靭な肉体を持ったアスリートが病魔に襲われたりする。

 

これはヘンな意味でなく、本当になにかそういった強弱の運命的な分配というのが

神とかの手によってされているのかなと感じたりする。

 

強靭な肉体やメンタルを持って生まれてきた者は、体内的な免疫に欠ける。

一方で、肉体やメンタルが弱いものは、体内における抗体的な存在が強い。

ここではじめて、世の中にあるすべての人の運命の天秤のバランスが均衡になっているのか

と感じたりする。

世の中にある幸福の数は限られていて、それがどう分配されるかとかいう論をきいたことが

ある。健康の数も幸福の数と同じかもしれない。

 

話がやや脱線したので、軌道修正しよう。

 

エヴァンゲリオン初号機と鶏ガラが結婚してできた子供のような貧弱な体を持つこんな

オレの体の中でも、そんな強い用心棒みたいな善玉コレステロールがいたなんて

驚きだった。

 

なので先生から善玉コレステロールが高いと聞かされた瞬間、パッと頭の中で思い浮かんだ

のが、黒澤明監督の名作映画『七人の侍』だった。

 

 

 

――

黒澤映画の金字塔であり、日本映画史上空前の超大作。

舞台は野武士が野盗化していた戦国時代。ある村に住む貧しい百姓たちは、侍を雇って野武士の

群から村を守ることに決める。

そうして集まった7人の侍と村人たちのもとに、ついに野武士が襲いかかる。

(amazonから引用)

 

当てはめてゆくと、

貧しい村 = 貧弱なオレの体

野武士 = 悪玉コレステロール

七人の侍 = 悪玉からオレの体を守る善玉コレステロール。

 

うむ、パズルのように見事にぴったりと変換できているではないか。

 

貧弱なオレの体だけど、その中には用心棒のような善玉コレステロールがいて

悪玉コレステロールの侵略からオレの健康を守ってくれているのだ!

と、勝手にそんな世界観へと変換した。

 

「七人の侍」

一度だけ観たけど長い。

ホントに長い(笑)

 

でもやはり当時の日本映画としてはかなりのアクション映画だとは思った。

合戦シーンも現在に劣らない迫力で、戦いながらも美しい。

 

村人たちに雇われた七人の侍は全員強いんだけれど、今の美形ばかり揃えた

ドラマや映画と違い、七人のうちほとんどがどこかムサくて決して美形ではないところ

がまたいい。

 

海外の俳優と同じで、正直そのうち数人は似たような顔に見えるのだけれど

ひとり、細身でルパンの石川五右衛門チックな寡黙な侍がいて、彼はなんだか

一線を画してかっこよく見えた。

 

黒澤映画は映画界においてハリウッドのジョージ・ルーカスあたりにも影響を

与えたのは有名だが、漫画界にも影響を与えている。

 

キン肉マンの作者である、ゆでたまごも黒澤作品のファンだとみられる。

コミックスの7巻あたりで、「七人の超人」というエピソードがあり、いくらか印象に残っている。

 

地球から遙か離れたラッカ星という惑星で、そこの村の住人たちがいつも宇宙野武士という

凶悪な集団に襲撃されている。

 

そこにビーンズマンという少年の超人がいるのだが、宇宙野武士の手からラッカ星を救って

もらうために、強い超人がたくさんいる地球へとやってきて、キン肉マンはじめラーメンマンなどの

七人の超人を連れてラッカ星へと戻り、その七人で宇宙野武士と戦うというエピソードだった。

厳密にいえば、当初キン肉マンはダメ超人扱いだったため、ビーンズマンから無視されていたが

無理やりついていった(笑)

 

このエピソードは誰がみても「七人の侍」のオマージュである。

 

ゆでたまごに関していえば、黒澤作品に限らず好きな漫画をいろいろオマージュしていて

プラネットマン戦における人面疽(じんめんそ)で、プラネットマンの心臓部に浮き出た

ウォーズマンの顔面をぶち抜いて悲しい勝利をおさめるエピソードも、永井豪原作の

デビルマンにおける「恐怖のジンメン」の流れをほぼそのままなのだが、やはりあとの時代の

表現者にそういう影響を与えされる映画監督や漫画家の作品というのはすごいのだなあと

改めて思う。

 

そういえば、もう6年以上前だろうか。

 

当時記事にもしたが、横溝正史の墓参りにいったら、たまたまその近くに三船敏郎も眠っていた

ようなので墓前で手をあわせて線香を置いてきたことも思いだした。

たしか神奈川県の墓地。自転車でいった。

(画像は過去記事より)

 

 

ミフネ

 

孫娘、三船美佳の再婚も、きっと喜んでおられるだろう。

なんでもないようなことが幸せだったと思うような日々を過ごしたいものだ。