スネ夫メモリー | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

堤下と板倉からなるお笑いコンビ「インパルス」がかつて放送していた賞金獲得企画

番組でやっていたネタで、個人的にツボにはまったものがあった。


わかる人はすぐわかると思うが、その番組はたくさんのコンビやピン芸人が舞台順番に

舞台に立ち、多くの観客の中からランダムに選ばれた5人を各テーマにそった芸で制限時間

以内に笑わせないといけないルールである。


各テーマとか「一発ギャグ」「コント」「ものまね」など。


テーマひとつクリアするたびにまた別のテーマでチャレンジするのだが、オレがツボだったのは

「ものまね」で観客を笑わす時だった。


用意スタートでカウントダウンが開始され、チャレンジするのがコンビの場合はだいたい

ひとりずつ交代で一歩前にでて、それぞれが誰かのモノマネをする流れが多かった。


インパルスのふたりも当然最初のほうはそんな感じで交代でモノマネを披露していった。

板倉が誰かのマネをして、あまりウケなかったら後ろにさがり、今度は堤下が一歩前にでて

開脚した状態でデンと腰を落とし、「テディベア!」とか叫んで、会場はそれなりにウケていた。


だが、ウケてはいたのだが、選ばれた5人は全員が笑ってはいなかったので即クリアとは

ならず。


迫り来るタイムリミットに焦り出し、舞台の上でバタバタとし始めたインパルスだったが、

あと数秒というところにきたタイミングで、急に何かを悟ったようにして、ふたりで横に

直立不動で並び、真顔で正面をじっと見つめて固まった。


観客も視聴者もなにが起ころうとしているのかワカラナイ状況だったと思う。


そんな状況で会場が一瞬静まったのだが、2、3秒後に板倉のほうがその表情で正面を

見たまま口を開き、ひとこといった。



「ジャイアンとスネ夫」


……


オレは笑った。

そして上手いなァと思った。


たしかにジャイアンとスネ夫だ。


それ以前に何かセリフをいったわけでもない。

キャラをまねた動きをしたわけでもない。


ただ、ふたりですました顔して横に並んでいるだけなのだ。

なのに、いわれてみればまさにジャイアンとスネ夫に見えてくる。


おそらく板倉のほうがピンで舞台に立っていて、ひとこと「スネ夫」といってもかなり弱いと

思う。


だけど、すぐ横に堤下がいることによって、見事にスネ夫に見えてくるのだ。

1+1が2でなく、3にも4にも5にもなる方程式をそこに見た。


さすがインパルスのふたり。お見事な瞬殺芸だった。



インパルスのテンポや発想がすごいのはいうまでもないけど、それがウケるというには

元ネタとなる人物やキャラが国民の生活のなかで当たり前に浸透しているこそというのがある。


誰も知らない人のモノマネなど、よほどの味付けしない限りは爆笑をとれない。


どらえもん、のび太、しずかちゃんはもちろん、ジャイアンとスネ夫という存在は日本中、いや

今や世界中の子供たちを楽しませてくれたキャラとして、2次元初の国民栄誉賞をあげても

いいくらいだと思える。



少し前にジャイアンの声をやっていたたてかべ和也サンが亡くなったが、つい先日は

スネ夫の声をやっていた肝付兼太サンが亡くなってしまった。

実に残念だ。


オレは映画に行ったら、最期までエンドロールを観て席を立つし、アニメを見たら声優さんの

クレジットまで観るタイプなので、肝付サンのお名前は昔からよく目にしていた。


有名すぎるところだが、おそ松くんのイヤミや、銀河鉄道999の車掌など……。


でもやっぱりスネ夫の印象が強烈なんだな。


スネ夫の印象がもっとも濃い作品といえばやはり映画『のび太と宇宙小戦争』だろう。



映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争【映画ドラえもん30周年記念・期間限定生産商品】 [DVD]/野村道子
¥2,100
Amazon.co.jp


敵と戦闘中に姿が見えなくなったスネ夫。


戦うことが怖くなったスネ夫は宇宙船の中にある暗い物置のような部屋に隠れて泣きながら震えていたのだ。そんなスネ夫をしずかちゃんが発見する。

みんなと一緒の戦うように説得するしずかちゃんだがスネ夫はかたくなに拒否。

 

そんなスネ夫を見損なったしずかちゃんは、説得をあきらめてみんなのもとに戻るのだが……

 
 

女の子だって戦っているのに自分は情けないと思ったスネ夫は戦う決心をし、戦線に戻る。

その後、スネ夫は大活躍。

ラジコン戦車をうまく操り、身を張ってしずかちゃんを守ったり、敵を撃破したりする。                                         

ドラえもん映画シリーズの中でも「海底鬼岩城」「魔界大冒険」と並び、「宇宙小戦争」は

名作だった。

                                                                                

テレビアニメでは、どちらかといえば嫌われキャラだったスネ夫にスポットをあてて世の気弱な

男の子たちにメッセージを送ったといえる。                                                        

                                                                               

何度も書いているように、オレは基本「勇気」だとか「頑張る」だとかいう言葉は大嫌いだが、

この映画を観た時は「スネ夫、頑張れ!!」と心から思ったものだ。                                         

                                                          

ジャイアンもスネ夫も映画になると、急にいいヤツになるというのは有名な説だが、テレビ版でも

いじめっこながらやはり憎みきれない愛らしさがある。

それはやはり作画の良さだけでなく、声という命を吹き込む人の才能と人柄だといえよう。                             

                                                                           スネ夫の声で長い間、オレたちを楽しませてくれた声優の肝付兼太さんのご冥福をお祈りいたします。

きっと、今頃999に乗って天国を電車旅されていることでしょう。


車掌                                                 

                                                                          

最後にドラえもんからの名作アニメつながりで、スネ夫とは関係ないのだけれど……。                                       

                                                                             

                                       

数年前にアニメテーマで「みなしごハッチ」の記事を書いた。

アップ当初はコメントもなく、反応も低かったのだけど、あれから今現在までほぼ毎日、

「ハッチ かまきり」

「みなしごハッチ かまきり おじさん」

というワードで辿りつく方が後を絶たない。                                                

                                                                            

そして、かなり古い過去記事になっているにも関わらず一定期間ごと数名の方々が

コメントをしていってくれている。ありがとうございます。

ハッチがそれだけ名作だということだろう。                                                          

訪問してくれた方々に感謝をこめてリブログを添付。