そば一休 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

朝に駅前で街頭演説している人やワイドショーの司会の人の

「みなさん、おはようございます!」

という挨拶が最近ちょっと気になる。

 

割合としてはたしかに朝から夜まで勤務していて、朝ならば駅を

使ってこれから出勤するという人も多いだろうとは思える。

 

でも、電車を使って早朝に帰宅する夜勤の人もいると思うし、

同じく徒歩や車通勤だけれど、朝に家に帰ってこれから寝る前に

ちょっとだけテレビをつけてニュースを観てから寝る人もいるのは間違いない。

 

人数の割合とかに関係なく、「どんな内容でも仕事は仕事だ」

と偉そうに語る人間もいるが、仕事についてそういう平等思想を持っているのであれば

その挨拶はオカシイし、夜勤の人の存在をしっかリ見つめていないのでは

ないだろうか。

 

また、同時に「いよいよ明日から大型連休ですね!」という司会者の発言も

軽率である。

サービス業で土日祝日こそ休みをとれない人だって多い。

本人が望んでサービス業をやっているのならばまだいいだろうが、生活費のために

望まぬサービス業をやっている人だっているのだ。

 

現にオレは20代のころ、バイトで土日祝日まったく休めず、世間でいうカレンダーの

大型連休といわれる数字にさしかかるたび、ものすごくブルーになって病んでいた。

 

連休前にテレビでニュースの司会者が

「さて、明日からいよいよ大型連休ですね!みなさんはなにをなされて過ごしますか!」

というのを聞くたびに、金属バットを両手で強く握りしめ、大きく上に振りかぶりスイカ割の

スイカを叩きわるようにして、大きくそれを振り下ろしテレビを叩き割りたい衝動にかられた

感情を必死に抑えたものだった。

 

オレは休日出社はバイトも含めて数えきれないほど経験した。

でも夜勤の経験はほんの1日か2日くらいしかない。

でも、なんとなくその大変さはわかる。

夜が得意な人もいるだろうけど、ほとんどが収入のためにやっている人だと思う。

 

そういう人たちもたくさんいるのに、演説や放送で朝に民衆にたいして

「おはようございます」

としかいわないのは、やはりそういう人たちの時差労働の苦労が薄くしか見えて

いないのかなと。

本来ならば

「日中勤務のみなさんはおはようございます。夜勤でお帰りのみなさんはお疲れさまです」

と挨拶するべきなんじゃないだろうか。

 

そんな挨拶は面倒くさいというのであれば、それはもうそういう人たちにとって面倒くさいから

そこまで気を遣わないでいいと思われている時間帯の仕事という認識だと誤解される。

 

自分がいい人ぶるつもりもないし、事実いい人でも聖者でもなんでもないけれど

自分と違う立場にいる人の心境を考えてまでいろいろ想像できることが‘優しさ’であると思うし、

そもそも、とても面倒くさいことまで考えるからこそ、‘優しさ’といえるのではないかしら。

 

実際に深夜業務の人や土日祝出社の人はそこまで考えたり悩んでないよ、といわれたら

まあそれまでだが、なんだかんだで社会のシステムの多くが平日日中に稼いだり交渉することを

中心に稼働しているのは間違いない。

 

そんな中で先日いった「そば屋」は早朝から営業して昼過ぎには閉まるというお店。

 

『一休』

東京都稲城市東長沼819

詳しくはココ

 

 

大通り沿いに、ポツンと一軒そば屋。

 

ビルの一階のテナントとか住居兼とかいう「そば屋」がほとんどだが、

ここは見てのとおり、「そば屋」だけの建物。

液晶テレビのように薄い建物、そして敷地。

 

場所柄、朝早かったり長距離移動するドライバーのためのようであり

ドライバーに優しいオアシスのような「そば屋」である。

 

この店おそらく、学生時代から見たことはあった。

友人の車で神奈川方面あるいは神奈川経由で遠出するさい、よく前を通って

ずいぶん個性的なそば屋があるなあと思っていた気がする。

 

ただゆく機会がなかった。

今回近所を通る機会があったので昼に入ってみた。

というか昼過ぎたらやってないので。

 

暖簾に店名見当たらないし、看板も「営業中」しかないので店名がずっと不明だった。

帰ってからネットで調べて「一休」だとしった。

ドライバーが休息する場所という意味の「ひとやすみ」という意味も掛かっているのだろうか。

 

早朝から昼までとはいえ、かなりの人気店。

駐車場数台ぶんあり車でくる客もいるし、スーツ姿のサラリーマングループもきている。

昼はほぼ満席。

 

店内もこじんまりしていて、カウンター数席。

微妙に椅子があるので立ち食いではない。

 

個人経営の小さな店なので店内にはささやかな決まり事が書かれた紙が貼ってある。

カウンターの前には、そば・うどんに乗せるものが置いてある。

 

 

まずは、「そば」か「うどん」かを伝え、そのあとに乗せたいものを伝える。

 

今回初めての訪問だったので、やや戸惑ってしまい単純に「かけ」のそばにした。

 

「そば」(普通盛) 350円

 

 

シンプルながらそれなりによかった。

 

上に乗せる具材は、人気あるものから早く終わってしまうらしいのでゆくならば

早めのほうがいい様子。

 

今度ゆくときはなにか乗せてみたい。

一見、がんこ主人の店っぽいオーラがあるがとても暖かい感じのするご主人が

経営されていて、常連やドライバーに愛されているのが理解できる。