エピソード♯01府中刑務所 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

普段観ているテレビ番組については先日記事で書いた通りだが、

この前、ラテ欄みたら、明石家さんまの番組のところに「三多摩」という言葉がでていたので

ちょっと観てみた。


23区以外の市出身の芸能人を集めて、いろいろトークする内容だった。


我らが府中市出身のタレントもふたりでていた。

安めぐみとハリセンボンの箕輪はるか。


安っさんが府中出身なのは知っていたが、ハリセンボンのはるかが府中だったということは

初めて知って地味に驚いた。


小室哲哉から見栄晴まで意外と出身芸能人が多い府中。


そんな府中であるが、今年も恒例の「府中刑務所文化祭」の季節がやってきたので

自転車でふらっといって顔を出してきた。


開場は朝10時。



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近所なので開場前とか同時とかに到着したわけじゃないが、それでもそれなりの人が

ぞろぞろと歩いていた。


さて、

府中刑務所文化祭といえば、毎年話題になるのが一日所長としてゲストでやってくる

女性タレントだ。


去年はMAXの3人、その前は篠田麻里子。


それ以前も、島谷ひとみやら、国仲涼子やら、飯田圭織やらというラインできていたので

今年はいったい誰かと期待していた府中市民および近隣の市の文化祭ファンも多かった

と思う。



毎年文化祭の数週間前になると、サイトにてゲストが誰だが発表されるのだが、今年は

開催日の3,4日前まで告知なし。


そして、直前になって発表があった。


落語家の桂才賀サンという方と、Paix2(ぺぺ)という女性二人組。



おふた組とも、主に刑務所慰問に力をいれてらっしゃるようで、Paix2というふたりは過去に

テレビか何かで名前も、そういう活動しているグループだということもなんとなく知っていたが

桂才賀サンという方は大変失礼ながら存じてなかった。



刑務所のイベントとして、もっともふさわしいチョイスだというのはわかる。

だけど……


これまでキレイどころ人気女性タレントでやってきて、どうしてここで急に正統派になった

のだ??


一日所長発表もギリギリだったこともあって、当初ブッキングしていた女性タレントが何か

事情があって出られなくなったとか?

石垣島で大麻やって捕まったとか? ←バブル時代の人気女優じゃないか、それわ(爆)



まあ、おそらく……


・当初、一日所長で交渉していた女性タレントに問題が起きてでられなくなった。

・刑務所のイベントにふさわしいゲストを呼びなさい! というクレームが入った

・予算の問題


の、どれかだとは察する。


毎年人気で受刑者が過ごしている敷地に入れる「プリズンアドベンチャーツアー」とかは

今年もやっていたようだけれど、宿舎のなかで受刑者と同じメシが食べられるプリズン食堂とか

はやっていなかった様子だ。

(そのかわり、食堂で食べるのではなく弁当販売という形式でやっていた)


目には見えない塀の中のいろんな事情があって、今年はさりげなく規模を縮小しているように

見えた。

それでもかなりの賑わい。


去年までステージは広場のようなところに設けてあったけれど、今年は宿舎前だった。



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小さくてわかりにくいが、壇の向こう側にいるのが桂サン。


左側の椅子に座っているおふたりがPaix2。



模擬店もかわらずたくさんある。


呑み喰いはしなかったが、焼き鳥なども1本90円と安い。


テーブル席で食事をとる家族も目立つ。




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「プリズン食堂」と「プリズンアドベンチャーツアー」は両方とも過去に経験済みなのでスルー。



今回は物販テントをメインに見て回る。



府中刑務所だけでなく、日本各地の刑務所で受刑者たちが作った革製品や洋裁用品、

木工品などが販売されている。


下の画像は長野刑務所の出品テント。




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各刑務所によって、品物などは異なり、デザインや品質もなかなかバカにできない。


毎年早い時間から各テントともお客さんが殺到。

昭和のドラマでよく見たバーゲンセール会場の主婦同士の熾烈な争いみたいな情景になる。

(すまん、ちょっとだけ表現盛ったw)


こちらは見本として展示されていた「前掛け」




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和のなかにポップが感じられる。


このようなものが他にもバッグとかスマホケースとか小物入れとかたくさんある。


デザインもいくつかパターンがあり、かっこいいものは本当にあっという間に売り切れる。



今年は初めてテントで商品を買ってみた。



『刑務所の小袋 R調』 710円



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中央の○に囲まれた【獄】という文字がなかなかイカすでしょう?


小物入れとして腰からぶらさげられる。


網走テイストだけど、府中刑務所出品だ。


本当はもっといいデザインのもあったんだけれど、早い段階で売り切れてた。


手にとってみるととても軽い。


軽いんだけれど、重たくもある。


わかるだろうか、この意味が?



この小物入れを作ったには受刑者の人たち。


いわば贖罪が日用品に姿を変えて手元に届いたといって過言じゃない。



同じデザインの小物入れでも、自分よりひとつ先に買った人とは小物入れに織り込まれた

念が違うかもしれない。



オレが購入したこの小物入れ。


この小物入れを製作した「手」の少し遡った歴史を知りたい。


刑務所に入って、この小物入れを縫ったり折ったりする前に、この「手」はいったい何をやったのか?


ナイフを握って人を殺めた手かもしれない。

あるいは命は奪っていないかもしれないがに麻薬を吸う時、人差し指で片方の鼻の穴を

抑えてふさいだ指を持つ手かもしれない。


そんなキケンな匂いのする手が製造した小物入れが、今オレの手元にある。

ゾクゾクするではないか。モノカキ冥利に尽きる興味だ。

想像はふくらむばかり。

実に面白い。



いやいや、オレがいっているのは決して不謹慎なことではないのだよ。


何か素敵なモノを手に入れたり食べたりしたなら、かっこいいとか美味しいとかで簡単に終わらすのではなく、そういったことまで想像できるようじゃないといかんと思う。

結果のだせないアマチュアなりにもモノカキおよびマイノリティブロガーとして、そういった感受性は失わないようにせないかんと思っている。


美味しい肉を食べて幸せだという気分の裏側には、「と殺」された動物たちの運命がある。


安い店で安い呑み喰いをできた幸福の社員には、コスト削減のあおりをくらって奴隷のような

扱いをさせられている社員やバイトの不運がある。


出世して、家族に裕福な生活をさせてあげられる者の裏には、そいつに蹴落とされてジリ貧に

された社員とその家族の不幸がある。





カードには表と裏がある。

表のデザインだけしか見ずに、遊びなれたプレイヤーを気取るのはニセモノ。


あらゆる裏側の状況もわかったうえで味わったり楽しむことができて、はじめて真のオシャレ

とかグルメだとかいえるのだ。それがオレの持論。


あ゛あ゛~!! だめだ! やはりここまで書くと人間の闇をえぐりだすアマチュアライターと

して、世に蔓延する闇を制御できん!


ああ、闇が……、闇が暴走するぅ……(爆)