帰宅途中、駅前や大きな施設の前を通り掛かると、なぜかやけに人だかりができて
いるシーンことが最近多い。
なんだ!? ついに我が町にも学園祭クィーンの千堂あきほ、または中條かな子が
やってきて、その出待ちか!
と思ったgよく観察してみると、みんな誰かが来るのを待っている様子ではなく
手にしたスマホをじっと見ては人差し指を画面にあてて、ピッとはじくしぐさをしている。
どうやらポケモンのようだ。
これだけの人数が動員されていることを考えると、今の端末内におけるゲームの
需要というのはすごいと認めるしかない。
でも、同時にほとんどの人気ゲームがスマホやタブレットの中で楽しめてしまう現代だけに
ゲームセンターの需要って今あるのかなあと思う。
ラウンドワンみたいな複合レジャー施設内のゲームコーナーは健在で盛り上がっている
だろうと思われるが、アプリに押されてプリクラも平成レトロになりつつある今、新規で
オープンする単体のゲーセンてあるのかなと思う。
オレらが小・中・高校のころはゲーセンがとても元気あった。
ファミコンはじめとする家庭用ゲームも全盛期だったが、なかなか家庭用ゲーム化されず
アーケードでしか楽しめないゲームもまだ多かったため、放課後にゲーセンにゆく同級生は
とても多かった。
オレはもともとゲームにそんなに興味ないうえ、稀に興味あるゲームがあっても硬貨を投げだして
までやりたいとか思わなかったし、なによりゲーセンのイメージとしては「ゲームをする場所」と
うより「かつあげされる場所」というイメージが強烈に先行していたため、進んで好んでゆくことは
まったくなかった。
ただ、仲の良い友人にゲーセン好きが多かったため、放課後とかに付き合いでよく一緒に
いったりはしていた。
(幸運なことにゲーセンにかぎらずカツアゲされたことは一度もない)
高校生時代にもっとも流行ったアーケードゲームがおそらく「StreetFighterⅡ」。
通称ストⅡ。
付き合いで一緒にいっていた友人も、それほど親しくないがゲーセンいったらたまに
遭遇した同級生も、みなこの格闘ゲームをやっていた。
職場にいる20代の若いコに訊いたら、ストリートファイターシリーズはまだ継続している
とか。
なんというロングセラー。
オレが高校生のころに生まれたから、地味にもう20数年以上も続いているというから
驚きだった。
今はもうゲーセンにはほとんどいかない状態なのでよくしらないが、当時のゲーセンには
乱入システムみたいなのがあった。
ストⅡみたいな格闘ゲームで、そのアーケード専用の大きなゲーム台が向き合って
設置されているのである。
なので、その片方の1台である人がコンピューター相手に1人プレイをして楽しんでいる
途中、どこの誰かもわからない人が向かい合うゲーム台に座って硬貨を入れ参戦して
きて対戦を挑んでくるというシステムである。
人によってはテクニックや策略を持った人間相手ではなく、プログラムされたコンピューター
が操るキャラとの戦いを楽しみたいというタイプもいると思う。
だから、その人がコンピューターが操るキャラ相手に戦ってて、あともうちょっと攻撃を
ヒットさせれば勝利で次のステージ!となりそうなときに、いきなりどこの誰だかわからない
第3者が乱入してきて、画面にニューチャレンジャー登場みたいな表示がでる。
コンピューター相手に優勢にすすめていたそのバトルはそこで強制終了。
まったくなかったこととなり、その乱入者との戦いとなる。
今考えればけっこうとんでもないシステムである。
顔みしりが乱入してくるのならばわかる。
でもほんとにどこの誰だかわからない人間が乱入して勝負を挑んでくるのだ。
ひとついえること、どこの誰だか知らない人間がゲームを楽しんでいるところに硬貨を
投入してまで挑んでくるということは、よほどゲームの腕に自信があるということ。
あるいは、そこで自分が負けることによって相手に因縁をつけるきっかけを作ろうと
しているか。
