青梅と青海 | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

オーストラリアとオーストリア。


字面も響きも限りなく似ているが、その距離はとても離れている。

集合場所として間違えて到着してしまったら最後、「間違えたから今からすぐむかいます!」

では済まない。


亀戸と亀有。


字面も似ているが都内における位置関係としては、さほど遠くない。

亀戸集合が間違って亀有に来てしまい、間違いに気づいても「電車で寝過ごしてちょっと先の

駅まで行ってしまったから」と嘘をついてタクシーに乗ればなんとか都合つくかもしれない。

だけど都民からすればそれなりに紛らわしいには違いない。


某アイドルがお台場でのライブに向かうにあたり、ゆりかもめの駅「青海」と、

中央線の駅「青梅」を間違えて、普通に「青梅駅」まできて、ベンチに座りながら集合時間に

なっても誰もこいないなーっと待っていたという話題をつい先日テレビでみた。


少したってから「なんかオカシイ」と気付いて連絡をとりあい、自分が青海と青梅を間違えた

ことを知り、あわてて青海駅に向かったという。


距離にすれば都内において対極ではあるが、なんとなく気持ちはわからないでもない。


オレは生粋の東京都民ではあるが、23区外の多摩地区民なので、ゆりかもめが開通してからも

しばらくの間は「青海」という駅名を知らなかった。


20代前半のころ、バイト先の友人の車に乗ってお台場のほうへドライブに行ったのだが、

途中で頭上にみえた案内標識に、「芝」や「六本木」などと一緒に「青梅(おうめ)」と表示されているのを見て、ええっ! こんな23区の埋め立て開発地の案内標識に青梅の案内が出ているのかっ! っと一瞬目を疑ったのだが、良く見たら「青海」で、その時にそういう字を書く駅というか

地名があるというのを初めてしった。


そんな経験があったので気持ちがなんとなくわかると書いたのだけれども、「青」という漢字に

「○毎」という字が続いているのをみて、23区の青海よりも都下の青梅のほうをイメージして

くれたことは多摩地区民としてなんとなく嬉しい気もした(笑)


地名や駅名というものは注意しないと本当に紛らわしい例がある。


冒頭であげた例のように、字で書くと似ている地名・駅名もあれば、字はまったく違うけど

耳で聞くととても似ている地名・駅名もある。


もっとも紛らわしいのは人間でいえば同姓同名、つまり字も読み方もまったく同じ地名・駅名。


そして厄介なもので、人間の感覚というものは一度その地名を聞いたら、まず自分に馴染みの

ある場所のことが頭に浮かび、そこのことだと思い込んでしまう。

他に似たような名前の場所があるかもしれない、という疑いを持たない。



駅から駅までのルート検索をして、目玉がとびでそうになったことはないだろうか?


ご存じのとおり、オレは旅行に行く際は、できるだけ普通列車を使用することにしている。

有料特急に比べると時間を消費するのは明らかなので、前もって移動時間と料金を

検索してから旅にでるのだが、検索するとたまに「所要時間8時間」とか表示されて驚くことが

ある。金額も信じられないくらい高かったり。


いくら鈍行とはいえ、東京から群馬、栃木、千葉程度の路線でだ。


よく見たら、出発駅が東京の府中じゃなく、広島の府中で検索されてたりする。それが原因。



あと、書店をまわる営業をやっていた時代、月に1度1週間ほど関西方面に主張にゆき

現地の書店をまわっていたことがあった。


しばらくの間、大阪府内の書店だけだったのだがある時、上の人が「大阪周辺の県も

ゆける範囲でまわってくれ」という指令がでた。


さらにひとりひとりに対して、具体的にどのへんをまわるかという指示がだされた


「じゃあ、○○は大阪の他に滋賀県と福井もまわってもらい、滋賀では草津までいってくれ」


とオレはいわれて指示にしたがい、実際に滋賀の草津市もまわって東京本社に戻ってきたわけ

だが、すごく恥ずかしい話、東京に戻ってくるまでオレがいった「草津」はあの温泉で有名な草津だと、ずっと思っていたのだ(爆)


