麺屋武蔵 二天 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

小出しにしてきた池袋の記事も5回目の今回で最後。

マルハバの次のにおい展の次の乱歩邸の次の豊田屋3号店の次の〆に

いったラーメン屋。

 

腰を据えて吞んだあとに、一緒にいたSさんが「〆にラーメン食おう」と

いいだすのはメンタリストのDaigoじゃないオレでも予想できる流れだった。

 

オレ自身もせっかくだから最後は池袋のラーメン屋で〆たいと思っていたから、

豊田屋3号店をでて、男ふたり麺を喰らいに向かう。

 

やっていたのはこちら。

 

『麺屋武蔵 二天』

東京都豊島区東池袋1-2-4

HPはココ

 

 

今はあちこちに系列を展開している麺屋武蔵ファミリー。

吉祥寺の「虎洞」、上野の「武骨」、高田馬場の「鷹虎」など数多いが、池袋にあるこの「二天」は

武蔵ファミリーの中でも、新宿本店と青山(せいざん)に続く3店舗目として、もうかなり古いほうに

部類されるのではないだろうか。

 

訪問は3度目。

はじめていったのはまだオープン間もない頃で、この場所へ移転する前だ。

だからもう10年以上余裕で経過していることになる。

 

一回目は営業中にひとりでいって、美味いと思った。

二回目はこの日も一緒にいるSさんを誘って二天にいったら、Sさんがはすごく気に入ってくれた。

オレが異動や退社したあとも、二天に何度か通ったとのことで、それはオレとしても紹介した甲斐が

あり、なんとなく誇らしげで嬉しかったものだ。

 

そんな過程もあり、この日もおそらくSさんが最後に「二天にゆこう」というだろうと予測していて

それが的中。

で、訪問に至った。

 

前に来たのがかなり前だから、あまり明確にはおぼえていないがその時はたしか、

豚玉天らーめんとかを注文した気がした。

 

Sさんがつけ麺を頼むというので、オレも今回は一緒にしてみた。

 

食券を買ってカウンター席について待つ。

 

待っている間、昔一緒に来た時代を懐かしむようにSさんがボソっといった。

「今はもう、アレやってないんだよね」

 

アレというのは店員さんが麺のお湯を切る時に見せるパフォーマンスの

「つばめ返し」のことだった。

 

そうなのだ。

今でもやっているところもあると思うが、有名なラーメン屋には茹でた麺のお湯を切るとき

に独特な動きを見せるパフォーマンスがある。

 

神奈川の中村屋ならば「天空落し」、立川の鏡花ならば「華厳の滝」、

そしてこの二天は「つばめ返し」である。

網ですくった麺を手首を回転させるようにして、2度激しくクルクルとまわして、お湯を切る技だ。

 

昔きたときはこれが全盛だった。

だからカウンターの向こう側の厨房の床は、湯切りで撒かれたお湯でビショビショだった。

一見すると不衛生に見えるかもしれないが、それは許せる風景だった。

ちょっと大袈裟なパフォーマンスだとは思っていたが、そこに思いきりのよさと解放感が

存在していたのもまた事実だった。

 

そう、例えるならば、バスツアーで農園のイチゴ狩りに立ち寄って、その場で刈り取ったイチゴを

食べた時、残ったヘタをゴミ箱じゃなくて、そのまま地面に捨てていいといわれ、捨てるような

解放感。

 

汚いような感じもするが、果物の捨てられた葉や種はやがて土に還るのだ。

同様に厨房の床にまかれたお湯も、やがては流れるか乾いて空気に還ってゆく。

そんな気がするので許せる。

 

ま、摂理的な論議はさておき……

 

おまちかねの麺が登場。

 

「豚天つけ麺」 880円 だったと思った。

 

 

Sさんもいっていたけど、やはりトッピングに‘揚げ物’を持ってくるというのは

ある意味斬新。

 

トッピングのほうで凝り過ぎるパターンは飛び道具的な印象もあるが、揚げ物は

許容範囲である。なにを偉そうにいっているのかわからんが(爆)

 

でもやはり武蔵系は麺がしっかりとした太麺でツルツルして喉へのすべりがよい。

スープも人気店に多いコッテリではなく、サッパリ。

 

正直いうと、かつて話題になった新宿店の行列はマスコミが作った行列の部分があるとは思う。

サクラとう意味ではない。

メディアが頻繁にとりあげるから、一度食べにいってみようという人たちが来たことによって

できた行列。

 

でも美味いことは間違いないのだ。

個人的には2、3時間並んでまで食べたいとは思わないが、メディアが取り上げたという以外の

面においてもやはり、それなりの人を集める要素を持った店だと思う。

 

今回の二天の状況のように、訪問したらちょっと待つかもしくは数席空いていて

すぐ食べられるくらいがベスト。

 

二天は池袋にいった際はいきたいラーメン屋のひとつに間違いないということが再認識できた。

次は原点にかえって、またらーめんを食べてみたい。