実際、高校時代に友人数人とゲーセンにいって、ひとりがストⅡをやっていてそれを
オレら友人数人が観てたことがあった。
コンピュータ相手の1プレイだったのだが、途中明らかにヤンキーと思えるガラの男が
向かいの台に座り、友人が楽しんでいるところに乱入してきた。
ここでひとつコワい部分を説明すると、プレイしている本人はゲーム台に座ってて
正面には画面があるから、乱入してきた相手の姿は見えないのである。
だが、あとから乱入してくるほうは、先にひとりプレイしている人間の姿や様子を確認
してからそこに座り乱入しバトルを挑むことができるということが大きな違い。
そのとき、プレイしていた友人が乱入してきたどこぞのヤンキーに勝ち、負けた
ヤンキーが苛立って席を立ったあと、プレイを続けている友人のつま先を蹴って
去ってゆこうとし、怒った友人が立ちあがり文句をいい、そのまま実写のStreetFighter
になりそうなこともあった。
ただ、その友人はみためはおとなしそうなのだが、実は強気で力もつよく、よく見たら
ガタイもいいので、相手のヤンキーはまさか言い返してくると思わなかったのか
ブツブツいいながらそそくさと立ち去っていったのを今でも憶えている。
基本、ゲーマ―ではないオレだけど、友人たちがゲーセンでストⅡをプレイしているのを
観て、これはちょっと面白そうだなと思った。
ゲーセンで小銭を投資してまで何度もやりたいとは思わなかったけど、スーファミでソフトが
でたときは購入してしまった。
人気は衰えない作品だったには違いないが、村上春樹の小説と同じで人気作だけに
中古販売店では値崩れが発生し、やすく購入できた。
ゲーセンで遊ぶと1プレイ100円。
なので、仮に2000円だとしても、ゲーセンで遊んだこと考えれば20回プレイすれば
元がとれる。
あとは自宅なんで何度でも遊び放題。
これはオトクだった。
ストⅡの魅力のひとつは個性豊かなキャラ。
スペイン代表だっけか?
仮面を被り、長い鉄の爪を武器とする「バルログ」のモチーフはおそらく、キン肉マンの
ウォーズマン。仮面そして明らかな凶器でしかない爪はウォーズマンのベアークロ―だろう。
大ボス的な存在の「ベガ」など、帝都大戦その他さまざまなボスキャラのイメージが強い。
王道的な人気キャラはやはり「ケン」とか「リュウ」だったけれど、ゲームが得意ではない
オレはコントローラーのボタンを素早く押したりするのができないので、竜巻旋風脚みたいな
難しい技は繰り出せないため、よく使用するキャラは、もっぱら「春麗(チュンリー)」だった。
得意技は2、3種類と他のキャラに比べて少ないが、ただただボタンを連打すれば
強烈な百烈キックを繰り出せるなど初心者には操りやすいキャラだった。
名前忘れたが、にちにベルリン娘みたいな女性キャラも登場した記憶があるが当時は
この春麗がストⅡにおける唯一の女性格闘キャラだった。
当時ストⅡはゲームという枠を超えた人気があって、タレントとかがコスプレして
それぞれのキャラの世界観を現したオリジナルテーマ曲をリリースしてた気がした。
元Cocoの宮前真樹だったと思うが、この春麗のコスプレで、ゲーム中に使用されている
春麗のテーマメロディに合わせて歌詞をつけた「夢へのポジション」とかいう曲もリリース
された記憶がある。
ストⅡはやはり影響力あった。
猫ひろしもネタでよく「昇龍拳!」とかやってたし、同様に高校時代も体育の時間に
「昇龍拳!」とか叫びながらリュウやケンのマネしてるやつもいた。
プールの授業では水の中で、「ソニックブゥーーム!」といいながら手を大きく動かし
波を作っているやつもいた。
(ストⅡしらない人は、この時点でサッパリだと思うので申し訳ないw)
うん、でもこうやって改めて振り返ってみても、ゲームにそんな興味ない人間でも
ついつい買いたくなってしまうゲームを考えられるクリエイターっていうのはほんとに
すごいと思うし、ストⅡは名作だと思う。