自分でも前から認めているが、オレは地理にすこぶる弱い。

高校生になるまでアメリカの首都はニューヨークだと思いこんでいたというのは過去にも書いた。


今ならば温泉で有名な草津は群馬県だとわかるが、当時はまだ温泉に興味がなかった。


上司から「草津」というワードがでた時点で、オレは自分のなかで温泉で有名なあの草津だと

思い込んで疑わなかったのだ。これを世間一般でアホという。

名古屋が大阪だと思っていたり、甲子園球場が大阪にあると思っているのと同レベル。


いや~、現地(滋賀の草津)に到着して、さっそく一軒の大型書店に飛び込み営業入ったら

こころよく、応接間まで通してもらい、とても人の良い担当者の人とあわせてもらったんだけれど、

どういったトークで切り込んでゆけばいいかなって考えた結果、


「いやあ、東京から来たんですけど、草津といえば有名ですからね。一回来てみたかったんですよ~!」


といったら、、担当の方もとても気さくで謙虚な方だったので丁寧に答えてくれたのだが、


「いえいえ、そんな! 有名といってもアノ温泉の草津じゃないですからね、ふふふ」


との返しだったので、それをきいて 「ん? なんかヘンだ。温泉の草津じゃないのか? 」

と少し疑った。


東京に帰ってから調べて、温泉の草津は群馬だと知った。


あぶなかった……

あの応接間で ‘草津といえば’ と ‘有名ですからね’ の間に「温泉で」と一言挿入してたら

オレのアホがバレるうえに、相手を不快にさせていて墓穴を掘っていたところだった。


でもね、言い訳するわけじゃないけど滋賀の草津も駅からその書店に行くまでに、なんだか

熱海っぽい温泉地のようなアーケードがあってそこ歩いていたから、やっぱりここが草津だと

思い込んでいたわけね。


見渡す限り、温泉や浴場が見当たらないけど、ちょっと道をそれたあたりか、脇に入った

あたりにあるのだろうと。


記憶が変換されているかもしれないど、これまたそのアーケードの中に温泉地っぽい赤い

橋や池や、通路に向けて湯気を吹き出している店とかもあった気がすんだよなあ。

それが刷り込みの原因。


滋賀県の草津市の人、その節は誠に申し訳ありませんでした。

フォローするわけではありませんが、滋賀の草津市もこれまた素敵な町だと思いました。



最後に読み間違いではなく、聞き間違いの話。


数年前に仕事の一環で、とあるイベントに開始準備とスタッフ業務で休日の朝早くから

行くことになった。


イベント開始は朝9時くらいからなのだが、打ち合わせや搬入などに時間が掛かるので

朝6時半くらいには会場に集合してほしいと打ち合わせの際にいわれたのだ(汗)


で、その会場のある場所なのだが、責任者である上の人間が頻繁に

「大磯のイベント」「大磯に集まって……」と口にしていた。


それを聞いたオレは、


「え……? オオイソ? 6時半!?」


と耳を疑う。



大磯ってアレだろ? 神奈川にある大磯?


ロングなビーチがあって、昔そこでよく騎馬戦とかやってて、誰がどうみても

肩ヒモがすぐほどけるようなビキニをつけた名前も知らない売れてない女性タレントが

騎馬の上に乗ってて出撃準備してて、対抗チームにはそのビキニをはぎとる要員の

ダンプ松本の乗る騎馬がスタンバイしてて、今やバラエティ番組でその姿を見ることも

なくなったヒゲにサングラスの司会者が「全国のお父さん! ビデオ録画の準備はいいですか!」

ってカメラの向かって叫んだりしていたプールがあるあのオオイソだろ??


たしかにイベント的なスペースではあるけれど……


遠い!!!!!



そこの朝の6時半集合だって!?

早すぎるだろ!

その前に始発あるのか!

始発あったとしても、準備する時間考えれば何時起きだよ!

正気じゃない……、それは狂気だ。


そう思いながら憂鬱な日を過ごし、イベントの数日前となった。


責任者でもある上司の口から改めて当日における進行の詳細が伝えられた。



「で、もうすぐ当日なんだけれど渋谷のオオイソに……」



ん?? シブヤのオーイソだって?



なんで渋谷に大磯があるんだ? 意味わからん。



話をよく聞くと、どうやら渋谷に「O-EAST」(オー・イースト)という施設があるようで

イベントはそこでやるとのことだった。


上司が滑舌あまり良くないのにくわえ、早口で、さらに詳しい説明などを毎回しなかったことで


オーイースト → オーイスト → オーイ → オーイソ


とオレの中でメタモルフォーゼしてゆき、最終的に「大磯」としか聞こえなくなってしまったようだ。


大磯という場所が何もないところであったならば、早い段階で聞き間違いの可能性にオレも

気づいていたかもしれないが、これがまたうまい具合に大磯には「大磯ロングビーチ」といった

いかにもイベントをやりそうな場所があったことが、さらなる強い思い込みを招いたと思える。

個人的に子供のころ、よく連れていってもらったし。



結果的に神奈川でなくて、渋谷だったので比較的近くてすんだ。


ただ渋谷であっても、6時半集合なだけに4時起きの始発出発というのは変わらなかったが(爆)


青梅と青海の話がすっとんでしまったけど、青梅は映画の街であり、昔ながらの良い駅前風景が

広がっている。


観光大使でもなんでもないが、都心の空気に疲れた方は是非、そちらのほうに行かれてみては

いかがだろうか。


あ、それと本当に最後にひとつ。


テレビ番組とかで最初に六本木とか青山とか中目黒とか賑わうオシャレな町を映したあとに

比較表現演出でオチ的に多摩地区の長閑な風景に画面を切り替えるとき、田んぼや河原

のカットばかり画面にだしたり、その画面のBGMにカラスの「カァー」とかいう声を流すような

田舎イメージを全面に押し出す差別的「多摩地区演出」はどうにかならんものかのう?

テレビ局のみなさん?(笑)